【そそれぽ】第118回:感動の要因はハードの限界グラフィックだけじゃない!『メタルスレイダーグローリー』をプレイしたよ!

任天堂 Wii U

作業用のはずが軍事用だった「メタルスレイダー」の謎
作業用のはずが軍事用だった「メタルスレイダー」の謎 全 12 枚 拡大写真
インサイドをご覧の皆さま、こんにちは。そそそこと津久井箇人です。皆さんのゲームライフを充実させるゲームプレイレポート、第118回を迎えました【そそれぽ】のお時間です。

男なら一度は抱く宇宙への憧れ。宇宙を舞台にした映画やアニメを観まくって、いつか自分も宇宙に行けるかなんてことを想像し・・・。実際に宇宙飛行士になるための訓練映像とかを見て挫折します(笑)。それに負けなかった人が、本当に宇宙飛行士になれるのでしょうね。一般人が気軽に宇宙に行けるようになる日、筆者が死ぬまでに来ますかね?仕事柄、自宅に引きこもりがちなので、外出のきっかけにぜひそうなってほしいものです(コンビニでも行け)。



というわけで、今回プレイするのはHAL研究所のWii Uバーチャルコンソール『メタルスレイダーグローリー』です。


ずっとプレイしてみたかったタイトルなのに、これまでに完全に未プレイな筆者。というのも、当時のソフトのプレミア化に半信半疑だったからなのです。プレミア化は、出荷本数が少なく、出荷終了後に大きく評価が高まるソフトで起きる場合が多いのですが、本作はそもそも1991年8月発売と、スーファミの『FFIV』よりも後発で、ファミコンソフト的には末期も末期。なので、出荷本数が少ないのも致し方なしなので、プレミア化が起きやすい条件が最初からありました。

また、映像演出などが売りな部分もあり、そのあたり、現代のゲームの映像に慣れてしまっている筆者が「思い出補正」なしで感動できるか自信もなく・・・今回、意を決してWii Uバーチャルコンソール版をプレイします。「思い出補正」なしでプレイしても『メタルスレイダーグローリー』はプレミア化する価値のある名作であると感じられるのでしょうか?早速プレイしていきましょう。ゲームの性質上、物語の核心部分を避けて、ネタバレなしでお届け致します!


◆『メタルスレイダーグローリー』ってどんなゲーム?



■近未来SFな世界観で渦巻く「謎」
舞台は近未来の地球圏。作業用「メタルスレイダー」(2足ロボットの総称)を手に入れた主人公“日向忠”ですが“忠”がコクピットに乗り込むと、地球の危機を伝える謎のメッセージが突然流れ出し、作業用「メタルスレイダー」は外装パーツがはずれて、軍用「メタルスレイダー」の姿をあらわにします。

主人公の“忠”、妹の“あずさ”、ガールフレンドの“エリナ”は、軍用「メタルスレイダー」と“メッセージ”の謎を解明するため、さまざまな人物たちと出会い、さまざまな場所を訪れることになります。

■コマンド選択式のアドベンチャーゲーム
基本は、グラフィックによる演出と会話で進行するアドベンチャーゲームです。Aボタンで会話の進行や選択肢の決定、Bボタンはキャンセルのほか、押し続けることで会話を早送りできます。一部特殊な操作が出てくる場面はありますが割愛。人物に聞き込みをしたり、状況を整理したりしながら、新たな場所を訪れ、「真相」に少しずつ近付いくのがゲームの基本目的です。

ちなみに選択の間違いによるゲームオーバーは・・・あります。が、序盤は大丈夫(なハズ)なので、いろいろな選択肢で遊びながらプレイするのも一興。主人公“忠”の女ったらしぶりも必見です(笑)。

■やはりグラフィックがすごい
ファミコンのハード的な画面解像度は256×240ピクセル(ライン)。昨今、一般的にフルHDと呼ばれるモニタやテレビは1920×1080ピクセルで、筆者が長く愛用しているiPhone 5sでさえ640×1136ピクセルです。仮にフルHDのテレビにドットバイドット(拡大などをしないでそのままの状態)で表示するとその比率は・・・


めっちゃくちゃ小さいのです!(笑)しかし、この小さな枠の中で、グラフィック表現や演出をやっているのがファミコンソフトであり、『メタルスレイダーグローリー』なのです。本作に至っては、一部テキストで「漢字」が使われていたり、結構な頻度でキャラクターがヌルっと動いたりします。そのあたりからも開発陣のこだわりがヒシヒシと伝わってきました。解像度の面では昨今のゲームと比べると物理的に勝負になりませんが、2Dドットグラフィックによる「演出面」に絞って言えば決して劣っていないと感じます。


◆起・承・転・転・転・・・・結



■軽い気持ちで始めたら大変なことに(汗)
プレイヤーも、主人公の“忠”たち一行も、きっと同じような気持ちになっているハズです(笑)。ネタバレを避けるために細かなことは伏せますが、序盤の軽いノリに比べて、中盤あたりからの物語の加速と展開がすごいです。もちろん、冒頭の地球の危機を伝えるメッセージに関連した物語になっていくわけですが、フラグの立て方、フラグの回収の仕方なんかも実に見事。

終盤は「こまけぇこたぁいいんだよ!!」ということで、「SF×宇宙×ロボット」らしい熱い展開に釘付け。アドベンチャーゲームという枠を超えた(あるいはギリギリアドベンチャーゲームでしょ?という)ゲーム的な試みも、その意外性に度肝を抜かれました(笑)。

