
それは『スプラトゥーン』が発売されて初めての週末のことであった。筆者のダイレクトマーケティングが功を奏し、Wii U所持している友人2名が『スプラトゥーン』を購入した。筆者はこの時点でランク7になっており、新参者の前で傍若無人にインクを塗りまくり日頃の鬱憤を晴らすつもりであった。
いざ、ナワバリバトルへ。友人たちは購入後そこそこやり込んだらしく、ランクは4と5。それなりにランクはあげたようだが、所詮は今日始めたばかりのプレイヤー。フィールドで見つけたらカモにしてやろう…筆者はローラーを装備し、轢く気満々でフィールドに赴いた。
異変にすぐ気付いた。味方となったランク5の友人が華麗な身のこなしで高台に登り、迫り来る敵をチャージャーで狙い撃ちしているではないか。
「こやつ…スナイパーか?」
驚愕する筆者の背後、敵となったもう一人の友人が、ローラーで無慈悲にも筆者を轢き倒していく。友人たちは容赦がなかった。以降、筆者は常に敗者側に身を置くこととなる。
例え負けてもポイントが加算されランクは上がる。だがランクとゲームの腕は別問題だ。友人たちは勝者のボーナスポイントで着々とランクをあげていった。リアルタイムで上達する様を見せつけられ、筆者はようやく気がついたのだ。
カモにされたのは自分の方だったと…

Wii U 『スプラトゥーン』は5,700円(税別)で発売中。

みかめ ゆきよみ
ゲーム好き、日本史好きの漫画家兼フリーライター。ゲームはジャンル問わず下手の横好きでなんにでも手を出す。歴史マンガ、コラム、イラストなど雑多に活動中。
(C) 2015 Nintendo