岩田聡社長、進退を賭け「来季営業利益1000億円」をコミットメント
任天堂の岩田聡社長は30日、第3四半期業績の発表に合わせて開催した説明会で、来季の営業利益1000億円を経営陣としてのコミットメントとすることを明らかにしました。
任天堂
Wii U
業績発表に合わせ、Wii Uのハード、ソフトの販売数量を下方修正したことや米国市場が苦戦していることなどから、通期の業績予想を当初の黒字予想から200億円の営業赤字になると公表。為替が円安に振れたことから為替差益が発生し、最終黒字は確保するものの、2期連続の営業段階での赤字となることが避けられない見込みとなりました。
岩田氏は従来から「任天堂らしい利益水準を回復する」と述べてきましたが、具体的な数字を公約(コミットメント)とするのは初めて。質疑応答では達成しなかった場合の責任の取り方について質問があり、「コミットメントという表現を使ったことで、既にご理解いただいているかと思います」と述べ、進退を賭ける姿勢を明確にしました。
一方で、来季は既に逆ざやを解消したニンテンドー3DS本体が通期で貢献するほか、ソフトでも『ポケットモンスターX・Y』や『モンスターハンター4』『ドラゴンクエストVI』など主力タイトルが揃うこと、Wii Uも本格的に立ち上がっていくことから、経営環境としては今期よりも来季は明るい見通しが立ちます。現在の為替水準が維持された場合、という前提条件はあるものの、決して不可能な数字を出したというわけでも無さそうです。
2002年の社長就任から11年目を迎えた岩田氏。退路を断ち、「任天堂らしい利益水準の回復」を成し遂げることができるのでしょうか。