■全ルートが入って「1本」か、それぞれ個別と見なすか。
本作の販売形態に関し、「分割商法」と感じた方から「相応分のボリュームがあるならOK」との見解を示す方まで、幅広いコメントが集まりました。“3ルートを遊ぶには、それぞれで購入が必要”という形態に対し、どこまでを“ソフト1本分の内容”と捉えているかで、意見が分かれています。
後日配信となる第3のルートを除いたとしても、“白夜王国/暗夜王国”の2ルートを1本のソフトと判断する人にとっては、「更に2,000円払わないといけない」という形は確かに抵抗のある感覚でしょう。逆に、1ルートを1本分と考えている方は、「もう1本パッケージを買う必要なく、2,000円で済む」と感じているようです。
このほかにも、シンプルながら重要な問題と言える価格面に言及した意見では、「3ルート合わせた値段が高い」との指摘から、「1つのストーリーで満足する人もいる」と遊びたいボリュームによって支出額を変動させられるシステムを肯定的に受け止める姿勢なども見受けられます。
・「あり」
ゲームの幅が課金によって広がるならいいと思うから。それにソフトメーカーも慈善事業じゃないからこういう利益の出し方もありじゃないでしょうか。
・「なし」
課金することなく、追加シナリオも無くていいので、完成されたものを販売してほしい
ゲームの幅が課金によって広がるならいいと思うから。それにソフトメーカーも慈善事業じゃないからこういう利益の出し方もありじゃないでしょうか。
・「なし」
課金することなく、追加シナリオも無くていいので、完成されたものを販売してほしい
また「ゲームソフトの完成形」の考え方に対しても、様々なスタンスが浮き彫りになりました。
■「if」ならば。「if」だからこそ。
本作では、どちらの国に属するかで物語の展開も大きく変化します。同じ状況から派生する2つの物語、DLCでは更に3つ目の物語も描かれるため、「もし、あの時に別の道を歩んでいれば……」という「if」が描かれるのも、大きな特徴です。そんな「if」だからこそ、「あり」や「なし」の双方に意見が分かれる方々もいました。
・「あり」
これが二本フルプライスなら文句も出たが、片方買えば残りは半額以下だから。それと「if」というテーマで見ると割としっくり来る販売方法だと納得してしまったため。
・「なし」
ストーリーの分岐をifとして掲げるなら、一回で買いきりとさせるべきだと思うから。再度買わないといけない時点でifは体験できない別ソフトでタイトルにふさわしくない。
これが二本フルプライスなら文句も出たが、片方買えば残りは半額以下だから。それと「if」というテーマで見ると割としっくり来る販売方法だと納得してしまったため。
・「なし」
ストーリーの分岐をifとして掲げるなら、一回で買いきりとさせるべきだと思うから。再度買わないといけない時点でifは体験できない別ソフトでタイトルにふさわしくない。
購入することで「もうひとつ」の物語が楽しめると受け止めるか、「if」をテーマとするならば作中で選択させるべきと考えるか、ここも捉え方で大きく意見が変わるポイントと言えそうです。ダウンロード版ならば、作中で“白夜王国”“暗夜王国”のどちらに属するかが選べますが、この点に関しても「(作中で選択したい場合)DL版が強制されてしまう」といった懸念も上がっています。
■限定版に関して。
本作には、2ルートを1本にまとめた特製ゲームカードが同梱され、更に第3のシナリオも遊べる限定版「SPECIAL EDITION」が存在します。価格は9,250円(税抜)と3DSのソフトとしてはかなり高めですが、その特徴が多くのユーザーから支持を得て、高い人気を誇りました。そんな限定版に対するコメントも、いくつか寄せられています。
・「あり」
どっちみち限定版を買う。 限定版単独で見ると、特典も踏まえればごく一般的な価格の範囲なので。
・「なし」
パックに余計なプレミアがつくなど購入の妨げになる。
どっちみち限定版を買う。 限定版単独で見ると、特典も踏まえればごく一般的な価格の範囲なので。
・「なし」
パックに余計なプレミアがつくなど購入の妨げになる。
3本分の価格と考えて妥当と判断する人もいる一方、限定版でしか解決できない問題があるため過剰な人気が集中する事情を指摘する声も。確かに「SPECIAL EDITION」は、2度ほど追加出荷されるも毎回短期間で予約が締め切られており、欲しい方全員に行き届く体勢になっているとは言い難い実情もあります。
