【そそれぽ】第108回:全滅上等!理不尽上等!試行錯誤上等!『レジェンド オブ レガシー』をプレイしたよ!

インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそ こと 津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第108回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

任天堂 3DS
拠点となる街「イニティウム」から冒険は始まる
拠点となる街「イニティウム」から冒険は始まる 全 10 枚 拡大写真
インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそこと津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第108回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

ゲームが大好きな人でも、人それぞれにタイトルやジャンルとの相性というのは必ずあるものです。もし、ゲームが生活にパワーを与えてくれているのなら、それはきっと相性の良いタイトル。もしゲームでパワーを消費しているのなら、それはあまり相性の良くないタイトル・・・かもしれません。流行を追うことも含めて“ゲームをプレイすること”なのかもしれませんが、相性の良いゲームタイトルと何年も付き合っていくプレイスタイルも良いものだなぁと、最近思うことが多くなりました。

というわけで、今回プレイするのはフリューのニンテンドー3DSソフト『レジェンド オブ レガシー』です。


1月に発売された本作。いろいろなところから、いろいろな評判が聞こえてくるワケですよ。その評判がとにかくバラバラで、結局のところどうなの?という部分が気になりすぎて後追い購入。【そそれぽ】で少しでもお伝えできればと思った次第であります。マゾいゲームは得意ではありませんが、スーファミ世代なので少しばかり嗜んではいます(笑)。それでは、早速プレイしていきましょう。


◆『レジェンド オブ レガシー』ってどんなゲーム?



■探索・発見・バトルを重視したファンタジーRPG
個性溢れる7人のキャラクターから1人を主人公として選び、各々の目的を果たすために、10年前に突如浮上した謎多き島「アヴァロン」を探索・冒険します。開始時点で行ける場所(ダンジョン)は、拠点となる街「イニティウム」のほかには、その北側に位置する「森の廃墟」のみ。しかし、ゲームを進行するにつれて、さまざまなアプローチで冒険できる場所が増えていきます。

敵との戦闘は、シンボルエンカウント式。頑張れば戦闘を避けながらの探索も可能です。また、技や術などの使用レベルや、技の“覚醒”(=新技取得)はバトル中に、HPなどのステータス上昇はバトル後に、基本的にはランダムで発生します。繰り返し行うことになる本作のバトルはシンプルさと奥深さの両方を併せ持つものになっているので後述します。

■探索してできたマップを売る!
アイテムとして「地図」を持っているとその場所を探索できるようになるのですが、初めて行く場所の地図は白紙そのもの。ダンジョンを歩き回ることで、下画面に表示された地図が埋まっていきます。「イニティウム」のショップでは、地図の“情報”を高値で買い取ってくれるのに加えて、情報を売ることで「アヴァロン」を探索するほかの冒険者たちと情報が共有され、当該のダンジョンの探索がラクになるなどの恩恵が受けられます。

ただし、情報は一度売ってしまうと二度と売ることはできません。もちろん、ほかの冒険者たちも足を踏み入れることになるので、お宝などが発見しにくくなってしまうなどのデメリットもあります。地図の情報を、早めに売ってラクに冒険するか、完璧に仕上げるまで苦労しながら冒険するか、プレイヤーのプレイスタイル次第です。また、地図の情報の売却は、特に序盤では冒険の大きな資金源となります。地図の完成度が高いほど高く買い取られるということを念頭に置いておき、売るタイミングを図りましょう。もちろん即売りというパターンもありです。


◆しっかりと歯応えを感じるために



■プレイヤーを考慮したインターフェイス
あまり評判が伝わってこないのですが、下画面タッチ未使用で遊べる本作のゲームとしてのインターフェイスは非常に良好で、プレイヤーにストレスを感じさせません。上画面をメインに、下画面は常に欲しい情報を表示。ダンジョンであればマップ、戦闘中であれば、ステータスや使う技の効果説明などです。

また、バトル中はAボタン押しっぱなしで、コマンドの決定(前ターンと同じコマンド)、戦闘アニメーションの早送りになります。バトルを繰り返すことになるので、バトル中のストレスレスにはこだわりを感じます。理不尽な敵からストレスを感じるというのはまた別の話ですが(笑)。

