eスポーツの明日のために…【Re:エンタメ創世記】

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eスポーツの明日のために…【Re:エンタメ創世記】
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「黒川塾」というエンタテインメントをテーマにした勉強会を開催して6月で5年目に入る。過去を遡れば「黒川塾(七)」(開催日2013年3月15日)にて「僕らのゲーム業界ってなんだ・・・!?」というテーマで、家庭用ゲーム、オンラインゲーム、業務用ゲームの拡がりのなかでeスポーツの可能性に関して有識者からお話を伺うことができた。

黒川塾(七) 登壇ゲストはアメリカザリガニ 平井氏、松原氏、橋本氏、そして筧氏

そして、今年に入ってから「黒川塾(四十四)」(開催日2017年1月13日)では「eスポーツとプロゲーマーの明日はどっちだ!?」というテーマで、現在のeスポーツ・シーンの盛り上がりや、その過程における課題、なかでも賞金制大会の運営の可能性と日本におけるブームアップの現状を、日本eスポーツ協会事務局長の筧誠一郎氏に登壇いただきお話を伺った。

筧氏は先に挙げた「黒川塾(七)」にもゲストとして、eスポーツの実態と今後の可能性を語っていただいており、一貫してブレないその姿勢や、eスポーツ・ビジネスへの可能性を追求する情熱には頭が下がる思いである。

ちなみに、2013年3月15日の「黒川塾(七)」開催時には、日本eスポーツ協会は設立されていない。設立は2年後の、2015年4月1日なので、おそらく設立にむけて、早期から関係各所が努力を重ねていたに違いない。開催の主旨は、eスポーツを振興させ、国内の競技力の向上や普及を目的として、中長期的な目標としては日本オリンピック委員会、国際オリンピック委員会への加盟を目指しているという。

黒川塾四十四にて発表する筧氏

つまりオリンピック種目への登録が悲願と言ってもいいだろう。

しかし、現在のeスポーツには課題もある。ひとつは、プレイヤーの参加人口を増やし、ブームを盛り上げるためには更なる認知促進が必要という点だ。この点に関しては、賞金制の大会、できれば、それも優勝者には高額が授与されるものが望ましく、その大会規模や高額な賞金そのものが「広報価値」を生むものとなる。つまり、ショボい規模の大会や賞品では認知促進も立ち行かないという現実的な課題がある。


そして、それらのeスポーツの大会開催や賞金への課題にスポットを当てたトークセッションが、2月20日に開催された「黒川塾(四十六)」である。

テーマは 「景表法、カジノビジネスのエンタメ的考察」でゲストはカジノ研究家の木曾崇氏と、投資家のやまもといちろう氏だった。当日は満席に近く、テーマへの関心の高さをうかがわせた。

木曾氏に依れば「eスポーツの大会開催には風営法、景表法、刑法の賭博罪という3つの法律のレイヤーの議論が必要で、それらの、どこを目標とするのかきちんと整理しないまま、規制緩和やeスポーツの法案の検討を唱えてもうまくいない」と言った。ただし、「海外のような高額賞金をかけたeスポーツの大会を日本で開催するためには、公営競技化以外だと、ゴルフの大会のように参加者および当該イベントと完全に利害関係のない第三者が、スポンサーとして賞金を提供する形であれば問題はないだろう」と指摘する。

個人的にはビデオゲームやエンタテインメントの新しい可能性を大きく秘めたeスポーツに取り組んでいる方々には、そのアクションをさらに促進していただきたいと思う。やや強引かもしれないが、今まさに成長過程にある「eスポーツの明日のために…」ということを考えてみた。

漫画「あしたのジョー」には「あしたのために」というメニューがある。ジョーのチャンピオンへの道筋のメニューは、その1は「ジャブ」から始まり「右ストレート」「クロスカウンター」「手首のスナップ強化」「フットワーク」「ディフェンス」そして最後の七つ目は「孤独との戦い」となっている。

私が思う、eスポーツのあしたのためには以下の通りだ……

■その1 景表法改正
 攻撃の突破口を開くためにはまずは消費庁の胸元(内角を狙い)に打つべし 実現難易度は高い
■その2 風営法改正
 アーケード店舗、ゲームカフェなどの店舗での開催やブームを実現すべく、体制を崩し突破口を見いだせ 同じく改正実現難易度は高い
■その3 刑法賭博罪の改定
 肉を切らせて骨を断つ、相打ちの必殺パンチではマズいが、まずは法律のなかでできることを最大限に打つべし
■その4 健全な大会運営
 参加者とその結果は重要だが、観客あってのスポーツ競技だ。健全かつエンタテインメント性があふれる大会運営を
■その5 eスポーツ参加者側のモラルアップ
 参加者側のスキル不足や不正を根絶することもフェアな精神のうえでは欠かせない
■その6 認知促進
 防御は最大の攻撃である。常日頃からeスポーツ活動の認知促進に注力しさらなる防御と攻撃を
■その7 孤独との戦い
 最後はどのスポーツでも共通だが、認められるまでは孤独な戦いである。団体、スポンサー、プロゲーマーは最後まであきらめずに立ち向かってほしい

が、今、私が考える「あしたのために 7か条」である。

そんなことをコラムとして書いていた矢先以下のようなニュースを見つけた。

「株式会社サイバーエージェントの連結子会社である株式会社CyberZは、エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ株式会社(以下、ALC社)と、2017年3月より当社が運営するe-Sportsイベント「RAGE(レイジ)」において協業を開始することをお知らせいたします。」

マーチャンダイジングや楽曲面でのタイアップが目的と思われるが、方向性はどうあれ、このようなジャンルを横断した動きが活性化していることはeスポーツにとってはよい兆候であると思う。

最後になるが、eスポーツのチーム運営や、彼らが現在のeスポーツ・シーンに対しての思いは別の機械に改めて取材をしたい。もしくは「黒川塾」にてトークセッションを開催したいと思う。

新しいエンタテインメントの未来の可能性を秘めた日本のeスポーツに関わるすべての人に改めて応援のエールを贈りたい。

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■著者紹介
著者:黒川文雄(くろかわふみお)
プロフィール: 1960年、東京都生まれ。音楽ビジネス、ギャガにて映画・映像ビジネス、セガ、デジキューブ、コナミDE、にてゲームソフトビジネス、デックス、NHN Japanにてオンラインゲームコンテンツ、そしてブシロードにてカードゲームビジネスなどエンタテインメントビジネスとコンテンツの表と裏を知りつくすメディアコンテンツ研究家。コラム執筆家。アドバイザー・顧問。黒川メディアコンテンツ研究所・所長。コンテンツとエンタテインメントを研究する黒川塾を主宰。『ANA747 FOREVER』『ATARI GAME OVER』(映像作品)『アルテイル』『円環のパンデミカ』他コンテンツプロデュース作多数。

《黒川文雄》

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