【TGS 2012】Criterionのプロデューサーが語った『ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド』の魅力とルーツ
『ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド』を手掛ける老舗レースゲームメーカーのCriterion、東京ゲームショウのプレイアブル展示に合わせて来日していた、プロデューサーLeanne Loombe氏とのクローズドセッション及びインタビューの模様をお送りします。
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■フレンドとの繋がりに重きを置くCriterion流の新たな“Most Wanted”
まずはTGS用デモのシングルゲームプレイを実演しながら、今作の気になるアウトラインを語っていただくことに。Criterionは今作でも“フレンド”の重要性を強調しており、知らない相手よりも、自分のフレンドとの間で“モスト・ウォンテッド”になるのを目指すそうです。
ゲームはオープンワールドドライビング形式の、コースの広さを活用した解放的な作り。好きな時に好きな車でドライブしたい!というプレイヤー要求に応えるべく、既存のレースゲームのように目標達成によるカーアンロックの仕組みを無くし、ゲーム開始時からほとんど全ての車が利用可能。プレイヤーはオープンワールド上のあちこちにある車を見つけ次第、すぐに運転できるようになります。
前作『Need for Speed: Hot Pursuit』に続いて、オンラインソーシャルシステムAutologを導入している本作。プレイヤーがマップ上で新たな車を見つけると、その車を使ったフレンドのアクティビティやタイムスコアを簡単に確認可能、車に乗り込めば、自分が果たすべきマイルストーンも見ることができます。カーアンロック要素の代わりに、ゲームプレイカスタマイゼーションがあり、プレイヤーはタイヤ、ハンドリング、ボディなどをアップグレードできるのだとか。
また、Criterionの人気作『Burnout Paradise』から、“Easy Drive”システムの復活も告げられ、プレイヤーはドライビングを続行しながら、車の変更、カスタマイズ、イベントの選択、フレンドの招待といった操作が行えるそうです。
プレイヤーはゲーム中の様々なアクティビティを行いながら“スピードポイント”を獲得し、フレンドの中で最も多くのポイントを持つプレイヤーが“Most Wanted(最重要指名手配)”となります。レース開始地点ではフレンドの獲得したポイントもチェックできるので、常にお互い競争心が生まれることになります。
チェックポイントレースでは、街中のコースで警察車両も巻き込んだ激しいカーチェイスが展開。プレイヤーはレース終了後も警察に追われるため、一定距離を引き離して振り切る必要が。ミニマップ上に警察の追跡範囲が表示されるのは『GTA』シリーズなどと同じですが、本作では振り切った後に脇道などで一定時間停車させて身を潜める必要があるのはなかなかリアル。尚、リペアショップでは車の修理やペイントを変更をすることも可能です。
■PS Vita版やCriterionのルーツにまで及んだプロデューサーインタビュー
Leanne Loombe氏:それでは質問をどうぞ。
―――今回、2005年にBlack Boxが開発した『Need for Speed: Most Wanted』をリブートすることになった理由、そして『Most Wanted』には他のシリーズ作に比べてどのような特徴があるかを教えてください。
Leanne Loombe氏:リブートしたのは、まさに“Most Wanted(最重要指名手配)”になって追いかけられるというシステムの背景にあるものをとても気に入ったからです。それはとても力強いコンセプトで、フレンドの間で最重要になるというのもクールだと感じました。他のスタジオの続編を作るという意思はなく、あくまでCriterion自身が手がけた『Most Wanted』という位置付けで、スタジオとしても“Most Wanted”になりたい、といった考えもあります。
本作で主要な特徴は、オープンワールドのドライビングゲームであること、「レース」、「チェイス」、「エクスプロアー」、そして最も重要な「フレンドとの繋がり」、これらが1つになっていることです。あとは、プレイヤーが自由に遊べるという魅力もありますね。
―――Criterionが2008年に発売した『Burnout Paradise』は日本でも『パンパラ』という呼称でファンに親しまれていました。先ほども少しありましたが、今作『Need for Speed: Most Wanted』が『Burnout Paradise』から影響を受けた点、あるいは引き継がれた部分などはあるでしょうか?
Leanne Loombe氏:そうですね、オープンワールドである点、自由に運転できる点、あとは衝突やクラッシュといった部分もあります。先ほど紹介した“Easy Drive”もそうですし、『Burnout Paradise』だけでなく、過去の作品全てのいいとこ取りをしているのです。
―――オープンワールドレースゲームということで、ドライブできるコース、強いては全体のマップはおよそどれほどの広さになっているのでしょうか?
Leanne Loombe氏:ひとつ言えるのは、『Burnout Paradise』よりもかなり広いということです。まずFairhavenという街が中心にあり、それ以外に高速道路、海岸線、造船所、発電所など多彩なスポットが用意されています。
―――ゲーム中にはどれくらいの車種が収録されていますか? またどのようなタイプの車が存在しますか?
Leanne Loombe氏:車は50種類以上あり、小型車から大型車、スポーツカーまでバラエティは豊富で、マルチプレイで楽しめるような様々な車を取り揃えております。
―――次はゲームエンジンについて伺います。前作『Need for Speed: Hot Pursuit』からエンジンがどのように変わったか、また具体的にどのような改良が加えられたかを教えてください。
Leanne Loombe氏:前作と同じ自社エンジン(Chameleon)に大幅な改良を加えました。その多くは物理演算、ハンドリング、車ごとのハンドリングモデルなどで、他にもオープンワールドにおける天候ライティングの反射などもあります。
―――Criterionは前作に続いて『Need for Speed』の開発になりますが、非常に長い歴史を持つフランチャイズに取り組むに当たって、意識した点、配慮したことなどはあるでしょうか?
Leanne Loombe氏:主に注意したのはやはり車のハンドリングで、プレイヤーがオープンワールドで思い通りに素晴らしい操作を体験できるようにしました。また車のビジュアルも重要なものでアメイジングにする必要がありましたし、音響効果のクオリティにも非常に気を使っています。
―――PC/PS3/Xbox 360以外のバージョンに関して何か公開できる情報はないでしょうか? ポスターにはPS Vitaのロゴも記載されていますよね。
Leanne Loombe氏:PS Vitaバージョンは全く同じビルドです。オープンワールドもありますし、PlayStationバージョンからの直接的な移植で、10種類のユニークなイベントもあります。ご存知と思いますがiOSやAndroidでも発売予定です。
―――そちらは開発元が異なりましたよね。
Leanne Loombe氏:はい、iOSとAndroidバージョンはオーストラリアのFiremonkeysが開発しています。PS Vita版はCriterionのインハウスで開発していますよ。
―――:分かりました。それでは最後の質問になりますが、Criterionというスタジオはこれまで本当に多くのレースゲームを手がけていらっしゃいますが、レースゲームジャンルにこだわり続ける理由、そして今後もレースに取り組み続けていくのかを教えてほしいです。
Leanne Loombe氏:そうですね、レースゲームはグレイトなジャンルで、続けているのは私達がこの分野でベストを尽くすことのできるDNAを持っているからです。
―――本日はどうもありがとうございました。
『ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド』はXbox 360/PS3/PC(パッケージ/ダウンロード)を対象に日本国内で2012年11月15日に発売予定。早期購入特典も用意されています。
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