【インタビュー】『.hack//G.U.』発表10周年、CC2松山洋に“続編の可能性”を訊いた

架空のMMORPG「The World」を舞台として、オンラインゲームをモチーフとして描いた『.hack』シリーズ。記念すべき1作目となる『.hack//感染拡大 Vol.1』が2002年に登場し、シリーズに名を連なるタイトル群は今なお多くのユーザーを虜としています。

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◆支持される理由に至る狙い



──先ほどのお話でもあがりましたが、『.hack//G.U.』10周年のコメントだけでも大きな反響がありました。これだけ長く愛され続ける理由を、松山さん自身はどのようにお考えでしょうか。

松山氏:物語、またキャラクターの熱量として一番愛されているのが、『.hack//G.U.』だというのは自覚しています。なぜならば、そのように作ったからです。そして、ゲームのシステム、発明という意味での認知と愛され方があるのが無印だというのも受け止めています。王道に一番近いのが無印ですから、一般性も高いですよね。

『.hack//G.U.』を作る時に、「キャラクターに人気が出るようにしよう」と決めたんです。下世話な話、「コミケのカタログに『.hack//G.U.』のイラストが出るような作品にしたい」という感じでしたね(笑)。なので、キャラクターや物語が愛されるのが『.hack//G.U.』であるといのは、我々が狙った部分でもありました。

──では、先日のコメントに対する反響も、その狙いが実を結んだ結果のひとつと言えますね。

松山氏:そうですね。狙い通りであるのと同時に、「やってよかった」「嬉しいな」という気持ちでいっぱいです。

──ちなみに、コミケのカタログには載りましたか?

松山氏:ええ、載りましたよ。そして同人誌を買いに行きました。18禁の作品もあったんですが、「一向に構わん」と言って買いました(笑)。

──サークルさんの中には、松山さんだと気付いた方もいましたか?

松山氏:はい。中には、差し上げますと言ってくれた方もいらっしゃったんですが、もらいに行ったわけではないので、全てお金を払って買いました。……ちなみに同人誌関係では、今も反省している一件があるんですよね。

──何があったんですか?

松山氏:東京都内某所で、『.hack』のオンリーイベントがありましてね。そこに行き、サークルを回って全部の新刊を買わせてもらったんですよ。ただその時、主催者側に連絡とかしなかったんですよ。今なら「無神経だった」と分かるんですけど、当時はそういう意識や配慮まで思い当たりませんでした。

──オンリーイベントということは、その場にいる人たちは全て『.hack』好きですよね。そこに松山さんが足を運んだら、それはもう……。

松山氏:ええ。自分としては全く予想してなかったんですけど、結果大騒ぎになりまして(笑)。最終的には台に上がって、会場の全員に向けての挨拶や、当時作ってた「hack//G.U. TRILOGY」の話などをする形になりましたね。

後から知ったんですが、サークルの方々にとっては、原作や原案を作ってる当事者がイベントに来るのは、恥ずかしかったり困惑する面もあるようなんですよ。中には、18禁の作品を描いている人もいるわけですし。

──確かに、恐縮してしまう気持ちも分かります。

松山氏:もちろん人にもよるとは思うんですが、私はどんな表現でも、本当に嬉しいんですよ。楽しみ方は人それぞれじゃないですか。二次創作でどのように料理していただいても、楽しんでもらってるというのは事実ですから。

松山氏:著作権の問題もあるので、BNEさんからするとなかなか難しい話にもなるのでしょうけど、私個人としては二次創作は大歓迎です。サイバーコネクトツーでは、ファンレターや同人誌をいつでもお待ちしております(笑)。スタッフも喜ぶので、むしろ送ってきてください!

平田氏:この流れだとなかなかコメントしにくいんですが(笑)、『.hack//G.U.』ファンの熱量の高さには驚かされるばかりで、実にありがたいお話です。『ギルティドラゴン 罪竜と八つの呪い』含めて、私たちがコンテンツを出し続けられるのは、愛して下さる方々のお陰に他なりません。

次ページ:今後の『.hack』の動きは?

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《臥待 弦》

楽する為に努力する雑食系ライター 臥待 弦

世間のブームとズレた時間差でファミコンにハマり、主だった家庭用ゲーム機を遊び続けてきたフリーライター。ゲームブックやTRPGなどの沼にもどっぷり浸かった。ゲームのシナリオや漫画原作などの文字書き仕事を経て、今はゲーム記事の執筆に邁進中。「隠れた名作を、隠れていない名作に」が、ゲームライターとしての目標。隙あらば、あまり知られていない作品にスポットを当てたがる。仕事は幅広く募集中。

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