「ディギン イン ザ カーツ(DIGGIN' IN THE CARTS)」は、日本のゲーム音楽に焦点を当てた、レッドブル・ミュージックアカデミーが贈るドキュメンタリーシリーズです。1980年代に日本で発展したテレビゲームの音楽は、世界の音楽シーンのなかで数多くのミュージシャンの人生に影響を与えました。そんな日本のゲーム音楽の歴史と魅力を探訪する映像作品全6話(各15分)を、レッドブル・ミュージックアカデミー日本公式サイトおよびYouTubeにて順次公開していきます。
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本日(9月4日)17時より「ディギン イン ザ カーツ」エピソード1「テレビゲームミュージックの到来」が公開されます。旧ナムコの創成期を支えた作曲家である小沢純子さんや、『メトロイド』や『テトリス』の音楽で知られる田中宏和氏を中心に、ゲーム音楽の最初期について語られる内容となっています。今後は、毎週木曜日に6回に渡って順次エピソードが公開されていきます。
■レッドブルミュージックアカデミー 公式サイト
http://www.redbullmusicacademy.jp/
■エピソード1 テレビゲームミュージックの到来
公開予定日:9月4日(木)
主な出演者:小沢純子、田中宏和、Havoc(Mobb Deep)、J-Rocc、Thundercat、Kode9
最初期のビデオが奏でたサウンドから、ナムコ(現・バンダイナムコゲームス)が開発した “職人技の音楽”までを取り上げ、ゲームミュージックの成り立ちを探訪します。ナムコの創成期を支えた作曲家の小沢純子さん、そして1980年に任天堂に入社し『メトロイド』や『テトリス』などのクラシックを生み出した田中宏和氏がその制作秘話を語ります。
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■エピソード2 次元を越えた8ビットの世界
公開予定日:9月11日(木)
主な出演者:影山雅司、Fatima Al Qadiri、Anamanaguchi、Oh No、Flying Lotus
1980年代後半、日本はバブル経済の真っただ中で、株・不動産の価格高騰は頂点に達していました。これは8ビットテクノロジーにおいても同様で、コナミやサンソフトはそのテクノロジーを限界まで押し上げることで、ファミコン時代で最も卓越したサウンドを生み出すゲームメーカーとして認知度を高めていきました。今回はコナミのサウンドチームほか、8ビットサウンドを代表する作品「ギミック!」を手がけた影山雅司に当時を振り返ってもらいます。
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■エピソード3 新時代の夜明け
公開予定日:9月18日(木)
主な出演者:松尾早人、崎元仁、下村陽子、松前真奈美、Thudercat、Dizzee Rascal、Flying Lotus、D Double E
1990年代に入ると、ゲームミュージックは16ビット化し、かつてない程にダイナミックで鮮やかなサウンドを奏でるようになりました。黎明期のゲームミュージックに影響を受けた若手作曲家たちはその新しいシステムを導入し、映画のようなスケール感を生み出すことで、ゲームミュージックを新たな次元へと引き上げていきます。また当時のテレビゲームは世界的なブームになっており、そのブームを牽引した『ストリートファイターII』などのゲームミュージックは、世界各地のゲームセンターは当然のこと、ニューススタンドやファストフード店でも鳴り響いていました。今回はその『ストリートファイターII』を担当した作曲家の下村陽子さんなどに話を聞きます。
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■エピソード4 クール・キッズ
公開予定日:9月25日(木)
主な出演者:古代祐三、Hiro、光吉猛修、Just Blaze、Ikonika、Joker、J-Rocc、Flying Lotus、Thundercat、Ladyhawke
1990年代初期、テレビゲームは巨大産業に成長し、セガと任天堂が激しい首位争いを繰り広げました。セガは1980年代からゲームセンターに数多くのタイトルを送り込んでいたのに対し、任天堂は家庭用ゲーム機の市場を握っていました。しかし、セガがメガドライブを発表し、クールなセンスが光るタイトルをリリースし始めたことで状況は変化を始めます。その「クールなセンス」の一翼を担っていたのが、メガドライブに内蔵されていたFM音源(周波数変調)から生み出されるユニークなサウンドです。古代祐三氏が東京のクラブミュージック・シーンから受けた影響を反映させて制作したゲームミュージック史に輝く『ベア・ナックル 怒りの鉄拳』など、素晴らしいゲームミュージックが登場することになります。
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■エピソード5 ロールプレイが叶えた夢
公開予定日:10月2日(木)
主な出演者:植松伸夫、Arnie Roth、Thomas Bocker、Groundislava、Fatima Al Qadiri、Flying Lotus、Oh No
『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』が世界的に認知され始めるよりも10年近く前から、ロールプレイングゲームは日本で重要視されており、各ゲームメーカーは日本を代表するクラシック作曲家のひとりである、すぎやまこういち氏などを起用し、8ビット/16ビットのサウンドにかつてない洗練性を加えようとしていました。このエピソードではオーケストラを模倣した8ビットサウンドから始まり、いまや世界を代表するオーケストラによって演奏されるまでに成長した植松伸夫氏の『ファイナルファンタジー』シリーズの音楽に光を当てていきます。
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■エピソード6 終わりが告げた始まり
公開予定日:10月9日(木)
主な出演者:山根ミチル、小島秀夫、Teruta、Ludvig Forsell、原田勝弘、柿埜嘉奈子、高柳佳恵、佐野信義、岡部啓一、遠山明孝、三宅優、濱本理央、井上拓
32ビット機が登場すると、本体にはCDの技術が導入され、テレビゲームミュージックの「チップ時代」は終わりを告げました。そして新しいゲーム機が発表されるごとにテレビゲームミュージックは本物と区別がつかないリアルなサウンドへと進化していきます。そのサウンドを上手く利用した作品の中には、お茶の間の外へ発展したものやハリウッドと連携して世界中のオーケストラによってレコーディングされたもの、更には普段ラジオで耳にする音楽を流用したものもありました。しかし、8ビット/16ビットのチップチューンはその誕生から30年以上が経った今も、世界各地で生き続けています。
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出演作曲家たちのインタビューは、日本の美しい風景と共に、そのライフスタイルをも感じ取ることができるロケーションで撮影されています。Nick Dwyer(ニック・デュワイヤー)と共に本シリーズのディレクター/プロデューサーを担当したニュージーランド出身のTu Neill(トゥ・ニール)は、日本を撮影拠点に選んだ理由について「日本は本当に美しい国です。この国の豊かで多様なカルチャーのスナップショットを盛り込み、できる限りその美しさを伝えられるようにしました」と述べています。
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また、今回のドキュメンタリー映像シリーズでは、Flying Lotus(フライング・ロータス)、Dizzee Rascal(ディジー・ラスカル)、Just Blaze(ジャスト・ブレイズ)、Joker(ジョーカー)、Fatima Al Qadiri(ファティマ・アル・カディリ)、Kode9(コード 9)、Havoc(ハボック)、J-Rocc(ジェイ・ロック)、Ikonika(アイコニカ)といった、現代の音楽シーンを代表する海外アーティストたちが多数出演しています。彼らが映像の中で、日本のテレビゲーム音楽が自分たちの音楽制作にいかに大きな影響を与えたかについて語っている点にも注目です。
全6回のドキュメンタリーシリーズ「ディギン イン ザ カーツ」。毎週木曜日の更新をどうぞお楽しみに。