連日35度を越える猛暑の中、集まった出展者&観客は400人に迫る勢い! 前回までの秋葉原の会場よりも都心ではないものの、駅前すぐであり、羽田空港からも近いという地の利が活きたようです。※昨年の「レトロエクスプレス2号」の記事はこちら

パンフレット込みの入場料は1,000円。学生以下は無料で、小さなお子様連れなどは開場10分前に優先入場のシステムも。また、今回も入場証はプレゼント大会の抽選券も兼ねていまいした。パンフレットには、タイムテーブル、出展企業・出展サークルの紹介文・イラスト・HPアドレスなどが掲載されています。

今回の会場は羽田空港アクセス線で、お馴染みの京急蒲田駅のすぐそば。高架線&高々架線のジャンクションとなっている駅から、国道をオーバークロスする歩道橋を渡ると目の前にありました。

会場は前回の秋葉原と比べて広くなり、会場内の移動もスムーズに。企業&サークルブースが30近く並び、いちばん奥のステージでは、歌&演奏のライブや講演会が行われました。主催者は田辺敦司氏です(Twitterアカウント @a24tanabe)。
今回が3回目という「レトロエクスプレス」は、X68000、X1、PC-88、PC-98、MSX、ぴゅう太、ファミコンなど、いわゆるレトロマシンの展示・即売会。懐かしいソフトや周辺機器はもちろん、新作ソフトや新刊書籍などもあって、とても30年近く前の機種に関するイベントは思えない充実ぶりでした。
各ブースでは、『ザナドゥ』『ゼビウス』といった一世を風靡したゲームをプレイできたり、当時もかなり流通量の少なかったハードが今でも動く姿を見られたりと、このイベントならではのレア度の高い光景が見られ、サークル参加者とお客さん、またはお客さん同士で、大いに会話が盛り上がっていました。

本部(田辺氏のブース)では、ゲーム映像を録画するための機器や、PCをテレビで見るための機器を販売していました(左)。サークル・T][ chronicle(てぃーつーくろにくる)さんのブースでは、NECのメジャーマシンで元々はビジネス向けの「98シリーズ」と、ホビー向け「88シリーズ」がいっしょになっちゃったマシン「PC-98DO(きゅーはちどぅ)」も動いていました(右)。

レアな存在である、カシオ「FP-1100」、三菱「MULTI8」、東芝「PASOPIA7」といった各メーカーが独自に開発したPCのコーナー。当たり前ですが互換性はなし(左)。シャープの「X1」で動いていたのは『ゼビウス』。これをやりたくて「X1」を購入したという友人もいたりします(笑)。ソフトと同梱のジョイスティクも置いてありました(右)。
レトロマシンが数ある中、前回に続いて異彩を放っていたのが「ぴゅう太」。出展サークル「ぴゅう太買えや」さんでは、なんと国内発売された全ゲームを用意。すべて体験できるという充実ぶりでした。さらに「ぴゅう太以外も遊べや」コーナーも設けられ、これまたレア度の高い「SORD M5」「EPOCH TV BLOCK」なども展示。パンフレットによると、動いているハードの展示は「動態展示」というそうで、確かに蒸気機関車の動態展示に負けずとも劣らない貴重な展示だと感じました。
そして、ゲームミュージック関連もカバーからオリジナルまでさまざまなサークルが出展していたのですが、驚いたのがファミコンのすべての拡張音源を同時に鳴らしていたブース。ファミコンに元々搭載されている音源に追加することによって、重厚なサウンドを作り出す目的で各メーカーが開発した拡張音源はいろいろあるのですが、なんとそのすべてを同時に鳴らすという快挙でした。

「ぴゅう太mkII」「ぴゅう太Jr」その奥には「スーパーカセットビジョン」があり、ゲームカセットをどれも試せるということでした(左・撮り損ねましたが、初代「ぴゅう太」ももちろん動態展示されてました)。「M5」などのさらにレアなマシンも。LSIゲームも並び、奥の方には「ゲームポケコン」も見えます(右)。

ファミコンなのに(!?)、「同時発声数28」というシステム。確かに重厚なサウンドで、まるで「オーケストラ」のようでした。
前回はスペースの都合もあったようで、各ブースの展示を第一部として、撤収後に第二部のライブステージが開催されたのですが、今回は最初からイベントステージが最奥に用意されていました。
イベントスタートは午前11時でしたが、その30分後の11時半からほぼ切れ目なく、さまざまなライブパフォーマンスや講演会、プレゼント大会がステージで繰り広げられました。
11時半スタートのオープニングライブと、16時半スタートのクロージングライブを担当したのは、アニソン系シンガーの双月彩さん。パワフルな歌声に目の前の観客席で見ている方はもちろん、会場の端の方のブースにいるサークルの方もノリノリでした。

アニソンのカバーやオリジナル曲を披露した双月彩さん。ラストは双月さんの前のステージを担当したチップチューンアーティスト・Robokabutoさんとのデュエットで盛り上がりました。そしてイベントの最後に主催者・田辺氏からご挨拶。次回4号(第4回)は酷暑の時期ではない、3~4月の開催を目指すそうです。
「レトロエクスプレス」公式HPはこちら。これまでの歩みも記されています。
レトロエクスプレス4号準備ページ
なお今回はなんとイベントのテーマソングとして作れられた「レトロエクスプレスのうた」も披露されました! その試聴版が公開されています。レトロハード好きな方のハートに直撃(!?)な歌詞になっていますので、是非聴いてみてください。
レトロエクスプレスのうた(試聴版)