■試行錯誤に“やり甲斐”を見い出せ!
とにかく、ボス戦はもちろん、戦闘のひとつひとつ、マップ探索さえも緊張の連続です。運悪く強敵とエンカウントしたり、運悪く敵の攻撃にハメられたり、そんなことはしょっちゅう起きます。むしろプレイする上での基本事項です(笑)。そのため、冒険中のほとんどの場面でメニュー画面から「クイックセーブ」を行うことができ、何度でも同じ場所から再開できるので、細かに「クイックセーブ」する配慮と“トライ&エラー”精神は、プレイヤーに必須と言えるかもしれません。全く勝てそうもなかった敵との戦いを繰り返すうちに、少しずつ光明を見出し、そこに“やり甲斐”を感じることができたら、それは本作の醍醐味の部分と言っても過言ではありません。撃破できたときの達成感は言わずもがな。

■「精霊」を使いこなす
属性の「精霊」を使いこなす「双次元バトル」の概念を理解できているかどうかで、本作の難易度、あるいは面白みはだいぶ変わってきます。要するに、戦闘中、属性によってさまざまな効果をもたらす「精霊」を呼び出すことで、付加効果があったり、その属性の術を発動できるようになったりするのですが、この「精霊」、敵との奪い合いなることもしばしば。どちらか一方の味方にしかついてくれません。せっかく呼び出しても敵に奪われて、自分の計算通りに戦闘が運ばなかったりすることも多々あります。

術を使う敵(コイツが精霊を奪う!)だけでも先に撃破したいところですが、そんなときに限って一緒に湧いて出ている敵が強かったりするものです(笑)。さまざまな敵を一気に相手にする通常戦闘よりも、逆に、1対1になることが多いボス戦の方が、自分の戦術を発揮しやすい気もします。各精霊を呼び出す(味方につける)アイテム「歌う岩のかけら」の装備を、いざというときに忘れないよう気をつけましょう。

■「覚醒」で形勢逆転
戦闘中でランダムに発生する「覚醒」は、戦技であればその武器に応じた新たな技を、術であれば装備アイテム「ささやく岩のかけら」に宿る術を取得することができます(術は最初、アイテムを装備していないと使用できず、覚醒することで装備なしで自由に使えるようになります)。「覚醒」は強敵ほど起きやすいようで、特に戦技の場合は強力な技の覚醒によって戦闘の流れを変えることさえあります。爽快なポイントです。ただし、せっかく「覚醒」したのに全滅してゲームオーバーになってしまったら元も子もないので、最悪全滅しそうになったら「逃げ」もあり(ボス戦は逃げられませんが)。

これを利用して、格上の強力な敵とわざと戦って「覚醒」を誘発するような攻略法もあるのですが、それが邪道と感じるかどうかはプレイヤー次第。その前に、その強敵の攻撃をまともに喰らって生きていられるかというところからの問題でもありますが!(笑)


◆気になったところ



■さすが説明不足すぎる気もする
ゲームの意図として、プレイヤーが試行錯誤するのを楽しむゲーム性であることは、プレイすればするほど感じることができたので、その点については非常に良い手応えを感じることができました。しかし、“答え”を教えない、あるいは安易に“大きめのヒント”を与えないというこだわりの中に、システムとして“プレイヤーがある程度理解しておいた方がきっと楽しい”という部分まで、長期的に試行錯誤させる必要はあるのかという点に若干疑問を持ちました。特に「双次元バトル」と呼ばれる「精霊」とのやりとりの周辺と、戦闘の「ポジション」の入手方法について。この2点です。後者はテキトーに話しかけた人から突然もらえたりしたので、「えっ、こういうシステムなの?」と戸惑いました(笑)。

「双次元バトル」については、そこそこプレイして、なんとなく理解できていても、まだまだ手探りの状態が続いています。ということは、なんとなく理解できる段階ぐらいまではヒントを与えても、ゲーム的な面白みは欠けないのではないのか?というのが、思い当たったところです。本作の場合は、確たる“答え”は伏せておいた方が面白いのは確実なのですが、一歩目にほしい“小さなヒント”ぐらいは、ゲーム内の早い段階で、もう少し具体的にほしかった気がします。

■武器が「剣」に偏り過ぎ
「剣」に該当する武器がとにかく多いです。ナイフからレイピアまで、全部「剣」です。ほかの武器種の2~3倍はあるのではないでしょうか。手に入る武器がとにかく「剣」ばっかりです。そのため、戦技も「剣」のものが多いようで、筆者の場合「剣」をメインに使っているキャラの戦技は、戦闘中に選ぶのが面倒なほどの量になりました。もうちょっと「剣」を減らすか、「剣」を細分化するか、ほかの武器種の量を増やすか、とにかく武器種や戦技の数のバランスを取ってほしいなと思いました。

