E3 2015でインディゲームスタジオのウーバー・エンタテインメントはProject Morpheus向けの新作ゲーム『Wayward Sky』を発表しました。会場では冒頭数分間がデモプレイでき、その可能性の一端を示しました。
同社は米ワシントン州カークランドで2008年に設立され、公式サイトでは3本のゲームが掲載されています。過去の開発経験はPC・Xbox 360・iOSで、本作は初のPSプラットフォームのタイトルになります。
主人公は父親の操縦する複葉機で、副操縦士をつとめていた少女ベス。ある時、雲海から抜け出た瞬間に空に浮かぶ城塞に激突し、飛行機が大破してしまいます。城の警備兵に父親をさらわれたベスは、父親を救出するために城の探索に乗り出すというストーリーです。
ゲームの最大のポイントはポイント&クリック型のパズルアドベンチャーであること。マウス操作(またはモバイルデバイスでのタッチ操作)に向くゲームデザインですが、本作ではこれを頭部を動かすことで実現しています。
すなわち、頭を動かしてカーソルを移動させ、デュアルショック4のアクションボタンを押すと、その場所にベスが移動したり、何かしらのアクション(モノを動かす、スイッチを操作するなど)をするのです。
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もう一つの特徴はカメラの動きです。本作は状況に応じて一人称視点とクォータービュー視点が切り替わる仕組みを採用しています。VRゲームでは一般的に頭を激しく動かすと不快感につながるとされます。これがクォータービュー視点では最低限に抑えられるのです。
一方アクセントとして一人称視点も加えられています。一人称視点ではカメラの高さがゲーム内キャラクターの視点に合わせてあり、プレイヤーに実際にその場に立っている感覚を提示しています。
これらが意味するのは「VRゲームでも長時間じっくり楽しめるようなものが作れる」ということです。
ポイント&クリック型アドベンチャーならPCやモバイルでやればいいわけで、わざわざVRでやる必要はないと感じる人がいるかもしれません。
しかし一人称視点時の没入感はVRゲームならではですし、ここからVRの新しい可能性が生まれるかもしれません。いずれにせよインディゲームならではの、ユニークなチャレンジだと言えるでしょう。
リリース時期は未定ですが、VRゲームに挑戦しようとするインディに対して、新しい希望を与える存在になりそうです。