DS・Wii向け「Wi-Fiコネクション」が終了、その終焉を「あのソフト」で見届けてみた
ニンテンドーDSやWiiのオンライン対応ソフトのネットワーク環境を支えた「ニンテンドーWi-Fiコネクション」サービスが、2014年5月20日23:00に終了しました。
任天堂
Wii

それぞれ後継機が出ている両ハード。ここ最近、DSソフト及びWiiソフトでオンラインプレイなどを楽しんでいるユーザーは、一時期に比べてかなり少なくなったのが率直なところです。しかし、「このソフトにしかない魅力」に惹かれて楽しんでいる人も確実に存在していました。
恐縮ですが筆者も、Wiiソフトのオンラインプレイを未熟ながらも楽しんで来ましたし、最も親しんだWiiならではの「あのソフト」で、最終日も接続しました。『大乱闘スマッシュブラザーズX』? 『マリオカートWii』? いいえ、『斬撃のREGINLEIV』です。
『斬撃のREGINLEIV』は、クラッシックコントローラー PROでもプレイ可能ですが、リモコンプラス+ヌンチャクによる斬撃の爽快感は本作ならでは。この楽しさに限っては、次世代機であるWii Uにも未だ存在していない大きな魅力と言えるでしょう。また本作は『地球防衛軍』シリーズでも有名なサンドロットが開発しており、NPCたちの鬨の声での盛り上がりなども欠かせないポイントです。
そしてこの「鬨の声」が、『斬撃のREGINLEIV』オンラインプレイの楽しさを象徴する要素のひとつでもありました。定型文によるチャットが意思疎通手段となる本作には、「はい」の意味だけでも30種類近くの定型文が用意されており、決まったワードのみによる意思疎通ながらも、個性溢れる交流が楽しめるという絶妙なオンラインコミュニケーションが確立されていました。
定型文のみのチャットを不便と感じる人も決して少なくないでしょうが、「突撃ーっ!という鬨の声に、「神々のためにーっ!」と叫び返す瞬間、それは定型文でありながら、間違いなくプレイヤーの「肉声」とも感じられました。「お前たちは勇士か、臆病者か!」と言われ、「勇士だ!」と答えるか、「臆病者だ!」と返すのか。そんな反応違いひとつで、どこかにいる誰かとの繋がりを実感します。
現時点ではすでに、Wi-Fiコネクションは終了。今から『斬撃のREGINLEIV』のオンラインに繋ぐのも不可能となってしまいました。あの定型文による誰かの鬨の声を聞くことも、もはや叶いません。
何でも話せるチャットではないからこそ、定型文から相手の意思を汲み取り、また伝わることを信じて定型文を選ぶその遊び方は、確かに今の時代からすれば古くさいものかもしれません。そう考えれば、終焉を迎えたのは自然の理とも言えます。ですが、あの時に鬨の声を交わした誰かは、今日もどこかでゲームを楽しんでいるでしょう。その事実だけは、終焉を迎えることはありません。
(C) 2010 Nintendo / SANDLOT
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