【プレイ日記】煮つけの味はひと味ちがう・第1回

俺の名は煮つけ。どうも俺たちコイキングは、世界で一番弱いポケモンと言われてるらしく、「頼りない」「情けない」と罵倒されているのだが、強い弱いの世界で生きているつもりがない俺としては、正直どちらでもよい。

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俺の名は煮つけ。どうも俺たちコイキングは、世界で一番弱いポケモンと言われてるらしく、「頼りない」「情けない」と罵倒されているのだが、強い弱いの世界で生きているつもりがない俺としては、正直どちらでもよい。

「はねる」のは好きだ。俺の地元「ホップタウン」では、はねる力を競うリーグがあって、一番認められているコイキングは、一番高くはねるヤツ。ただ最近は、このはねるリーグ(俺はひとり、はねリーと呼んでる)が盛り下がっている。様々なリーグが存在し、(はねる力が)強力なコイキングは君臨している。ただ、ここに挑む人が少なくなっていると聞く。

「俺もいつかははねリーに…!」と意気込んでいるのだが、如何せん出場条件が整わない。ブリーダーがいないのだ。ブリーダーなくして大会には出場できない、といった規定が定められているようで、ブリーダーに釣り上げてもらわないと難しい。

ブリーダーは来ることは来る。たまに釣り堀に現れては、ボロい釣竿を振っている。そして、仲間のコイキングが釣り上げられている。だが、すぐに戻ってくるやつもいる。「なんで戻ってくるんだろう…?」初めはそういった疑問を抱いていたが、徐々に理由が掴めてきた。俺の家の近所には、名家「ゴールデン・コイキング」なる家系のやつらがいる(ゴルコイ族と呼んでいる)。

ゴルコイ族は、全体の魚口の数パーセントしかいないため、ブリーダーにとっては希少価値が高い。珍しいこのゴルコイ族を釣り上げるため、ブリーダーは他の柄のコイキングにはあまり興味を持っていない。

俺、煮つけは、ちょっと柄が入ってる。「いしきコイ」とかブリーダーが言ってるのを、海面で聞いたことがある。「いしきコイ」…色恋沙汰での祈願的なものに使われそうだな、と危惧していた。魚を祀る。獺祭魚ではない俺たちコイキングとしては、迷惑千万、お断りしたいものである。そんな俺たち「いしきコイ」族も、比較的希少性は高いらしいが、ゴルコイ族ほどではない。

今日もブリーダーが来てた。「いっちょ釣り上げてもらいてえなあ」なんて浮きモンスターボールに寄っていくも、大量のコイキングが群がり、なかなか浮きモンスターボールにありつけない。集まったコイキングたちのやや後方に場所を取りつつ眺めていたが、ブリーダーは、釣り上げては放り投げ、釣り上げては放り投げ、を繰り返しているようだ。

「選別が始まったか」そんな感じで眺めているが、残念ながらこのブリーダーに言いたい。

今日はゴルコイ族は来てません。

俺たち「いしきコイ」が少しと、あとは一般コイキングだけだ(パンコイと呼んでる)。パンコイを2匹ほど、いしきコイを2匹ほど釣り上げ&放り投げを繰り返したのち、水の上でブリーダーが「もうダイヤ50個ねーよ!」と、ボロい釣竿をひと振りした。その時、奇しくも俺の頭上に浮きモンスターボールが!派手に頭をぶつけたが、気づいた時には水上に上がり、ブリーダーの手の中にいた。

「...まあにしきコイでもいいか。」

ブリーダーが捕まえてくれた!と喜んだのは2秒ほど。あとは、自分の家系の名前が微妙に違ったことと、予想以上に仕方がなく捕まえられた感覚が伝わってきたことのショックで、打ちひしがれていた。

・・・つづく


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《煮つけ》

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