■創意工夫で魅せるグラフィック演出
ファミコンの同時発色数は細かいことはさておき最大25色。本当に25色以下?と思えるほど、特に大写しになったキャラクターの表情や、宇宙船の発着シーンなどは、アニメ調のグラフィックも相まってキレイに見えます。Wii U GamePadでのプレイだと、画面の密度が高まるので、よりキレイに見えました。

これに加えて、アニメーションによる演出ですよ、奥さん(?)。キャラクターがしゃべる際のリップシンク(口のパクパク)はもちろん、瞬きや微妙な表情の変化などは現代の2Dゲームにも劣らないと本当に思っています。たまにヌルっと動きます。また、ヌルっと動いてるように魅せる“誤魔化し方”も自然で素晴らしいです。本作のグラフィックとその演出は創意工夫の賜物と言えそうです。上記の“終盤”もすごい迫力でした。

■味のあるパスワード方式
本作はゲーム自体にセーブ機能はなく「休む」を選ぶことで、パスワードをゲット。コンテニューはパスワードの入力によって行います。そのパスワード、なんと休んでいる“エリナ”を起こすセリフになっていて、パスワードの入力に成功すると、それに呼応して“エリナ”のリアクションから物語が再開します。なんというか、すごく味のある演出で、斬新に感じられました。もちろん、Wii Uバーチャルコンソールの「まるごと保存/復元」機能にも対応していますが、一度はぜひこのパスワード入力の“情緒”を体感してみてほしいです(笑)。


◆気になったところ



■詰む場面あり
例えば、任意のキーワードを入力する場面で、キーワードがわからず確認にも戻れないといった詰んだ状況になりそうな箇所がいくつかありました。物語を注意深く読め!というのもごもっともなのですが、終始注意深く読むのもちょっと疲れてしまいますし・・・。場所移動もプレイヤーの任意でしやすいゲームなので、無理のない場面であれば再確認に戻れても良かったのではないかと思います。

■時代的に厳しいであろうけどもフローチャート・・・
あの場面からやり直したい!といった場合、ゲーム内の機能で言えばパスワードを利用するしかありません。Wii Uバーチャルコンソールの「まるごと保存/復元」をうまく使っても限界があります。やはりこのテのジャンルのゲームにはフローチャートが欲しくなります。ただ、ファミコンソフトということを考えると実装が厳しいこともわかります・・・。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆


◆総評


SF×ロボットな世界観が好きな人にはたまらない熱い展開!
「思い出補正」なしでも文句なしに名作!



そもそもこのソフトは、1本で完結するアドベンチャーゲームとして、物語やゲームの展開そのものが素晴らしいのだと、プレミア化について疑念を持っていたプレイ前の自分をグーで殴りたいです。その上で、ファミコンの限界に挑戦したグラフィックと、現代のゲームにも劣らない部分を魅せてくれる2D演出が、ゲームの魅力をさらに引き出しているように思えました。

序盤のまったり明るい雰囲気から、中盤以降のシリアスな展開、終盤のゲームオーバーになりかねない緊張した空気感という、物語の流れに素直に惹き込まれます。今となっては物語として使い古された文法こそあるものの、特にそれが気になるワケでもなく、むしろストレートでガツンと来ました。「近未来」「SF」「ロボット」といったワードが大好物の人は、ぜひ一度プレイしてみてほしいです。1990年代のゲームだけに当時っぽいノリも個人的には美味しくいただきました(笑)。

また、Bボタンによるテキスト早送り機能をよくぞ入れてくれた!と全力で当時のインターフェイスまわりのプログラミング担当の方に感謝したいです。地味なポイントかもしれませんが、これがあるおかげで、ストレスなくゲームを最後までプレイすることができました。

【こんな人にオススメ】
・「近未来」「SF」「ロボット」が好きな人
・会話・テキストベースのアドベンチャーゲームが好きな人
・90年代のアニメや漫画のノリが好きな人
・ファミコンの限界にチャレンジしたグラフィックや演出を見てみたい人


現在もプレミアソフトとして流通している本作ですが、プレイするだけなら617円で済んでしまうという良い時代になりました。もちろん、箱やカートリッジ(カセット)があるからこそ良いんだ!というのも、若干収集癖のある筆者は十分理解しております!しかし、『メタルスレイダーグローリー』は、当時スルーした人にはぜひプレイしてほしい、素晴らしく完成されたアドベンチャーゲームなので、興味がある人は今だからこそカセットにこだわらず、バーチャルコンソールで気軽にプレイしてみてほしいです。ハードの限界に挑戦したグラフィックの凄さだけ話題が先行しがちな本作ですが、物語そのものも熱い流れでオススメですよー!


【そそれぽ】第118回、いかがでしたでしょうか?いつもバーチャルコンソールの配信情報記事を書いているのですが、今回かなり久々に自身でのバーチャルコンソールのレポートとなりました。たまにプレイする懐かしのゲームも斬新で楽しいですよ!次回もどうぞお楽しみに!


『メタルスレイダーグローリー』は、好評配信中で価格は617円(税込)です。

(C)1991-2015 HAL Laboratory, Inc.
(C)1991-2015 ☆YOSHIMIRU


■筆者プロフィール
津久井箇人 (つくいかずひと) a.k.a. そそそ

作・編曲家・ライター。物心がつく頃にはMSXで『グラディウス』をプレイしていた無類のゲーム好き。ゲームを紹介するブログ記事が評価され、2011年からINSIDEでニュース原稿執筆・ライター活動を開始。レトロゲームから最新ゲーム、戦略シミュレーションゲームから格闘ゲームまで、幅広いジャンルのゲームをプレイ。

Twitter:@sososo291
ブログ:sososo activity

トップページ/アイコンイラスト:ウミネコ

《津久井箇人 a.k.a. そそそ》

この記事の写真

/

特集

関連ニュース