魅力的なヒロインと素敵なひとときを過ごせるPS4のPSVR専用ソフト『サマーレッスン』。その第二弾にあたる「アリソン・スノウ」が配信されました。アリソン編は前作にあたる「宮本ひかり」と比べてどんな違いがあったのか、両作品を遊んだ上でのプレイフィールをお伝えしていこうと思います。
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本作のヒロインとなるのは、マネージャーに内緒で日本にやってきたアメリカ出身のシンガーソングライター、アリソン・スノウ。1週間後に行われる、日本に関するテストで合格点を取らないとアメリカに帰されてしまうことになったアリソンは、日本文化を学ぶためプレイヤーに家庭教師を依頼するというのが、ストーリーの大筋です。「最適なレッスン内容を指示してヒロインのパラメータを上げる」という基本ルールは前作のひかり編と同様ですが、アリソン編をプレイすると前作とはまた違った感覚を筆者は感じました。
前作の主人公、ひかりちゃんはとても明るく天真爛漫な性格で、プレイヤーに対しても自分からグイグイ近づいて来てくれるような、そんな印象が強かったように思います。ゲーム内で彼女は「プレイヤーの後ろに回って携帯の写真を見せる」、「前後に身体を伸ばしてストレッチする」など、プレイヤーが思わずドキッとしてしまいそうな動きを多く見せてくれますが、これは前作の『サマーレッスン』がPSVRのローンチソフトだったこともあり、「VRコンテンツを初めて遊ぶ人に対して、VRならではの感動を伝える」という役割も担っていたからでしょう。
実際、筆者は(少なくとも筆者にとっては)非日常空間である「女の子の部屋」で繰り広げられるVR体験に相当ドキドキさせられました。ひかりちゃんのサービスっぷりに、同じ思いを抱いた方も多かったのではないでしょうか。
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しかし今回のアリソン編は、舞台は波の音が聞こえる日本家屋の縁側という落ち着いた空間ですし、ヒロインのアリソンもひかりちゃんほど積極的に主人公へ近づいてきません。筆者がその違いを1番強く感じたのは、アリソンと初めて出会う1日目のイベントでした。彼女は近すぎず遠すぎない距離でプレイヤーと初対面の挨拶を交わし、半開きの手で「bye」と手を振ります。その出会いには前作のように、プレイヤーの心拍数がグンと上がるようなインパクトはありませんが、その分VRと言えど、より現実世界に近い、自然な安心感がありました。
だからと言って、決してアリソンの魅力が薄いとかそんなことはありません。アリソンが習字に挑戦する時の真剣な横顔や、少し気が緩んで大きく首を回す仕草、こちらの呼びかけに応じてゆっくりプレイヤーとの距離を詰めて座り直す時の表情など、本作もプレイヤーをドキドキさせてくれる瞬間に満ちあふれています。ただそのドキドキの種類や性質は、ひかりちゃんの時に味わったそれとはまた違ったモノであることは間違いなく、きっとこのポイントにこそ、本作のテーマである「癒しの世界」の秘密が隠されているのでしょう。
そんなアリソンも、プレイヤーとの1週間のレッスンによってどんどん関係性が変化してきます。本稿ではエンディングの結末について触れませんが、筆者がSランクにてエンディングを迎えた時は、ゴーグル内の映像が突如ボヤけるという謎の現象が……。すみません、実はけっこうウルウルきました。
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前述した通り、アリソン編の舞台となるのは広い日本家屋の縁側。空はどこまでも青く、庭には背の高いヒマワリが咲き並び、イヤホンからは静かな波の音が絶えず流れてくるという、とてものどかな場所です。
そんなアリソン編で、より良質な「癒し」を感じるために用意しておきたいのが”風”です。様々なVR体感施設が風を有効に使って体験者の臨場感を高めていますが、その効果は本作でも絶大。ちょっと大げさに感じられるかもしれませんが、風が有ると無いとでは、アリソン編の癒され度が大きく変わってくるとさえ、筆者は感じました。
画面に合わせてウチワを仰いでくれるようなパートナーがいれば良いのですが、それが難しいのであれば、首振り機能のある一般的な扇風機を置いてプレイしてみてはどうでしょうか。もちろん、風量は控えめに。ゲーム内のふとした瞬間に心地よい風が当たると、本当に自分がゲームの世界に入り込んだかのような、高い没入感が得られるかと思います。
ひかり編とはまた違った夏が体験できる『サマーレッスン:アリソン・スノウ』。ゲーム内で聴けるテーマソング「Here I Am」もずっと聴いていたくなるほど癒しに満ちている名曲なので、ぜひ多くの人にプレイしてもらいたい1本です。