メタルおよび合成樹脂のパーツの接着には主に「瞬間接着剤」を使用します。繰り返しになりますが、前回紹介したプラスチック以外の合成樹脂はプラセメントでは接着できません。
瞬間接着剤はコンビニでも買えますが、金属にも使えると書いてある物がオススメ。また、ミニチュアを手で触ることが多いので、なるべく強度があるものが良いでしょう。基本的には上から塗装をするので、低白化(接着した部分が白く濁りにくいもの)である必要はありません。
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瞬間接着剤は小分けのボトルのもの(写真)、ハケが付いているものなどいろいろな容器が有りますがこの辺はお好みで。個人的には流しこむタイプのボトルが楽だと思っているのですが、ハケも便利なのは確か。迷ったらまずは模型店に売ってる値段の安い小分けの3本入のやつなんかを買ってみることをオススメします。
瞬間接着剤以外のも、ミニチュアの組み立てに使える模型用の接着剤はたくさん種類が有りますが、それぞれ使い方がちょっと特殊なのであまり初心者向きではなく、なにより説明が長くなってしまうので今回は割愛します。いずれ機会があれば紹介したい……!
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さて、瞬間接着剤の使い方は簡単。接着したい面につけて、すぐにパーツ同士を貼り付ければOK。完全に接着できるまでの間、パーツ同士をしっかり押さえておきましょう。プラセメント等と比べてすぐに取れなくなってしまうので、パーツの方向等のミスには気をつけましょう。指とくっついてしまったらマニキュア落とし等に使われてる除光液で落とせますよ。
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というわけで、レジン製のムキムキマッチョマンの完成だ! さて、『フロストグレイブ』ではどうやって使うかな……? こういうミニチュアは安定しないので、ベースをつける必要があります。
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とりあえず、小さな隙間であれば何回かに分けて接着剤を流し込むとある程度埋めることができます(この時、隙間以外の部分に接着剤が流れないように注意)。それでも埋まらない写真のような大きなサイズの隙間の場合は「エポキシパテ」等で埋めた方が良いでしょう。
「エポキシパテ」とは、二種類の樹脂を練り合わせることで固まっていく、粘土のような感覚で盛りつけることができる素材。主に模型店で入手することができます。
練り合わせた樹脂を金属製のヘラ(スパチュラ)等で盛り付け、あとは平面が平らになるように余分な部分を削ぎ落とし、硬化するのを待つだけでOK(硬化時間は製品によって異なるので箱もしくは説明書に書いてあることを読みましょう)。エポキシも口に入ると体に悪いので、作業が終わったらしっかり手を洗いましょう。
ヘラに軽く濡らしておくと、ヘラにパテがくっつきにくくなり作業がしやすいですよ。また、どうしてもパテを盛った部分が平坦にならなかったら、一旦完全に固まるのを待てば、デザインナイフで削ることもできます。
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今回はエポキシパテの「デューロパテ(グリーンスタッフ)」を使っています。製品名はバラバラですが、ミニチュアゲーム専門店ではだいたい売っているはず。模型店でも売っている場合があります。
「デューロパテ」はミニチュアの原型製作にも使われているもので、慣れればミニチュア用の小物はもちろん、極めればミニチュア自体を作ることもできるので、ちょっと値段は張るけど持っていると便利ですよ。
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また、レジンやファインキャストのミニチュアの表面に小さな気泡ができることがありますが、こういったものを埋めるなら、ファレホ・カラーの「モデリングパテ」がオススメ。あまり多くはありませんが、ファレホ・カラーを扱う模型店(ボークス等)やミニチュアゲーム専門店で入手可能。
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ボトルに入った軽石の粉末で出来たパテで、ボトルからアルミホイル等のパレットに出してそのまま使うことができ、盛りつけて数分~数十分(大きさにより変動)で固まります。ものを作ったり大きな隙間を埋めるのには向きませんが、小さな穴を埋めるのであればこれで十分です。
念のためいろいろ説明を加えた結果、おまけすらだいぶ長くなってしまいましたが、『フロストグレイブ』用のミニチュアは、ほとんどが一体成型のホワイトメタル製かプラスチック製なので手軽に作れるはず。
今回の記事に登場した、錬成術師と弟子のホワイトメタル製ミニチュアは公式ストアで販売中です。またしても、記事執筆時点では、売り切れとなっていますが再入荷の予定はあるとのこと。入荷の告知等は公式Twitterアカウント(@frostgravejapan)で行われるはずなので、気になる方は要チェック。
また、『フロストグレイブ 基本ルールブック日本語版』は定価6000円(税込)で発売中。ルールブックはアマゾンでも買えますよ。
次回以降は『フロストグレイブ』のミニチュアの塗装方法、ゲームの遊び方などを何回かに分け紹介予定。乞うご期待!
■傭兵ペンギン
フリーライターとして働く傍ら、時々アナログゲームの翻訳をしております。アナログゲームと筋肉映画が大好物。最近はホビージャパンのテーブルゲームチャンネルでTRPG『ウォーハンマーRPG』のプレイ風景を生配信する番組に出演中。アーカイブ動画もありますので、是非チェックしてみてね!
Twitter:@Sir_Motor