【hideのゲーム音楽伝道記】第38回:『ショベルナイト』― 懐かしいのに新しい!8bitサウンド全開のノリノリな音楽が冒険を盛り上げる

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【hideのゲーム音楽伝道記】第38回:『ショベルナイト』― 懐かしいのに新しい!8bitサウンド全開のノリノリな音楽が冒険を盛り上げる
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インサイドをご覧の皆さま、こんばんは。ゲーム音楽大好きライターのhideです。ゲーム音楽連載「hideのゲーム音楽伝道記」第38回目となる今回は、『ショベルナイト』をご紹介します。


『ショベルナイト』は、2014年6月26日にアメリカ・ロサンゼルスに所在するゲーム開発会社Yacht Club Games(ヨットクラブゲームズ)からリリースされた、レトロテイストの横スクロールアクションゲームです。2016年6月30日には、日本語版が任天堂からWiiUおよびニンテンドー3DSのダウンロードソフトとして発売されました。なお3DS版には、ショベルナイトのamiiboがセットになったパッケージ版も用意されています。


本作の主人公・ショベルナイトは、ショベルを使って戦う騎士です。ショベルで叩いて敵を攻撃したり、土を掘ってお宝を見つけ出したりといったショベルアクションと、ゴールドを消費して購入できる“レリック”という特殊武器を駆使して冒険します。


ショベルナイトの冒険の目的は、行方知れずになってしまった相棒のシールドナイトを探し出すこと。 そんな彼の前には、邪悪な魔女「エンチャントレス」や、彼女に従う「ボクメツ騎士団」が立ちはだかります。 多彩なボス達を倒しながら、ショベルナイトは冒険を進めてゆくのです。

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僕は本作の日本語版として先日発売された3DS版を、発売直後に購入してプレイしてみたのですが、これは傑作です!! かなり面白い!! 『ロックマン』や『悪魔城ドラキュラ』といったファミコンの名作たちをリスペクトしたステージで繰り広げられる、ショベルを使った独特のアクションが気持ちよく、楽しく遊べますよ。そして、音楽が本当によく出来ています! 本作の音楽を担当したのは、アメリカで活動するゲーム音楽作曲家のJake Kaufman(ジェイク・カウフマン)氏です。また、『ロックマン』1、2作目の音楽を手掛けたことなどで知られる松前真奈美氏も、ゲストコンポーザーとして2曲を提供しています。

昔、一部のファミコンソフトには、カートリッジの中に特別な音源チップを組み込んで、元の性能以上のサウンドを鳴らすというテクニックがありました。『ショベルナイト』の音楽は、そんなファミコンの拡張音源を彷彿とさせるような厚みのある音源による、アップテンポでノリノリなチップチューンサウンドが全編にわたって響き、冒険を大いに気持ちよく盛り上げてくれますよ!

ゲームを起動して最初に聞ける、タイトル画面の楽曲「Main Theme」を聴いた瞬間、僕はすぐに心を奪われちゃいました(笑)。アップテンポで駆け抜けるように奏でられるチップチューンの疾走感が非常に気持ちよく、「おおっ!かっこいい……!」と素直に思わせてくれるパワーがありましたね。


本作には十数個にのぼる多彩なステージが用意されているのですが、いずれのステージも印象的かつ耳に残るメロディで、ショベルナイトの冒険を盛り上げてくれます。そしてステージの最後にはボスとの戦いが待ち受けているわけなのですが、そこでは熱く燃え上がるようなアップテンポのバトル曲が流れ、戦いを大いに盛り上げてくれます。ちなみに、ボス戦の曲はいずれもそのステージ曲のアレンジになっており、その点もおもしろいなと思いますね。


ステージ中には隠し通路がたくさん隠されているので、それを探し出すのも楽しいです。
いたる所にたくさんのお宝が眠っていますから、見つけた時はうれしいですよ!

ステージ曲で僕がおすすめなのは、最初のステージ・平原の道で流れる「Strike the Earth! (Plains of Passage)」ですね。爽快感があってリズミカルなサウンドが、ショベルナイトの旅立ちを応援してくれるかのように響きます。また、ゲーム序盤で訪れるお城のステージ、プライドムーア城で流れる楽曲「In the Halls of the Usurper (Pridemoor Keep) 」もすばらしいです。勇壮でありながら、哀愁を帯びた旋律が素敵ですよ!あと、巨大な潜水艦・鉄のクジラ号のステージで流れる「A Thousand Leagues Below (Iron Whale)」もいいですね。この楽曲は松前氏が担当しているのですが、水中をイメージした浮遊感のあるサウンドが、聴いていてとても気持ちいいです。これら以外のどのステージでも、鼻歌で歌えてしまうほど印象深い音楽が流れますよ。

ステージをクリアした後には、ショベルナイトがキャンプで焚き火をするシーンが入るのですが、ここで流れる「The Starlit Wilds (Campfire Scene)」 という曲もいいですね。やさしく穏やかなサウンドが、じつに心休まるかのような響きで、ショベルナイトだけでなくプレイヤーをも癒してくれるかのようです。

さらにキャンプのシーンでは、時折「上から落ちてくるシールドナイトをショベルナイトが受け止める」という幻想的な演出が入るのですが、その時に流れる「The Requiem of Shield Knight」という曲もいいですね。こちらはキャンプシーンの音楽をより哀愁を帯びた形でアレンジした曲になっていて、シールドナイトに対するショベルナイトの想いが現れているかのようで、聴いているとグッときます……。


