Kindle版として登場する新たなタイトルは、コンピュータRPGの草分け的存在として知られいる『ウィザードリィ』を題材とした小説、「隣り合わせの灰と青春」です。ベニー松山氏が手がけた本作は、キャラクターレベルや呪文体系、転職といった『ウィザードリィ』の要素を、地に足のついた設定として積極的に取り入れて消化し、物語を彩る重要な要素としてまとめあげた点などで名を馳せました。
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もちろんキャラクターの魅力や、恐ろしい迷宮をリアルに感じさせる描写力、そして意外な展開を見せるストーリーなど、その特徴を記せばキリがないほど。ベリアル(善)とアルハイム(悪)といった、異なる戒律を持つ人物たちの交わりなども実に印象的でした。
この「隣り合わせの灰と青春」は、ゲームを原作とした小説化が今ほど頻繁に展開されていない1988年に、JICC出版局(現、宝島社)より出版され、1998年には集英社にて文庫化。ですが既にどちらも絶版となっており、今はプレミア価格で古本が一部出回っている程度です。
多くのファンから支持を得るほどの作品ですが、もう一度読める手軽さや興味を持った未読の読者がアクセスしやすい状況にあるとはいえず、もどかしい状態が続いていましたが、このたび幻想迷宮書店より、Kindle版「隣り合わせの灰と青春」が4月11日に配信を開始します。
長らくご要望を頂いていた『隣り合わせの灰と青春』Kindle版、幻想迷宮書店(https://t.co/tv0SFjtKyl)より4月11日にAmazonで配信予定です。『不死王』『風よ。龍に届いているか』も続けてリリースしていきますので、続報をお待ちください。
— ベニー松山 (@Benny0280) 2016年3月21日
新刊リリース予定のお知らせです。ベニー松山氏の名作ゲームノベライズ、小説ウィザードリィ『隣り合わせの灰と青春』4月11日発売予定です。また5月1日に『不死王』、5月中に『風よ。龍に届いているか』と三冊連続リリース予定。近日サイトも更新しますので、詳細情報はしばらくお待ちください。
— 幻想迷宮書店 (@gm_kouhou) 2016年3月21日
しかも、同じく『ウィザードリィ』シリーズを原作とする小説『不死王』(5月1日)と『風よ。龍に届いているか』(5月中)も続けて配信される予定とのこと。『風よ。龍に届いているか』も、オリジナル版・文庫版ともに定価を上回る価格で取り引きされているため、この電子化を喜ぶ人も多いことと思います。
いずれも、当時の評判はもちろん、今読んでも完成度の高さに目を見張る作品ばかり。まずは4月11日に配信される「隣り合わせの灰と青春」を楽しみにお待ちください。なおKindle版のイラストは高橋政輝氏が担当し、価格は600円です。