なんで『パワプロ』上級者は「ロックオン」無しでも変化球が打てるの?ハイレベルすぎるプロ選手の対戦動画から、その秘密をじっくり解説

『パワプロ』プロ選手による公式対戦動画が公開!トッププレイヤーの技を解説いたします。

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なんで『パワプロ』上級者は「ロックオン」無しでも変化球が打てるの?ハイレベルすぎるプロ選手の対戦動画から、その秘密をじっくり解説
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誰もが一度は遊んだことのある野球ゲームの定番と言えば『実況パワフルプロ野球』。そんな『パワプロ』の対戦モードが、今ではeスポーツになっていることをご存じでしょうか。

2018年から『パワプロ』はコナミデジタルエンタテインメントと日本野球機構(NPB)の共催によって「eBASEBALL プロリーグ」が実施されており、今年も3シーズン目の開催が決まっています。


本日はそんな身近でありながら奥深い『パワプロ』対戦のテクニックを、プロ選手による対戦動画を元に紹介・解説いたします!

プロの技と戦術をチェック!


今回参考にするのはパワプロ・プロスピ公式チャンネルにて公開されている、プロリーグに参加するプレイヤー同士による最新作『eBASEBALL パワフルプロ野球 2020』の対戦動画。


動画内では今シーズンの新規プロ選手を選抜するオンライン大会専用のアレンジチームで対戦。プレイ技術はもちろん、選手に設定されている能力パラメータや特殊能力をフルに活かすためのオーダー編成にも個性が光ります。

対人戦はイニングが短いこともあり、強打者を打席数が多くなる上位打線に固めるのがスタンダード(YouTube パワプロ・プロスピ公式チャンネルより)

「ロックオン」無しでこのカーソル精度!


『パワプロ』初心者の方のバッティング設定と言えば、ミートカーソルが投球を追いかけてくれる「ロックオン」が定番。そのレベルに応じてアシストの強さが変わりますが、最小設定の1でも細かなブレを補正してくれます。

投球がどの辺に来るか大まかに表示される「フェードカーソル」もゲーム中の初期設定やサクセスモードの難易度ノーマルではデフォルトで設定されているので、初心者でも気持ち良くかっ飛ばせるのが『パワプロ』の魅力ですよね。

かつてお馴染みだったキャッチャーミット表示にも変更出来ます(『eBASEBALL パワフルプロ野球 2020』より)

しかしプロリーグでも使用される一般的な対戦設定では、ロックオンもフェード表示も勿論なし。じゃあどうやって打つのか? なんと彼らは相手投手の投げたボールが画面に表示されてから着弾するまでの間に、

  • 1. 回転で球種を判断し
  • 2. 着弾点のストライクボールを見極め
  • 3. カーソルを合わせて打つ or 見送る。

という操作を瞬時に行っている訳なのです! この間、僅か10数フレーム(一番速いボールの場合)の早業。ちなみに1フレーム=60分の1秒です。

スイング入力から実際にバットに当たるまでのタイムラグを考えると、操作の猶予時間はほんの僅か。それを踏まえて、動画内の第1試合で4回裏に飛び出したホームランを見てみましょう。その反応速度と操作精度の凄さが伝わるのではないでしょうか。


見よ、この精度(YouTube パワプロ・プロスピ公式チャンネルより)

打ったボールはゲーム中で最も速い全力ストレート。しかも少し高めのボールゾーンに外れているコースを、特殊能力の「悪球打ち」でピッタリと合わせた完璧な一発。これは打たれた方も脱帽のホームランです。

ホームラン以外のシーンでも注目してほしいのが、指先の繊細な感覚で操作されるミートカーソルの正確さ。変化球を打つ際もボールの軌道を追いかけるのではなく、回転から球種を判断して着弾点に先回りしているのがトッププロたる所以です。

空振りや見逃しでもピッタリとボールの着弾点をマークしていたり、投球を待ちながら小さくクルクルと動かしたりという細かな操作を真似してみるだけでも、その難しさが分かるかも知れません。

時には切り替えも大事。な上級テク


もうひとつ、打撃技術を紹介します。

上級者になるほど打撃時には強振で長打を狙うことが多くなりますが、相手の投球レベルや選手の能力によっては中々長打が出ないことも。そんな状況で活躍するのが、厳しいコースの球を瞬時の判断で軽打する「切り替え打ち」です。