また、ゲーム中には村や砦といった人が集まる拠点がいくつかあり、そこでは装備品を購入してショベルナイトを強化させたり、食事をして体力の最大値をアップさせたり、ミニゲームを遊ぶこともできます。村では踊り子がダンスを披露してくれるのですが、その時に流れる「Watch Me Dance!」という曲が個人的に大好きですね。軽快なダンスにあわせて響く、明るくリズミカルなサウンドが耳にこびりつきますよ! また、踊り子がダンスしている最中には、周りの人が声援を送ったりして、とても細かい部分まで作られているのが素敵です。

そして、いくつもの困難を乗り越えてたどり着いたラスボス戦。詳細は伏せますが、この戦いにおける演出やストーリー展開、音楽はかなり熱くて、胸に沁み入るものがありました。また、エンディングで流れる、これまでの全ステージの楽曲をすべて繋げたアレンジメドレーも素晴らしかったですね。各ボス敵のその後の姿を交えて奏でられるこのメドレーを聴いていると、それまでの冒険の思い出が次々によみがえってきて、大きな達成感と満足感がじんわりと込み上げてきました。「そういえば、こういう演出って昔のゲームにはよくあったなぁ……」なんてしみじみ思いつつ。

……と、挙げていくとキリがないほど全体的に音楽が素晴らしいです! そうそう、ちなみに、各ステージの中にはいくつかの楽譜が隠されており、これを見つけて村の吟遊詩人に持っていくと、楽譜に応じた音楽をいつでも演奏してもらえるという仕掛けがあります。吟遊詩人がサウンドテストの役割をしているというわけですね。さらに、楽譜1枚につき500ゴールドの報酬をもらえるので、音楽を聴けてお金ももらえて一石二鳥ですよ!

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『ショベルナイト』の音楽は、作曲者Jake氏によるサウンドトラックのサイト(こちら)で全曲試聴できるので、気になる方はぜひ一度お聴きになってみてくださいね。ファミコン世代のゲーマーの方にはたまらないと思いますよ!(※なお、このサントラは、購入者が好きな価格をつけるというカンパ形式になっています)


PVもぜひご覧になってみてください。そして、音楽を聴いたり、PVをご覧になったりして『ショベルナイト』にご興味をお持ちになった方は、ぜひ遊んでみてほしいです。

本作は難易度が高めですが、理不尽さは無く、“ちょっと頑張れば乗り越えられるかも”と思わせてくれる絶妙な難易度で、ゲーマー魂を熱く燃え上がらせてくれるものがあります。こういう部分も、昔のファミコンゲームをオマージュしているのかもしれませんね。穴に落ちたり、トゲに当たったりして一撃死することも多々ありますが、ステージ中にはチェックポイントが用意されているので、死んでしまってもそこから何度でもリトライできますよ。(ちなみに、死んでしまうと、その場所に所持金を落としてしまいますが、リトライして前回死んだところまで進めば、落とした所持金を取り戻すこともできます!)

『ショベルナイト』には、ゲームへの愛があふれています。「この作品を作ったヨットクラブゲームズの皆さんは、本当に過去の名作ゲームたちをリスペクトしていて、そして心からゲームを愛しているんだな……」というのが、プレイしているとひしひしと伝わってきますよ。レトロテイストで作られた作品ではありますが、決して、過去作品をなぞっただけの単なる懐古的なものにはなっていません。新鮮な楽しさと面白さが詰まった、細部まで丁寧に作られた素晴らしい作品だと思います!

「昔、ファミコンの頃にはゲームをよくプレイしていたけど、最近は忙しくてプレイできてないなぁ……」という元ゲーマーの方にも、ぜひ触ってみてもらいたいです。眠っていたゲーマー魂が蘇るかもしれません。また、今の若い世代のゲーム好きな少年たちにも、ぜひ触ってみてもらいたいですね。昔のファミコンゲームをご存知ではないほうが、秀麗に描き込まれたドット絵や、ノリノリなピコピコサウンドを、むしろ新鮮な気持ちで楽しんでもらえるのではないかと思います。

『ショベルナイト』をプレイ中、何回も連続で穴に落ちたりしてしまうと、「だーっ!もういい!」と投げ出してしまうこともあるのですが、時間が経つとまたプレイしたくなる。そんな魅力にあふれているゲームです。今改めて考えてみると、本作のノリのいい音楽たちは、何度でもプレイしたくなる気力を沸き立たせてくれる、重要な要素だったように思います。本当に素敵な楽曲群だったので、僕はこの『ショベルナイト』1作で、Jake氏のファンになりました。また、松前氏についても『ロックマン』の音楽などで以前からファンだったのですが、本作の音楽を聴いて「さすが!」と感じてよりファンになりましたね。ご興味をお持ちの方はぜひ触れてみてください!

【筆者プロフィール】
 hide / 永芳 英敬

ゲーム音楽ライター&ブロガー。ゲーム音楽作曲家さんへのインタビュー記事、ゲーム音楽演奏会のレポート記事など、ゲーム音楽関係の記事を執筆しています。話題の『ポケモンGO』もプレイ中です。でも原稿が何件か重なってしまいなかなか外に出られず、ポケモン集めが進みません……。原稿が上がったらポケモン探しの旅に出るぞー!(笑)

[Twitter] @hide_gm [ブログ] Gamemusic Garden

(C)2016 Nintendo Shovel Knight is a trademark of Yacht Club Games.
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《hide/永芳英敬》

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