凡作になるよりは問題作になれ!『ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった。』開発者へ直撃インタビュー

『ディスガイア』シリーズなどの代表作を持つ日本一ソフトウェアは、RPG系もさることながら、推理モノやサスペンス系のADVなども数多く手がけており、幅広いニーズに応える意欲的なメーカーです。

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凡作になるよりは問題作になれ!『ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった。』開発者へ直撃インタビュー
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◆ヒロインの内面をチェック!



──ではそろそろ、ヒロインについて伺います。本作を語るうえで外せない3人の美少女「陽佳」「神無」「佐優理」に関しての魅力などを教えてください。よければ、天国面と地獄面の両方を。

辰己氏:陽佳は、何事にも前向きに頑張る女の子で、主人公に対する好きという気持ちも、純粋かつ健気に表します。そして後半になると、その純粋な健気さは変わらず、ただちょっと行きすぎてしまいます(笑)。基本的にはヤンデる時でも、そういう部分は時々可愛らしい時もありますね

辰己氏:見た目クールな神無は、中身が残念です(笑)。何に対してもダウナー系な彼女なんですけど、主人公に対しては頑張るし、ちょっとした一言で思わず照れたりする面がポロッと出たりもします。また見た目の話になりますが、彼女のメイド服姿はお勧めです(笑)

──お墨付きとなれば、期待も膨らみますね。で、神無の地獄面での魅力は?

辰己氏:実は、神無の地獄面に関しては、コメントし辛い面がありまして……彼女に関しては、プレイしてのお楽しみということで、よろしくお願いします。

──それだけの秘密が待っているということですね、こちらも楽しみです。では、佐優理に関してどうぞ。



辰己氏:この子が、ある意味トラップといいますか。普通の美少女ADVだったら、癒し系なおっとりキャラになると思うんですが、そんな彼女が(本作で)地獄面を覗かせるとかなり半端ない感じになってしまいます(笑)。そしてそういった面は、実は前半でも“あれ、もしかして…”とかもあったりする感じです。

──佐優理には、他の2人とはちょっと違うハーレム部分での魅力もあるわけですね。一概には言えないと思いますが、陽佳→神無→佐優理の順で、激しさが増していくような印象も受けます。

辰己氏:三人とも“何でそうなってしまったのか”という経緯はあるんですが、その理由に関しても、佐優理が一番重いかもしれません。

──ちなみに、そんな彼女たちをそれぞれ一言で表すと、どんなヒロインでしょうか。

辰己氏:陽佳は「犬」ですかね。尻尾を振ってじゃれついてきて健気に頑張るというのが。そして病んでしまうと噛まれてしまうこともある、と(笑)。神無は、クールなんですけど寂しがり屋の面もあるので、個人的には「兎」かなと。可愛らしさも含めて。

辰己氏:そして佐優理は「羊」ですね。パッと見はおっとりしてて純粋そうですけど、実は「羊」の皮を被った狼かもしれない…・・・という感じで(笑)。Twitterとかで“佐優理が一番好みだ”みたいなのを見ると、この人がショックを受けないかと心配しています。

──本作の魅力の中心とも言えるヤンデレ部分ですが、彼女たちがどれほど病んでいるのか、分かりやすく教えてください。

辰己氏:普通の美少女ゲームであれば、主人公の立場は羨ましいじゃないですか。だけど本作の主人公である優也のことは、羨ましくないです(笑)。ちなみに関わってくださった方々も、同じ意見が多いですね。

──それほどですか! 普通のハーレムものだったら「リア充爆発しろ!」ですよね。

辰己氏:本作の優也は「爆発しなくていい」ですね(笑)

◆ヤンデる後半パートのあれこれ



──ハーレムな前半とヤンデレな後半、雰囲気がガラッと変わる本作ですが、前後半の比率はどのくらいですか?