実際に対戦動画の2回表に飛び出した切り替え打ちの実践例を見てみましょう。


ここまでは強振で狙いを合わせつつ(YouTube パワプロ・プロスピ公式チャンネルより)


ミート打ちに変更して鮮やかに流し打ち(YouTube パワプロ・プロスピ公式チャンネルより)

余程パワーが高いバッターでないとアウトコース低めは長打にするのが難しいため、しっかりと見極めた上で流し打ちで勝ちとったシングルヒット。ホームランに比べると地味に映るかも知れませんが、投打ともにレベルの高いプレイヤー同士だからこその一幕です。

ちなみに動画内の第2試合では、異例の「ミートから強振」への切り替え打ちも登場しています。これは普段なかなかお目にかかれない打法で、見守る選手から驚きの声が漏れたのも納得の一打。


ミート→強振の切り替え打ちはカーソルが一気に小さくなるので視覚的な難易度も高め(YouTube パワプロ・プロスピ公式チャンネルより)

1/60フレームが生み出す精密投球


打撃ばかりではなく投球面でも熟練の技が光っています。特に最新作『eBASEBALL パワフルプロ野球 2020』では、前作に比べてストライクからボールゾーンへ逃げていく変化球が空振りを奪いやすくなったのでコースへの投げ分けが重要になりました。

そこで登場するのが投球時の「2度押し」システム。

球種を決定して投球ボタン、そしてリリース時にもう一度ボタンを押すのですが、ここで1/60フレームという最高のタイミングで入力に成功すると「ナイスピッチ」が発生して投球の精密さと威力が上がるのです。

四隅ちょうどではなく、少しズラした位置に投げることで凡打を誘うのも重要なテク(YouTube パワプロ・プロスピ公式チャンネルより)

逆にナイスピッチに失敗すると自分が狙っている位置から外れた投球になり、甘い球になることも。自分なりの配球術を成立させるためには高いナイスピッチ率が欠かせません。

そもそも対人戦では自分の投球カーソルが非表示なので投球位置を感覚で探るだけでも一苦労なのですが、その中でプロリーグの試合ではお互いにナイスピッチ率が80%を超えてくることも珍しくないのですから、レベルの高さが伺えますね。

プロリーグでは更なる猛者同士の真剣勝負が!


それにしても、コンマ数秒の世界で沢山のことを考えつつ操作するトッププレイヤーの反応速度はかなりのもの。これだけの思考スピードが成立している裏には、パワプロプレイヤーの中には野球を始めとしてスポーツ経験者が多いことも無関係ではないのかも。

もちろん野球を全く知らない人でも楽しめるのが『パワプロ』の魅力であり、初心者の方ほどロックオン無しで変化球をガツンガツン弾き返している姿や、落下点表示なしでスルスルとフライを捕球している所でも凄さを感じていただけるのでは。

高いフライは風の影響も大きく、経験者でも落下点無しだとフライポロポロ草野球状態になることも(『eBASEBALL パワフルプロ野球 2020』より)

動画内では4人のプロプレイヤーによる細かなプレイ解説も入っているのでかなり参考になる部分も多くなっています。野球ファンから『パワプロ』上達を目指したい方まで、是非フルでご覧ください。

また、現在はそんなプロが参加するプロリーグに向けて、同タイトルのPS4版とニンテンドースイッチ版で「オンラインプロテスト」が進行中。この結果を受けて秋には新規プロを選抜するドラフト会議も待ち受けています。

今季のプロリーグも例年同様にプロ野球がオフシーズンとなる12月頃からの開幕が予定されていますので、野球ファン兼ゲームファンの皆さんはこちらの動向を「ロックオン」ありで要チェックです!

《ハル飯田》

よく遊び、よく喋る関西人 ハル飯田

1993年、大阪府生まれ。一旦は地元で公務員になったものの、ゲームが好きすぎて気付いたらフリーライターに。他メディアではeスポーツ選手や競技シーンの魅力を発信することに注力したり大会でキャスターを務めたりもするのだが、インサイド&ゲムスパではもっぱら好きなゲームについて語ることで安らかな気持ちになっている。

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