■通常バトル曲がクール
本作は、プレイヤーの誰もが繰り返し行うであろうバトルに非常に重きが置かれているタイトルなのですが、バトルの曲が非常にクールで、良く言えば飽きない、悪く言えばやや“熱さ”が足りない、という印象を受けました。バトルの演出や敵モンスターのデザイン・攻撃も総じて派手目に見えるので、通常のバトルは、もっと“脂っこい曲”でも良かったのではないかなぁと思います。

■文字入力が不便すぎる
とは言え、入力する場面はバトルの「フォーメーション」に、あえて自作の名前を付けるときのみ。ランダムでそれっぽいのを決めてくれるし、デフォで「フォーメーション1」といった番号振り分け名称にもなっているので、そこまで困ることはありませんが・・・。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

◆総評


全滅上等!オールドRPGファンのためのRPG!
理不尽で高難易度でも、しっかりとしたやり甲斐あり



かなり尖ったゲームであることは間違いないです。一括りに「RPG」と言っても、世の中にはさまざまな「RPG」が存在しますが、好きなジャンルは一言で「RPG」というゲームファンも多いでしょう。しかし、「RPG」というジャンルは厳密にはかなり細分化されています。そんな中で、『レジェンド オブ レガシー』は、“ごく限られたゲームファン”の“大きな期待”に対する“どストライク”を目指して作られた作品であると感じることができました。本作が“どストライク”な人は決して多くはないかもしれません。しかし“どストライク”な人にとっては、本作が今年のゲームのベスト・オブ・ベストになる勢いで楽しめるタイトルだと思います。

ストーリーやキャラクターに感動の物語を求めている人、サクサク進めてエンディングを見たい人。申し訳ないけれど、本作はあまりオススメできません。

敵との戦いは常にギリギリ、時には理不尽な運も絡む、バトルこそRPGの至高、繰り返しの作業ほど楽しいことはない、長ったらしい説明なんて要らない、とにかく自分で試せばいい、そんな人。お待たせしました。あなたのためのゲームです(笑)。

難易度は総じて高めです。ちょっとミスをすると即ゲームオーバーです。戦闘のシステムも表面上はシンプルながらも、より強力な敵に挑むには各属性の「精霊」との関係が重要になる「双次元バトル」を理解していないと辛くなります。なので、ゲーム全体で、バトルも謎解きも、さまざまな試行錯誤が楽しめる人には強くオススメしたいと思います。

【こんな人にオススメ】
・システム重視のRPGが好きな人
・ストーリーよりも、バトルや育成が好きな人
・“トライ&エラー”が苦にならない人
・最近のゲームは“ゆとり仕様”すぎる!という人
・全滅ありがとうございます!

本作の発売に至るまでの経緯は、ぜひインサイドに掲載されている企画・ディレクター担当の松浦正尭氏のインタビュー記事を読んで頂ければと思います。こんなに“あえて尖らせた”ゲームを、“あえて今”発売してくれたことに“どストライク”の人は感謝しなくちゃダメですね(笑)。みんながみんなプレイすることが義務付けられてしまうような市場を席巻するヒットゲームももちろん好きですが、万人にオススメできないニッチな需要を満たすゲームも大好物なので、フリューをはじめとする各ゲームメーカーの方々のチャレンジングな作品作りに今後も期待したいと思います。


【そそれぽ】第108回、いかがでしたでしょうか?もはや煩悩の数だけプレイレポートをお届けしてきたワケですが、いろいろなゲームに欲を掻き立てられ、その度にワチャワチャしてきました(笑)。で、Wikipediaによると108つの煩悩は通説であって、MAXの数は約84,000だそうです(白目)。・・・84,000回目指して頑張ります!次回もどうぞお楽しみに!


『レジェンド オブ レガシー』は、好評発売中。価格は、パッケージ版・ダウンロード版ともに5,980円(税込)です。

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■筆者プロフィール
津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ

作・編曲家・ライター。物心がつく頃にはMSXで『グラディウス』をプレイしていた無類のゲーム好き。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでニュース原稿執筆・ライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略シミュレーションゲームから格闘ゲームまで、幅広いジャンルのゲームをプレイ。

Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity

トップページ/アイコンイラスト:ウミネコ

《津久井箇人 a.k.a. そそそ》

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