辰己氏:これは、ほぼ半々ずつとなっています。なぜ半々にしたのかと言えば、明るい部分もしっかり描くことで闇も際立つ、という意味でこの比率にしました。なので、ヒロインたちのキャラクター性や日常などもたっぷり描いています。

──その後半は、ヒロインごとに1ルートで、計3ルートと考えていいのでしょうか。

辰己氏:はい。3ルートがメインとなり、題材が題材なので、バッドエンドもそれなりに用意してあります。専用のイベント絵もあるので、楽しみにしてください。内容はそれぞれですが、バッドエンドなので「行き着くところまでいっちゃったな」という感じですね。

──ちなみに後半パートに突入した際、例えば陽佳ルートの場合、陽佳がヤンデる展開になりますが、他のヒロインたちは前半の雰囲気のまま登場するんですか? それとも、彼女たちもヤンデる展開に?

辰己氏:ルートや状況によって違ったりするので、どちらかだけということはありません。出番はもちろんあります。ヒロイン同士の関わり、繋がりもありますし。なので、例えばヤンデる子たちばかりが出てくる状況になったら、一体どうなるかは……今は、ご想像にお任せします(笑)

──どんなエンディングに辿り着くのか、今から気になるばかりです。

辰己氏:最後まで物語を体験し、エンディングに辿り着いてもらったら、プラスであれマイナスであれ、なにかしら感じるところはあると思いますよ。

◆続編? アニメ化? 率直な気持ちを直撃



──あくまで希望や気持ちの話で構わないのですが、続編や世界観を共通したスピンアウトタイトルなどを出したい気持ちはありますか?

辰己氏「現状では、続編などは特に考えていませんね。もちろん要望などが集まれば話は別ですけど、入れるべきものはしっかりと入れました」

──では、ゲームという舞台ではなく、例えばアニメ化とかはどうでしょう。

辰己氏:そうですね、正直アニメ化とかしていただけると嬉しいしありがたいのですが、果たしてこの話をアニメ化していいのかという気持ちもありますね(笑)。あとは、タイトルがライトノベル風ということもあるので、ライトノベルというのもアリかなとも思います。

──拡がりという意味では、ヒロインたちのコスプレをする方とかも出てくるかもしれませんね。

辰己氏:コスプレして下さったら嬉しいですね。衣装はもちろんですけど、表情などもポイントになりそうですね。可愛い表情はもちろんですが、病んでいる表情なども。



菅沼氏:いざえもんの着ぐるみを作って下さる方がもしいたら、是非買い取らせて欲しいですね。

◆本作に期待している全ての方々へ



──では、「本作を遊んだユーザーさんから、こんなことを言われたら本望だな」という言葉とかありますか?

辰己氏:これに関しては、言いたいことはあるんですけど、言いたい部分がすごいネタバレになるんですよね(笑)。言うに言えず、モゴモゴする感じです。

菅沼氏:文字通りになるんですが、ゲームをプレイし終わった後に“ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった”と思っていただければ(笑)

──最後になりますが、ヤンデる部分から、ヒロインの魅力や本作の切り口など、それぞれに期待しているユーザーの方々に、メッセージをどうぞ。

辰己氏:繰り返しになりますが、“凡作になるよりは問題作になれ”という方針は、シナリオライターさんも含めて全員にお伝えしています。その姿勢は最後までブレることなく完成へと辿り着きましたので、すごくハジけている本作を楽しんでください。

──ADVというジャンル自体にも活気を与えてくれそうな本作、個人的にも期待しています。本日はありがとうございました。

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※1 PSPダウンロードソフト『かの☆やん 彼女がやんじゃったらどうするの?』。アドベンチャー要素を備えたパズルゲームで、本作と同様に3人のヒロインが登場。こちらのヒロイン勢も、やはり全員「ヤンデレ」。

『ハーレム天国だと思ったらヤンデレ地獄だった。』は、2014年4月24日発売予定。価格は、パッケージ版が7,344円(税込)、ダウンロード版が 6,171円(税込)です。

(C)2014 Nippon Ichi Software, Inc.
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《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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