【特集】『ロックマン エグゼ』15周年特別スタッフ座談会!プリズムコンボ発覚から完結の理由まで

 

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【特集】『ロックマン エグゼ』15周年特別スタッフ座談会!プリズムコンボ発覚から完結の理由まで
【特集】『ロックマン エグゼ』15周年特別スタッフ座談会!プリズムコンボ発覚から完結の理由まで 全 58 枚 拡大写真
◆博士から名人へ、彼はどのように名人となったのか



――因みにチーム内でも名人と呼ばれていたんですか。

一同:そうです(笑)

中島:今でも名人って呼んでいますね。

江口:たしかに江口くんと呼ばれることはないですね。

――いつから名人になられたんですか。

江口:ゲームに登場したのは『エグゼ2』からなんですが、プロモーションの一環として活動しだしたのは『エグゼ1』からですね。でね、これには酷いエピソードがあるんですよ

――……といいますと。

江口:当時は月刊コロコロコミックさんと一緒にイベントをやっていたんですが、発売年のGW中に開催されるイベントに「誰か名人を出してくれと」と宣伝から要望がありまして。

で、当時の上司が色んなスタッフに「名人やらへんか」と聞いて周っていたんですよ。でもGWのど真ん中なので、みんな行きたくないわけです。そしたら、どんどん「GWに鈴鹿いかへんか」という声が後ろから近づいてきまして……嫌な予感がしてチラッと後ろを見たら、みんなこっち見ているんですよ!そしたら案の定、僕のところまで周ってきて「GWに鈴鹿行かしたるわ!」と。当時は入社2年目だったので「あ、はい行きます」としか返答できず、僕は名人になりました。
――たしか最初の方は名人ではなく博士でしたよね。

江口:その頃はキャラ設定がふわふわしていまして、江口博士だったんです。そもそもは「詳しい」役という設定だったんですが、「“詳しい”だけじゃ弱い、“強く”もなくちゃいけない」となりまして、「何でも知っていてめちゃくちゃ強い」という理由で名人になりました(笑)

――因みにその白衣はどうされたんですか。

江口:聞いてくれます?この白衣ね、今となってはボロボロですが、これ作ってもらうのに5,6年掛かっていますからね。

――え?

江口:最初はただの白衣だったんですよ。しかも袖のところにゴム入ってまして……渡してくれたスタッフに「これどうしたんですか?」って聞いたら「カプコン東京支店が入ってるビルの病院から借りてきました」と(笑)。しかも毎回借りてはクリーニングを繰り返していまして、流石によくないだろうと。そして2,3年目にしてついに普通の白衣を買ってもらうことができたんです。

――まだ普通の白衣……。

江口:しばらくはその白衣を着て活動していたんですが、『エグゼ6』の時にこのオーダーメイド白衣になりました。

加治:『エグゼ6』ってもう終わりじゃないですか(笑)

江口:そうなんですよ(笑)

中島:今見るとかなり使い込んでいますね(笑)



江口:これ一着しかないですからね(笑)。着る度にオレンジの粉がつくんだよなぁ……。で、本当はこの白衣に革の指だし手袋がつくんですが、一緒にステージに出ていた「ソウルバトラー タケシ」というキャラクターがいまして、僕が都合でイベントに出演できない時は彼一人に任せていたんですよ。

そしたら、なぜか僕の革手袋を持ってくんですよ!しかも汗かきなんでビッショビショするんです。その都度クリーニングしてくれたらまだいいんですが、ただ袋に入れて放置するんで、めっちゃくちゃ臭くなって……「こんなんじゃファンと握手できん!」となって今は処分してしまって手許にないんです。

――そんな名人は『エグゼ2』からゲームに出ていますが、台詞はご自身で考えられているんですか。

江口:そうですね。なかなか恥ずかしいですよ(笑)。

――スタッフキャラといえば、本日はコーエツ兄さんのモデルになった松田さんにもお越しいただいていますが……。

松田:あれ後付けでしょ?

石原:実は掲示板に書かれている名前って、だいたいが当時のスタッフの名前をもじったものなんですよ。その中のコーエツっていうのが後の「コーエツお兄さん」でして。


――それにしてもキャラクターが立ってますよね。

江口:使いやすかったんです(笑)。掲示板に登場するキャラクターの設定と台詞を考えるときに、各キャラクターの発言に統一性をもたせたかったので、「このキャラクターはこういう分野の発言を」というのを決めたんです。コーエツはその中でも「ゲーム内アドバイス」の担当でして、メインプログラマーのコーエツさんが色々教えてくれるという設定でずっとやっていたら、いつの間にか「コーエツ兄さん」が誕生しました。

松田:名前が先だったんでビジュアル的には全然似てないんですよ(笑)。

――実際にプレイしてどう感じましたか。

松田:いや恥ずかしいですね。

江口:僕を前にして言います!?

松田:そもそも体格がぜんぜん違うんですよね(笑)。

――たしかに凄く大きな人だと思っていました。因みに他のスタッフから「俺を出してくれ!」という要望はありましたか。

江口:いやそんなに……。



加治:むしろ勝手に出していましたよね。

江口:開発スタッフのみんなは奥手というか、あんまり前に出たがらないんですけど、名前いっぱい考えないといけないんですよ。で考えるのが面倒になって身近な人たちの名前を使っています。

加治:ちなみに名人って本当に強いんですか?

江口:それ聞いちゃいます?

石原:どうやってバトルを避けるかってのを考えてた印象が。

江口:名人は「伝説の69連勝を成し遂げた」という設定があるんですが、バトルのチューニングスタッフのリーダーがめちゃくちゃ強くてですね……。あるイベントで子供たちとフリー対戦するコーナーがあったんですが、そこで彼100連勝以上しちゃったんですよね。そんなことされたらもう形無しじゃないですか。そしたら、それを見た子供たちから「名人とあの人どっちが強いの?」っ聞いてくるんですが、「いや……僕の方が強いよ……でもね、名人は研究があるから今日バトルできないんだ」って頑張って回避していました。

でも実際は弱くないんですよ。名人は皆に「こうすれば強くなれるよ」というのを伝える存在なので、負けられないんですよ。だから周りが戦わせてくれないんです、ほんと。でも初期のころは「シャドーマンV3を先に撃ったほうが勝ち」というルールでして、大人の連打でズッラーーと並んだ行列を千切っては投げ、千切っては投げ……と(笑)。

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《栗本 浩大》

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