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『STEINS;GATE』を含む科学ADVシリーズでヒット作を放ち、より多くのユーザーにその名が知れ渡った志倉千代丸氏。MAGES.会長やドキドキグルーヴワークス取締役といった肩書や、作詞・作曲家、ゲームクリエイターの顔など、様々な一面を合わせ持っています。
その中のひとつには、科学ADVシリーズを生み出してきたクリエイター集団「チヨマルスタジオ」の社長という立場も。そして「チヨマルスタジオ」としての処女作『ANONYMOUS;CODE(アノニマス・コード)』が、PS4/PS Vitaソフトとしてこの冬登場します。
本作の扱いは、科学ADVシリーズでこそありませんが、科学とSFの境界線に位置づけるような設定や「トリガー」システムなど共通点が多く、それだけに同シリーズへ惹かれた方との親和性は高い傾向にあるでしょう。そのためか、本作は発表当時から高い注目を集めていました。
もちろん過去のシリーズだけが注目の理由ではなく、「セーブ&ロード」をゲームシステムの軸に置くというユニークな発想が気になった方も多いはず。一般的にはプレイを継続し、また立ち戻るための機能であるセーブ&ロードが、本作では物語そのものを動かす鍵となっています。
主人公・ポロンが持つ能力「セーブ&ロード」は、ある特定の時間・場所に発生したセーブポイントへ、自分自身をロードするというもの。セーブポイントまで、世界そのものを「巻き戻せる」能力とも言えるのです。
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……とはいえ、この説明だけではピンと来ない方もいるのではないでしょうか。情けない話ですが、筆者はそのひとり。この能力をどのように使い、そして何が起きるのか。今ひとつ理解できていないため、今回の東京ゲームショウにて行われた『アノニマス・コード』初試遊出展に飛びつき、プレイ体験を通してゲームシステムを理解しようと挑んでみました。
今回の試遊出展は、「TGS2016限定体験版」となっており、このイベントのために用意されたもの。この機会を逃すと味わえないかもしれないバージョンなので一石二鳥です。早速プレイを開始してみると、今回の主軸はハイジャック事件の解決。しかも旅客機は、地上からのハッキングにより制御不能という状態です。
この事件を解決すべくポロンたちは乗り出しますが、同じような面々が世界中からアクセスしており、旅客機へのアクセスすらもままならない状況。どうしたものかと静観していても、事態は加速度的に悪化するばかり。ポロンの顔見知りが独自のアプローチを行うものの失敗し、ひたすら最悪の結果に突き進むことに。
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このままではラチが開かないと思ったところ、画面左上にロードを促す表示が。何の気なしにロードを選ぶと、なんとポロン自身がセーブデータを選択。そしてセーブポイントの時間まで世界は巻き戻り、しかしポロンは先程とは違う行動を起こし始めます。どうやら彼は、巻き戻る前の記憶を持ったまま、過去の時間に戻ったようです。
記憶があれば、同じ事態に直面しても、より賢い対応ができる。それを積み重ねることで困難を打破できる能力なんだと、この時ようやく理解出来ました。記憶を継続出来るのなら、この能力の有用性はよく分かります。
この能力を駆使することで事態が好転していくので、TGSで本作を遊ぶ方は、ロードをうまく使いこなしてみてください。なお、ロードはやればやるほどいい……というわけではなく、状況によってはロードしない方がいい場合もあるとのこと。さらに、プレイヤーがロード画面を開けば必ず発動するわけではなく、ポロンが選択しないケースもあります。製品版を遊ぶ時には、この辺りの判断もポイントになりそうです。
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「セーブ&ロード」の有用性は今回の試遊でよく分かりましたが、この能力を使うことで本編の物語がどのように流転していくのか、今度はそちらが気になって仕方がありません。未来の出来事には「セーブ&ロード」では手が出せそうにないので、新発表を大人しく待つばかりです。
『ANONYMOUS;CODE』は今冬発売予定。価格は未定です。
(C)MAGES./5pb./Chiyo St.inc