「ホラー×VRは怖すぎて遊びたくない」バイオハザードチームが贈るMorpheusデモ『KITCHEN』を体験

VRという、まるで世界に入ったかのような体験が楽しめるデバイスがいよいよ市場に出てこようとしています。様々なゲーム開発者がこの新しい提案でユーザーを驚かせてやろうと企んでいる中、その成果を想像するだけで嫌になるヤバイ人たちも動き出してしまったようです。

ソニー PS4
Project Morpheus Photo: Getty Images
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バーチャルリアリティ(VR)という、まるでゲームの世界に入ったかのような体験が楽しめるデバイスがいよいよ市場に出てこようとしています。様々なゲーム開発者がこの新しい提案でユーザーを驚かせてやろうと企んでいる中、その成果を想像するだけで嫌になるヤバイ人たちも動き出してしまったようです。

『バイオハザード』で茶の間を恐怖に陥れたカプコンがVRでも出番を待ちわびているようです。E3でこっそり披露された『KITCHEN』(キッチン)は可愛らしい音の響きとは真逆のヤバイゲーム。心臓がさほど強くない編集長なので、このゲームはスルーしたいと思っていましたが、デスクから「ちゃんと遊んできてくださいね」と念を押されたら仕方ありません。覚悟を決めてMorpheusを装着しました。

舞台は薄暗い、古い館にあるキッチンなのでしょうか。何も悪いことはしてないのに椅子に括りつけられて、両手には手錠。目の前には男の死体らしきもの。あーあ、こんな場面からスタートです。すぐにでも悪い奴が現れてゲームオーバーかと思いましたが、さすがにデモでもそこまで救いようがないわけではないようでした。

死体と思っていた男が立ち上がり、持ったナイフで手錠を壊そうとしてくれるではないですか。しかしこの男、手つきが危うく、そのナイフで刺されないかとヒヤヒヤ。男がナイフを振り上げるたびに、クネクネと体を避けていました。目の前でナイフを振り回されると、VRと分かっていても怖いということが分かりました。

そして男の影から登場、悪い奴!目元だけ空いたマスクを被り、どうやら女性のよう。軽やかな動きで男をナイフで一刺し、飛び散る血!ブシャー!キャー!男は今度こそ死体に・・・。と思いきや、最後の一撃を悪い奴に喰らわせる!しかし敢え無く反撃を受け、ズリズリと奥に引きずり込まれ、視界の外に。

そして響く断末魔の声。コロコロと男の首から上だけが転がってきます。広がる血。キャー!そして嫌な静寂。静か、というのは恐怖をそそります。後ろからまたあの悪い女が来るのではないか。キョロキョロとあたりを見渡します。この静けさ、実時間にすれば1分もなかったのでしょうが、とても長い時間のように思えました。極限に陥ると人間は凄い早さで思考回路を回すようです。

しかし、どう考えても椅子に張り付けの状態では分が悪い。次の瞬間、後ろから近づいてきた女に目隠しをされ、血糊でべったりの手を鑑賞し、一瞬の後、謎の微笑みと同時にお腹に一刺しをくらい、THE ENDとなりました。

筆者はMorpheusを外して無事、現実世界に戻ったわけですが、5分程度の体験、しかも基本的には眺めているだけ、とは思えない濃密な時間を過ごし、どっと疲れた、というのが第一印象。そして、VRによってホラーが実現できることというのは沢山あり、かなり効果的に人間を恐怖に陥れられるデバイスだという恐ろしいことを実感させられる時間でした。本作のプロデュースは川田将央氏だということですが、お手柔らかにお願いしますね。

「かなりいい反応をされていましたね」とSCEJAの担当者がニッコリと微笑んでくれたのですが、その後、別の女性担当者もこの『KITCHEN』を体験して、体を動かしながら悲鳴を上げていました。そんな体と心臓と頭を揺さぶられるProject Morpheusのホラーゲーム『KITCHEN』でした。

《土本学》

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