■シリーズファンからの視点。
長年の歴史を持つシリーズだけに、根強いシリーズファンも数多く存在します。また、シリーズと一口に言っても、「一度倒れたユニットは、特別な例外を除いて復帰不可能」という骨太な部分に惹かれている人もいれば、自由な育成が楽しめた前作『覚醒』で初めて遊んだ方もいます。様々なファンがいるからこそ、それぞれから賛否の声が上がりました。
・「あり」
全ルートプレイするには課金しなければならない、とあるが、そもそも対象としている層が異なるので問題ないと思う。長く続いてきたシリーズだからこそ、旧来のファンと新規のファン、どちらの意見も取り入れる必要がある。
・「なし」
従来のシリーズではしてなかったし、正直ファイアーエムブレムに課金要素なんて入れてほしくなかったから
全ルートプレイするには課金しなければならない、とあるが、そもそも対象としている層が異なるので問題ないと思う。長く続いてきたシリーズだからこそ、旧来のファンと新規のファン、どちらの意見も取り入れる必要がある。
・「なし」
従来のシリーズではしてなかったし、正直ファイアーエムブレムに課金要素なんて入れてほしくなかったから
前作『覚醒』に近い『白夜王国』と、従来のシリーズで多く見られたスタイルを継承する『暗夜王国』。物語だけでなくゲーム性もそれぞれで異なるのは、幅広いファンに対応するためという意見もあります。その反面、近作で加えられた「有料DLC」という要素そのものに対し、複雑な気持ちを抱く声も見受けられました。
このほかにも、「時代の流れだから」や「シリーズファンからしたら、悲しいの一言」と、客観的に見つめたものからファンとしての率直な感想など、様々な意見が寄せられています。
■全てのルートを遊ばない人からも、賛否の声が。
『白夜王国』と『暗夜王国』のそれぞれに、ソフト1本分のボリュームがあると告知されています。たっぷり遊べると喜ぶ方もいるでしょうが、手応えがありすぎると逆に困るという人も少なくありません。1ルートだけ遊びたいユーザーにとっては、今回のルート別リリースを嬉しく思う声もあります。しかし、全ルートを遊ぶつもりがない方の中にも、今回の形態を「なし」と考える人もいました。
・「あり」
最近のゲームはボリュームが多くて、全ての要素をやりこむ前にお腹いっぱいになってしまう自分のような人間には、こういう形態のほうが合っているのかなと思います。
・「なし」
完全に無しです。まだ、コスチュームや時間のない人向けの経験値補正とかの方が良心的だと思います。本当に必要、不必要で選択があるからです。私の場合は分岐があるゲームは必ず直前のセーブデータを残し両方を少しだけプレイしてみて、展開や難易度も含めて自分の好みのほうを改めて選択します。なのでプレイしてみるまで実際の所はわからないのに選択し、課金して合わなかった場合の取り返しのつかなさといったら無いです。たかだか数千円の話だとしても私の場合は最終的に全部のルートをプレイする人間ではないので好みや難易度があわなければもう一方も購入して、最初に購入したルートはただのムダ金になります。なので今回のDLCのタイプは良心的ではないと思います。
最近のゲームはボリュームが多くて、全ての要素をやりこむ前にお腹いっぱいになってしまう自分のような人間には、こういう形態のほうが合っているのかなと思います。
・「なし」
完全に無しです。まだ、コスチュームや時間のない人向けの経験値補正とかの方が良心的だと思います。本当に必要、不必要で選択があるからです。私の場合は分岐があるゲームは必ず直前のセーブデータを残し両方を少しだけプレイしてみて、展開や難易度も含めて自分の好みのほうを改めて選択します。なのでプレイしてみるまで実際の所はわからないのに選択し、課金して合わなかった場合の取り返しのつかなさといったら無いです。たかだか数千円の話だとしても私の場合は最終的に全部のルートをプレイする人間ではないので好みや難易度があわなければもう一方も購入して、最初に購入したルートはただのムダ金になります。なので今回のDLCのタイプは良心的ではないと思います。
