
これまで多彩な特徴を紹介しましたが、個人的に感じた一番のポイントは、「自由度の高さ」でした。「竜王を倒す」という目的こそあれ、その過程は自由度が高く、どこで何をするのもほとんど制限がありません。
「あの橋を渡るためにはこのイベントをこなす」や「向こうの町に続く洞窟には中ボスがいて、倒さないと先に進めない」といった障害はなく、せいぜい「あるアイテムを手に入れるためには別のアイテムが必要」というものが何段階かある程度。ある町に入るために戦う必要はあるものの、アイテムを使って楽に倒すもよし、力押しで片づけるもまたよしです。

クリアするためのアイテムを入手する順番も自由。捕らわれたお姫様を助けるかどうかも自由。助けてから宿屋に直行すれば、有名な台詞「ゆうべは おたのしみでしたね」も飛び出します。そのまま城に戻らず、姫を抱えたまま竜王を倒すことも可能。そのシーンを想像したら、かなりロマン溢れる光景になりそうです。
また、竜王の甘言に乗ってしまうバッドエンドがある点も見逃せません。「世界の半分をやる」という提案は、世界を救う勇者としては全く同意できるものではありませんが、同時に「これを選んだらどうなるんだろう」という好奇心を激しく刺激します。クリア寸前に飛び出すこの二択は、没頭して楽しんでいる方ほど、悩ましい選択となって立ちはだかりました。
しかも、提案を了承すると迎えてしまうバッドエンドは、30年近い時を経て、『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』の物語へと繋がります。30年前の顛末が、新たな世界へと繋がる。この壮大なスケール感も、長年愛され続けた『ドラクエ』シリーズならではです。『ドラゴンクエストビルダーズ』もドラクエらしさに溢れた良作なので、興味が湧いた方にはプレイをお勧めします。

ここまで紹介したもの以外にも、当時の時代や一作目ならではの要素が数多く盛り込まれている初代『ドラゴンクエスト』。最新作『XI』を遊びながら、初代の特徴を時折思い出し、その進化ぶりや変わらない魅力などを実感してみてはいかがでしょうか。