『サマーレッスン』は、バンダイナムコエンターテインメントの原田勝弘氏率いるTEKKEN Projectが研究開発している技術デモンストレーション・ソフトです。初登場は2014年9月で、家庭教師として女子高生とコミュニケーションを取るのが目的でした。最大の特徴は“ゲーム内のキャラクターがプレイヤーを認識していること”で、リアルな環境作りが徹底されており、こちらの世界に帰りたくなくなるほどの魅力があります。
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詳しくはプレイレポート&開発者インタビュー記事を公開していますので、そちらをご覧ください。
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さて、そんな『サマーレッスン』の新バージョン『サマーレッスン E3 2015 DEMO』が「E3 2015」にプレイアブル出展されました。基本的なシステムは前バージョンとほぼ同じですが、なんと新キャラクターが登場。今回は日本の田舎に住んでいる家庭教師となり、”アメリカから旅行に来たミュージシャンの金髪美女に日本語を教える”というシチュエーションです
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会場では複数のProject Morpheus作品が出展されており、『サマーレッスン E3 2015 DEMO』もそのうちの一つ。ただ体験できるタイトルは選べないため、筆者が本作の体験を引き当てた時は思わずガッツポーズをしてしまいました。その興奮状況のまま体験スペースへと移動すると、現地のスタッフから「これは……日本で生まれた非常にユニークな作品です!」という意味深な説明を受け、ついにゲームプレイが開始。
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今回の舞台は鮮やかな海辺を望む日本の古民家で、開放的な空間が広がっています。細かく見ていくと、海の表現から蚊取り線香の質感まで非常によくできており、前バージョンと比べて没入感の向上を感じました。
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その空間の奥には、ホームステイしている金髪美女の姿が。これは主観になりますが、キャラクター表現のクオリティが上がっているようで、特に顔の造形や表情に拘りを感じました。そして、個人的にもっとも伝えたいのが、“ニットのサマーセーターの下に着ているオレンジ色の服が、網目の間から透けて見えるようなテクスチャになっている”ということ。下がショートパンツなのもナイスです。
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そんな彼女とコミュニケーションを取っていくわけですが、片言の日本語がまた熱い。「センセイ」と呼んでくれます。もちろんドキッとする演出も満載で、前バージョン同様に「近い!近い!」という感覚は健在。特に“自分から覗き込む”というアクションはかなりドキドキしました。
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また新要素として、「風鈴」や「花壇」といった複数のアイコンが一斉に表示されるようになり、選択するアイコンによって会話が変化します。
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金髪、下の服が透けて見える、ショーパン、片言の日本語……今回も素晴らしいことをやってくれた『サマーレッスン』ですが、夢のような時間はあっという間に終了。ゲーム画面にはなぜか原田氏が登場し、現実を突きつけられました。
なお、『サマーレッスン E3 2015 DEMO』の国内出展や、『サマーレッスン』自体の商品化などは未定。原田氏いわく「以前、エンジン上ではあらゆるキャラをシミュレート可能と言ったのを証明しました。」とのことで、今後の展開に注目が集まります。
【修正 6/18 18:00】
掲載当初「下着が透けている」と記述していましたが、透けていたのは下着ではなく、下に着ていたオレンジ色の服でしたので、修正すると共にお詫びいたします。