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まずは、『MUSECA』の基本的な遊び方について。本作では、奥から手前に流れてくるオブジェクトが、アナライズポジションと重なったタイミングで対応した操作を行います。操作は「ボタンを叩く・回す・ペダルを踏む」の3種類。さらに、ボタンを長押しする「チャージオブジェクト」や勢いよく回す「ストームオブジェクト」、指定された回転方向にスピナーを回す「ディレクショナルスピンオブジェクト」など、難易度が上がるにつれてより複雑なアクションが求められます。
『MUSECA』の重要な要素が、「Grafica」です。これは、”GIFT”という特殊能力を持ったイラストのことで、HOLDERに最大3つのGraficaをセットしてプレイができます。Graficaごとに属する世界やレアリティ、ステータスや特殊能力が異なります。そのため、どれをセットするのか、またプレイ中は1つ目にセットしたGraficaから順に能力は発動するので、どの順番でセットするのかが重要になります。はじめは散失状態で充分な力が発揮できないGraficaですが、復元し、深化させることで新たな能力が付与されるといった育成要素もあります。
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まず、『MUSECA』をプレイして感じたのは、スピード感でした。本作は近未来が舞台のレースゲームのようなコースを、オブジェクトが奥から手前に流れてくるので迫ってくるような感覚があり、難易度が低い曲でも疾走感を感じることできました。また、『MUSECA』ならではの回すアクションは、曲のポイントとなる場所で入るので、テンションが上がって気合いが入って段々とクセになる気持ちよさがありました。
さらに印象的だったのは、アナライズポジションがジグザグ形になっていることです。リズムゲームというと、一直線に並んでいるのが基本のスタイルなので新鮮でした。最初はタイミングが少し掴みにくかったのですが、上のスピナーと下のスピナーが色分けされているので、慣れてくると違和感なくプレイできます。
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『MUSECA』は全体的なグラフィックの美しさも特徴となっています。ゲーム画面はシンプルながらスタイリッシュで、Graficaが発動すると画面いっぱいにイラストが表示され、それぞれオリジナルのエフェクトが発動して非常に華やかになります。UIもおしゃれで、無機質な直線で表現されていながら、カラフルな色合いとGraficaの属性やメニュー画面で随所に見える漢字に、どこか暖かみを感じました。
続いては、制作者にインタビューを行い、リズムゲームとしては前例のない斬新なシステムを備えた本作の魅力を語ってもらいました。
──他のリズムゲームとの差別化として意識した部分は?
タッチパネルのゲームとの違いを狙い、ボタンを押したり踏んだりする物理的な感覚を、また、回すという独特の感覚は意識をしたところです。
──オブジェクトの判定ラインが一直線ではないのは、リズムゲームではかなり特徴的だとおもうのですが。
新しい見た目で何かできないかと考えて、いまの形になりました。
──ボタンを回すアクションについて、ユーザーの反応はどうでしたか?
「独特だよね」というコメントが多かったですね(笑)。ただそこに面白いという気持ちが入っていて、独特だけどやっていて楽しいと感じていただけました。回す部分については、曲の中でも気持ちよく回せる部分に入れています。
──Graficaの種類とデザインのこだわりについて教えてください。
種類は約100種類になります。デザインについては、Graficaごとに世界が設定されているので、そのモチーフに合った絵にしています。また、ユーザーさんからコンテンストで募集して描いていただいたイラストも入っていますので、とても多くのバリエーションのGraficaが実装されています。
──Graficaごとに、エフェクトのちがいはありますか?
あります。先ほどプレイしていただいたGraficaはリンゴが飛んでくる演出でしたが、それぞれ異なる演出がなされています。また、判定ラインにもエフェクトがあるんですよ。
──Graficaは組み合わせや順番はプレイするうえで重要ですか?
実は順番がとても大事です。Graficaは1つ目から順に効果が発動されるので、例えば1つ目にスコアが出るけれどダメージも大きいGraficaをセットし、2つ目は回復するGraficaをセットする……といった戦略性が生まれてきます。
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──そうなると、初見の曲もプレイしやすくなりますね!
初見の曲でしたら、譜面が分からないのでLIFEが多いGraficaをセットしておけばいいですからね。
──Graficaの深化・復元について教えてください。
深化・復元をするためのCOLORISは、基本的には曲をクリアして獲得ができますが、任務クリアやスタンプを集めてもらうこともできます。深化については、Graficaのセグメントに応じてできる段階にちがいがあります。
──育成要素があるアーケードのリズムゲームというのは新鮮ですね。
さらに、深化によって付与されるスキルもどのスキルが付くか分かりません。別途、特定のスキルが付きやすくなるアイテムがあったりもするので、こだわりのスキルを付けるためにはアイテムを集める必要もあります。3枚セットでき100種類もあるので、かなり深いとおもいます。
──楽曲の種類はいくつありますか?
楽曲は現時点で40種類ですが、今後もどんどん増えていく予定があります。さらに、コンテスト採用曲だけでも20曲以上はスタンバイをしている状態です。
──曲の難易度はどれぐらいありますか?
レベル1からレベル15まであるので、音楽ゲームをやりこんでいる方でもしっかり歯ごたえがあるとおもいます。
──プレイヤーが見えない部分も含め、筐体全体が光っていたのですが、どういった意図がありますか?
フットペダルがある筐体下の部分については、離れて見たときに足元に何かあるんだなと気がついてもらいたかったためです。あとは、遠くから目立つためには、上だけじゃなくて下も光っていた方がキレイに見えるという意図もあります。
──ありがとうございました。
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