モードは3つ。ストーリーに沿って進める「レジェンドモード」、「フリーモード」、初代『ゼルダの伝説』をほうふつとさせるマップを探索しながら無双する「アドベンチャーモード」があります。
マップは『ゼルダ無双』オリジナルのものもありますが、『時のオカリナ』『トワイライトプリンセス』『スカイウォードソード』をプレイした方なら「おっ!」っと思う場所ばかり。原作の形を残しつつ、無双らしいマップにアレンジされています。懐かしさに思わず目頭が熱くなるかも。
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レジェンドモードは途中でタイトルごとに分岐したり、ハイラルに攻め込む側の目線になったりとさまざまな視点で楽しめます。
『無双』と銘打つからには『無双』っぽい操作感なのかな…と思いきや!通常攻撃からのチャージ攻撃の流れは『無双』らしさを踏襲しつつも、お馴染み「L注目」が健在です!また、「ジャンプ」は「転がり」になっているので、L注目ののち敵の背後に回って隙を突くという、ゼルダらしい攻撃も再現されています。
「無双乱舞」は「必殺技」になり、リンクは『スカイウォードソード』のように天に剣を掲げるポーズから大胆なふっ飛ばし攻撃を披露してくれます。また、『戦国無双4』では「練技ゲージ」と呼ばれていたシステムは「魔力ゲージ」となり、『時のオカリナ』等に登場する緑色の魔力壷を取得し満タンにすることで能力を発動できるようになります。無双のシステムをそのまま使うのではなく、『ゼルダ』らしいアイテムや動作でアレンジしているのがニクいところですね。
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『無双』シリーズでは画面左下にあった操作キャラクターの情報も『ゼルダ』らしく画面左上に。体力ゲージもハートです!
なお、Wiiリモコン+ヌンチャクでゼルダっぽい操作をすることも可能。通常攻撃はリモコンを振らねばならないので、本作では手首を振りまくってやや辛いかも(笑)
画面上に操作ボタンのナビゲーションが表示されるので、無双スタイルでもゼルダスタイルでも、説明書を開いて動作確認をする必要はありませんでした。
『ゼルダ』といえば豊富なアイテム。謎解きのためのアイテムというよりはサブウェポンに近いかたちでサポートしてくれます。爆弾も弓も個数に制限がないので使い放題!しかもパワーアップアイテムで一定時間強化することも可能です。十字ボタンまたはGamePadをタッチすることで切り替えが可能。いちいちメニューを開く必要がなくラクチンです。『スカイウォードソード』のアイテム切り替えに近い操作感覚です。
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フックショットは強化中に使用すると『ムジュラの仮面』で多くの人に恐怖を植えつけたあの「月」が…!!
原作でもプレイヤーを悩ませたボスモンスターが巨大モンスターとして登場します。原作ではダンジョン内で手に入れたアイテムを駆使して弱点を突き攻略しました。もちろん本作でも弱点は健在。ゴーマやドドンゴといえば…ファンならすぐピンとくるあの倒し方でOK!ひるんだスキに、連続攻撃を叩き込んで倒しましょう。
巨大モンスターや特定の敵にはウィークポイントがあり、弱点や技を使ったあとにスキを見せます。その時表示されるゲージを削り、0になると大ダメージを与えることが可能です。こちらは『真・三國無双7』でも採用された「ストームラッシュ」に近いシステムです。
0にしたあとの一撃と決めポーズがかっこいいので、どんな敵でもゴリ押しでいかずに、ウィークポイントゲージ削りを推奨します(ファイ風)
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この画像だけでは伝え切れない小ネタの数々…!
思い通りの場所に行かず苦しんだボムチュウ!『神々のトライフォース』の時代から最強の敵コッコ!お馴染みのBGMとドヤ顔でアイテムを掲げる宝箱開封!高笑いに誰もが恐れおののいた大妖精!さらには条件を満たすとマップのどこかに登場するスタルチュラ!もちろんハートのかけらやハートの器も、さらには草刈もあります!剣をクルっと回すリンクのクセも、しっかり再現されています。
細かいところにさまざまな小ネタが仕込まれており、ファンは涙モノ。スタルチュラやハートのかけらは原作同様のやり込み要素になっています。
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キャラクターの育成は「バッジ」で行います。敵を倒して手に入れた素材とルピーで生成可能。コンボ数の追加は「コキリの剣」、必殺技ゲージ追加は「鬼神の仮面」など、歴代シリーズで使われたアイテムが関連付けられていてここでも小ネタにニンマリ。
武器にはレア度を示す「スタア」が表示され、これが多ければ多いほどレアで強い武器になります。武器には特殊効果が付与されたものもあり、空きスロットがあれば他の武器から他の武器へ移動することも可能。さらには「クスリ屋」で自身を強化するなど、カスタマイズややり込み要素も十分にあります。
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仕込まれた『ゼルダ』ネタがさらにマニアックに展開されているのがアドベンチャーモード。ご覧下さいこのマップ。懐かしの初代『ゼルダの伝説』をほうふつとさせるではございませんか。お伝えできないのが残念ですが、アドベンチャーモードの初回起動時には初代のOPをイメージしたムービーも流れます。
こちらは勝利条件をクリアして武器やハートの器をゲットしたり、プレイアブルキャラクターを解放したりとやり込み要素が強いモードです。バトル報酬を解放するためにマップ上でアイテムカードを使う場面も。バトル条件もさまざまで、歴代シリーズのクイズ形式になっているもの、ひたすらボスを倒すものなどがあります。
また、レジェンドモードではできないような条件、例えばシークが総大将でリンクを使って倒しに行くなど、夢のバトルが実現されているのもアドベンチャー要素の醍醐味となっています。
ギャラリーではキャラクター鑑賞やBGM鑑賞、スタルチュラを倒して集めたピースで完成させたイラストなどを鑑賞することが可能です。筆者は作業中にGamePadだけ起動してBGMを鑑賞しています。
しかし…肝心のムービー鑑賞がないのが非常に残念でした。アップデートで追加されることを期待しています!
『ゼルダ』シリーズのナンバリングタイトル以外のアクションといえば、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズが挙げられますが、そこでプレイアブル化は不可能であると思われていたキャラクターを操作できる日がくるとは思っていませんでした。それだけでファンとしては十分プレイする価値があります。
また、操作感覚を『ゼルダ』シリーズに近いよう調整していたり、タイトルの枠を越えて小ネタを挟んできたり、ファンにとってありがたい、とても丁寧に作りこまれたゲームという印象を受けました。長期アップデートにも期待です。世界観に合わないかもしれないけど、せっかくここまでやったなら『風のタクト』からもプレイアブルキャラが増えてもいいのではないでしょうか!?
ナンバリングタイトルではないからこそここまでできたという、『ゼルダの伝説』集大成的作品。もちろん単体としても十分に楽しめますが、原作を知っているとより感動できるかと。これを機に過去作をプレイするのもよさそうですね。
『ゼルダ無双』は発売中で、価格はパッケージ版7,389円(税抜)、ダウンロード版が6,463円(税抜)、プレミアムBOXが10,800円(税抜)、TREASURE BOXが13,800円(税抜)です。
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■著者紹介
みかめゆきよみ
ゲーム好き、日本史好きの漫画家兼フリーライター。
ゲームはジャンル問わずなんでもござれ。難しければ難しいほど燃えるドMゲーマーです。
歴史・ホラー漫画、歴史コラム、イラストなど雑多に活動しています。
サイト「車輪の真上」
http://zwei.lomo.jp/syarin/
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