分量なりルートの内容なり、「自分に合ったものだけを楽しみたい」とする姿勢は同じでも、考え方の角度はそれぞれで異なっており、近い切り口からまったく違う意見も飛び出す結果となっています。
■その他にも様々な意見・考え方が。
これまで取り上げたポイント以外にも、多種多様な意見・コメントが多く寄せられています。その中でも特徴的なものを、いくつかピックアップしてみました。
・1パッケにしたら単価が上がって手にとってくれる人が減る可能性がある。
・今の開発費では覚醒以上のボリュームは作れないから、間接的に値段を上げて対応したように伺える。
・これに関しては、追加DLC という形をとっているものの、片方買ったらもう片方は半額にします。って感じるので、後中古対策でしょ。
・ゲームの寿命を長くする、ファンサービスの課金ならともかく1パッケージにできるソフトを分割して課金購入させる手段はイメージが悪い。
・今回のこれは内容によっては許せるかもしれないが、この販売形式が他に伝播した時、スタンダードになった時の事のほうが怖い、故に許せるものではない。
・今の開発費では覚醒以上のボリュームは作れないから、間接的に値段を上げて対応したように伺える。
・これに関しては、追加DLC という形をとっているものの、片方買ったらもう片方は半額にします。って感じるので、後中古対策でしょ。
・ゲームの寿命を長くする、ファンサービスの課金ならともかく1パッケージにできるソフトを分割して課金購入させる手段はイメージが悪い。
・今回のこれは内容によっては許せるかもしれないが、この販売形式が他に伝播した時、スタンダードになった時の事のほうが怖い、故に許せるものではない。
公式が明らかにしている点以外はどうしても憶測などが混じるものの、こういった声自体は間違いなくユーザー側が抱いてもおかしくない率直な一面です。それだけにどの意見も一概に否定することはできず、前述した通り単なる二極化では収まらない個々人の思考・事情を見て取ることができます。
■最後に。
様々な意見が寄せられましたが、「どこまでを1本分とし、それに対する価格の妥当性」との考え方が、特に大きなポイントのひとつでした。これに関して、「実際のボリュームは発売されるまで不透明なので、発売前にアンケートを取っても無意味」との声もありました。不快にさせてしまった点については、誠に申し訳ありません。
ここからはあくまで筆者の個人的な意見となりますが、1ルートのボリュームを直接確認できる発売後の方が価格に対するより正しい判断ができる、という点はまさにその通りだと思います。故に、今の状態でのアンケートが無意味と仰る気持ちもよく分かります。それを前提とした上で、発売前のアンケートにも意味があると考えました。
今回の一件はボリュームに関する判断を含むため、発売した後に今回のようなお題で意見を出し合う場があった場合、「あり」「なし」ともに「ゲームを遊んだユーザーによる意見」が中心となるでしょう。逆を言えば、遊ばない限りボリュームに対する判断は推定を含むため、同じ条件下での意見とは言いにくい面があります。
本作を買う予定の人、買うか悩んでいる人、買おうと思っていたが今回の販売形態に購買意欲を削がれた人など、全てのユーザーが「未プレイ」という同じ条件で意見を出し合える機会は、発売前にしかありません。だからこそ意味があると考え、そしてこの機会に多くの方から「生の声」をいただくことができました。
個人的に共感できるものから自分にはなかった考え方まで、多種多様な意見を伺うことができたのは実に貴重な体験でした。この記事を読んだ方の中に、寄せられたコメントをきっかけに新たな視点を得た方がいたら、これほど嬉しいことはありません。もし時間が許すのならば、公開しているコメントの方も是非ご覧になってみてください。
■集計結果URL:
https://docs.google.com/forms/d/1Ij8aizpbmmI7KQIj_GwclSrQd1F5FhB9tGf86o5QQAQ/viewanalytics
『ファイアーエムブレムif 白夜王国/暗夜王国』は、2015年6月25日発売予定。価格はそれぞれ、パッケージ版・ダウンロード版が4,700円(税抜)、「ファイアーエムブレムif SPECIAL EDITION」が9,250円(税抜)です。
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