ユナイト・モーフのヒントは、絵本「スイミー」から ─ 社長が訊く『The Wonderful 101』開発スタッフ篇

任天堂は、Wii Uソフト『The Wonderful 101』の「社長が訊く」を公開しました。

任天堂 Wii U
『The Wonderful 101』パッケージ
『The Wonderful 101』パッケージ 全 2 枚 拡大写真
任天堂は、Wii Uソフト『The Wonderful 101』の「社長が訊く」を公開しました。

発売を直前に控えた『The Wonderful 101』。本作のディレクターである神谷英樹氏を招き、岩田社長と1対1で行われた「神谷英樹さん篇」を先日紹介させていただきましたが、このたび神谷氏を含めた本作のスタッフを招いた、「社長が訊く『The Wonderful 101』開発スタッフ篇」が公開されました。

対談はまず、岩田社長の「この『The Wonderful 101』が、どのようにしてはじまったか」との質問から始まりました。この質問に答える形で対談は進み、全ての発端は「任天堂のキャラクターを中心に、世界的に有名なキャラクターが一堂に会する企画を考えてくれ」というオーダーから始まったと明かしました。

それを受けた神谷氏は、『ワイワイワールド』や『ファミコンジャンプ』といった、別々の作品から多数のキャラクターが参加するオールスター・ミックス系のゲームに対して思い入れを持っていたことを語り、ユーザーとして遊んだ経験を元に、お気に入りのキャラをずっと使いながら、クロスオーバーを楽しめる形はないかと模索したそうです。

その状況を打破するヒントになったのは、なんと『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズ。自分の好きなキャラクターを遊びながらも他のオールスターキャラクターも同時に登場するゲーム性をきっかけに、「ぜんぶ一度に出しちゃえばいいんだ」との発想へと至りました。それから本作の企画が始まり、その原型は製品版へと受け継がれています。

「神谷英樹さん篇」では、ゲーム制作をしながらゲームの核を作っていくと語った神谷氏でしたが、『The Wonderful 101』に限っては、ユナイト・モーフなども含め、原型の段階から企画書に記載されていたそうです。また、隊員たちが力を合わせるユナイト・モーフは、オランダ出身の絵本作家レオ・レオニ作の絵本「スイミー」からヒントを得たなど、意外ですが訊けば納得というエピソードも飛び出します。

しかしこの企画は、「既存のキャラクターをこんなにぐにゅっと変形させてしまうほど詰め込んで表現することは、過去の経験上ぜったい無理だ」と判断され、一度頓挫します。そして、既存キャラクターをヒーローに置き換え、再始動します。

ですが、それで全てがスムーズに進行したわけではありませんでした。方向性が固まった以降、主に尽力して固められていたのは世界観の構築などで、ゲーム性の確立に関しては結果的にやや後回しになっていたようです。その時期の不安を語る声なども対談で明かされています。

もちろんこの他にも、ゲーム性の確立を目指して作ってはつぶすといった作業を繰り返した話や、ユナイト・モーフを同時に使いこなす「マルチ ユナイト・モーフ」の使用を入れたのが今年の5月だったなど、衝撃的な話も次々飛び出します。その際の当時の心境や、開発会社側の立場や任天堂の姿勢など、興味深いやりとりが交わされているので、興味がある方は、「社長が訊く『The Wonderful 101』開発スタッフ篇」をご覧ください。

最後になりますが、100人のヒーローが登場する『The Wonderful 101』には、神谷氏を模したキャラクター「ワンダ・ディレクター」が存在するとのことです。ちょっと特殊な行動がとれるらしいので、見逃せませんね。また、「あの作品」とのコラボレーションも行われているとのことです。残念ながら詳細は明かされていませんが、「トレードマークのアレもちゃんとマスクに変わってる」とのコメントがあり、しかも専用のユナイト・モーフまで用意されており、かなり作り込まれているようです。

あなたが101人目のヒーローとして参戦する曉には、このたび存在が発覚した隠しキャラクターを、ぜひ見つけてみてください。

『The Wonderful 101』は8月24日発売予定。価格は、パッケージ版・ダウンロード版ともに6,930円(税込)です。

(C)2013 Nintendo / PlatinumGames Inc.

《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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