まず、PS4の購入意向者の規模はどれくらいでしょうか。【図1】をご覧ください。PS4をはじめ、上記の通り国内発売日が未発表のXbox Oneや現行機も含めた全9機種について今後の購入意向を聴取しました。表示は旧機種を除く5機種で行っています。
10-59才男女の国内ゲームユーザー4,412万人のうち、PS4の購入意向を示したユーザーは541万人で、全機種中最も購入意向者が多くなっています。発売から2年が経過したVita、また発売から1年が経過したばかりのWiiU購入意向者の規模と比較しても、その注目度の高さがうかがえます。
Xbox Oneは既述の通り、日本国内での正式なアナウンスが待たれる状態であり、現時点ではほとんど情報露出がありません。そうした影響もあり、購入意向者規模は小さくなっています。これは当社が別途行っている調査において、Xbox360を使用している月間アクティブユーザー数が40万~50万人で推移しているという実態とも整合がとれている数値です。
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PS4購入意向者が全機種中最も多く、調査時点(発売まで約1ヶ月前時点)で541万人の購入意向者が存在することがわかりました。では、そのユーザー構成はどのようになっているのでしょうか。【図2】は、PS4とPS4に次いで購入意向者規模が大きいWiiUの[性別/年齢層/IPS構成比]を比較表示した表です。各セグメントで傾向の違いが表れており、各ゲーム機・各メーカーの特徴がよく出ています。PS4は男女比が4:1で、20代前半~30代前半を中心とした構成であるのに対し、WiiUは男女比がほぼ半分ずつで、10代前半が目立つ構成となっています。いずれも現行機・前世代機であるPS3とWiiのユーザー構成に酷似した形です。
IPSは当社独自のゲームの先行性をあらわす指標です。簡単に言うと、イノベータとアーリーアダプタは一般的に言われるところのコアユーザー、ブリッジピープルとマジョリティはライトユーザーと捉えて頂いて結構です。ここでも大きな差異が見られます。PS4が比較的均等に分布しているのに対し、WiiUはマジョリティの比率が圧倒低に高くなっています。ゲームユーザー全体に占めるマジョリティはユーザー規模こそ大きなものですが、購入に至るまで慎重で、そもそもそう簡単にゲームを購入しない特性をもった人たちです。それを考えると、購買力のあるコアユーザーが多いPS4は、価格障壁を乗り越えて購入するユーザーが多いのではないかと考えられます。
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PS4の価格について触れましたが、【図3】ではPS4購入意向者が受容できる価格(購入可能価格)と、購入を考えている時期(購入予定時期)のクロス集計結果を表示しています。541万人の購入意向者のうち、「すぐに購入するつもり」とロンチ時期の購入を考えているユーザーは73万人で、購入意向者の13.5%を占めています。PS3のロンチ時期の販売台数(約45万台)を考えると、現時点ではかなり大きなポテンシャルを秘めていることは間違いありませんが、PS4の販売価格(税別で39,980円~43,980円)を考慮すると、調査の結果、ロンチ時期に実際に購入に踏み切ると思われるユーザー規模は、約40万人と考えられます。これはPS3のロンチ時期の販売台数とほぼ同規模の数字です。(PS3は発売後1ヶ月でクリスマスを迎えています。)PS4のタイトルラインナップや競合の存在など、様々な要因によって実際の購入者数は変動しますが、調査時点でのニーズを見る限りでは、最初の立ち上がりはPS3と同程度のものになると予想します。
ではPS4の普及が進む「時期と価格」は、それぞれいつで、いくらくらいなのでしょうか。これを示しているのが、セルの色が最も濃くなる箇所です。すなわち、「発売から1年後~2年後 × 3万円以内」となった時に、一気に購入できるユーザーが増加するということになります。そのユーザー規模は108万人です。過去成功しているゲーム機を見ると、ロンチから約1年後時点での「キラーコンテンツの存在、ソフトラインナップの充実、本体価格の値下げ」といったものが大きなファクターになります。
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このように、PS4がまずは順調な立ち上がりを見せるのは間違いないと考えられますが、当社では引き続き市場の動向を注視してまいります。また、機会がありましたら調査結果などを随時ご紹介いたします。
ゲームエイジ総研
『Monthlyゲーム・トレンド・レイティング』 発行人 光井 誠一
調査スキームについて
本ページ掲載のデータは、約2万サンプルを対象とした大規模インターネット調査の調査結果を元に、社会調査(訪問調査/毎月実施/1,200サンプル)をベースに構築したウェイトバック値(補正係数)により拡大集計したものです。この手法により、ネットバイアスを排除したユーザープロフィールの実像を推計することが可能となっています。なお、調査手法その他詳細につきましては、ゲームエイジ総研のHPにてご確認ください。