【PS4発売特集】データで見るPlayStation 4、日本のユーザーはどう迎えた?・・・ゲームエイジ総研

本記事はゲーム専門の調査会社、ゲームエイジ総研の寄稿によるもので、インサイドの姉妹誌GameBusiness.jpで連載されていたデータで見るゲーム産業のいまの番外編となります。

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■3.北米市場では?

ヨーロッパはソニーが優勢ですが、北米は絶対的にマイクロソフトのホームグラウンドです。北米のゲームユーザーを満足させるべく用意されたラインナップのおかげで、マルチプラットフォームのタイトルではほとんどのケースでXbox360がPS3の販売数を大きく上回りました。例えば、アクティビジョンの『Call of Duty: Black Ops』はXbox360版が北米で920万本もの販売を記録したのに対し、PS3版は570万本にとどまりました。しかしながら、ヨーロッパに比べて北米のシナリオは予想しにくく、PS4とXbox Oneの販売数も少なくとも初期段階はかなり拮抗するものと思われています。PS4のロンチは大成功を収め、24時間以内に100万台以上のPlayStation 4が販売され、ソニーにとって史上最速で売れたコンソールロンチとなりました(過去の記録では2000年の日本におけるPS2の98万台が最高でした。)マイクロソフトもまた発売後24時間で100万台のXbox Oneを販売したことを発表しましたが、これは北米だけでなく全世界(13を超える市場)でのロンチ台数を合算したものです。

■4. 今後の予測

もちろんソフトも重要ではありますが(Wii Uは発売時、およびその後数か月の間に発売されたタイトルが少なかったためにヨーロッパでも北米でも苦戦しています)、それよりも、初期購入者にとっては価格の方がより大きな要素になると思われます。PS4はヨーロッパで 399ユーロ、北米で399ドル、Xbox Oneはそれぞれ499ユーロ、499ドルで販売されます。価格差を埋めるため、マイクロソフトはXbox One購入者に対し二つの同梱版を提供しました:Xbox One Day One Editionを購入したゲームユーザー全員が『FIFA 14』か『Forza Motorsport 5』を無料でダウンロードできることにしたのです。これはマイクロソフトにとって大胆な戦略であり、欧州のユーザーにおけるスポーツやレースゲームの人気の高さを考えると大変効果的な作戦です。『FIFA 14』は『Grand Theft Auto 5』には及ばないものの、ヨーロッパで2013年に最も売れたソフトですし、『Gran Turismo 5』 は欧州において、全てのPlayStationプラットフォーム対応タイトルの中で最も売れたゲームです。

現行機ユーザーがどのタイミングで次世代機の購入を決断するかということについては、マイクロソフトとソニーのアプローチの違いに注意する必要があります。マイクロソフトは2012年からXbox Oneにすべてのリソースを集中させており、今年(注:2013年)のクリスマスにはほぼ全てのマイクロソフト製ゲームがXbox360ではなくXbox Oneで発売されます。実際、現在マイクロソフトが開発中または発売予定になっているAAAタイトルはすべてXbox Oneで発売されます: Haloの次回作、Remedy(Alan Wakeの開発元)のQuantum Break、Insomniac Games(皮肉なことにPS2で最も成功したソニーのフランチャイズの一つである『Ratchet and Clank』シリーズのクリエイター)による『Sunset Overdrive』、等々。

一方、ソニーは最近発売されたQuantic Dreamの『Beyond: Two Souls』や『Gran Turismo 6』などに代表されるように未だPS3用にAAAタイトルをリリースしています。このことから、Xbox360ユーザーの方が先に次世代機に乗り換える可能性が高いと思われます。とは言っても、サードパーティーがPS3版やXbox360版のことを考慮しなくて良くなるほどPS4/Xbox Oneが普及するまでにはいましばらく時間を要することでしょう。おそらく、2014年中はまだ複数世代のコンソールで発売されるマルチプラットフォームのゲームが多く見られるのではないかと思います。

このように、伝統的に日本よりもXboxプラットフォームの市場競争力が高い海外市場、特に北米市場については今後の市場動向が非常に不透明であるというのが正直なところです。

ちなみに、今年1月末の時点では、北米市場ではPS4が226万台、Xbox Oneが212万台。一方の欧州市場ではPS4の212万台に対し、Xbox Oneは85万台となっています。これまでのところ、上記のレポート(欧州はPS4が優勢、北米は拮抗)が的中したかたちです。

それでは、わが国内市場ではどうでしょうか? 国内市場は海外市場とは対照的にXboxフォーマットの市場競争力が低く、これまでは基本的にはソニーと任天堂が市場をリードしてきました。しかし、Wiiで大成功を収めた任天堂もWiiUでは一転して非常に苦戦を強いられているのが現状です。また、Xbox Oneについては現時点でマイクロソフトから正式な国内での発売時期に関してアナウンスされておりません。それだけにPS4に対する市場関係者やユーザーの期待は高まるばかりですが、実際の需要はどのくらいあるのでしょうか?

そこで、当社(ゲームエイジ総研)は今年1月下旬(PS4発売の約1か月前)に国内ゲームユーザー約2,800名に対し、PS4の市場受容性に対する調査を実施いたしました。今回はその調査結果をご紹介いたします。
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《編集部》

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