【特集】今さら聞けない“アーサー王と円卓の騎士”―『FGO』『FF』などに影響を与えた物語

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【特集】今さら聞けない“アーサー王と円卓の騎士”―『FGO』『FF』などに影響を与えた物語
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ゲームやマンガ、アニメなどでよく名前を目にする「アーサー王」や「円卓の騎士」。2017年には映画「キング・アーサー」、「トランスフォーマー/最後の騎士王」が公開されたりと、幅広いジャンルで度々話題になっています。しかし名前は知っていても、詳しくは知らなかったり……日本でもそこまで馴染のあるという物語ではありません。そこで今回は知らない人のために、「アーサー王伝説」の基本のキをご紹介します。

※多くの作品がありますが、トマス・マロリー著「アーサー王の死」の物語を中心とした紹介になっています。
※名前の表記が作品によって違うため、一部を円卓の騎士が多く登場し現在進行形で展開している『Fate/Grand Order』に合わせています。

「アーサー王伝説」をモチーフにした作品はいくつかありますが、特に人物や武器の名前は色々な作品で登場します。ゲームでは『Fate』シリーズや『モンスターストライク』や『ディバインゲート』などの偉人が多く出る作品、他には『ファイナルファンタジー7』の召喚マテリアで登場。「SDガンダム」シリーズにも円卓の騎士というタイトルがあったり、「コードギアス」シリーズでは地名や武器名などに使われています。

そんなアーサー王はどう誕生し、どういう物語が描かれているのか?説明していきましょう。

◆アーサー王の伝説はどこからやってきたのか?


まずこの物語は、史実ではなく創作された話です。諸説ありますが、6世紀あたりのブリテン島(イギリス)の伝説が元になったと言われています。そして何百年に渡り、様々な伝承や創作が加わりながら書かれ続けました。もちろん当時は著作権や二次創作といった概念がありませんから、各々が「俺の考えたかっこいいアーサー王」「自分の思いついた騎士たちの胸躍る冒険譚」「ブリテンのマジヤバい伝説」を好きに創り発表していきます。そして舞台であるイギリスに留まらず、アーサー王の物語はヨーロッパ全土にわたって広がっていきました。

その中で一番有名なのがトマス・マロリーの「アーサー王の死」。タイトルからネタバレ全開な本作は、1470年に発表されました。内容は何世紀に渡って創られてきたアーサー王や騎士たちの伝説を一つのストーリーとしてまとめたもの。とはいえ、それまでに書かれた伝説の数は膨大で、全てが入っているわけではありません。知り尽くすのは楽しいですが、とても大変です!
小説では、他にもローズマリ・サトクリフの「アーサー王と円卓の騎士」や、騎士をメインとしたブルフィンチの「中世騎士物語」などもおススメとして挙げられることが多いです。さらに「指輪物語」で知られるJ.R.R.トールキンの「サー・ガウェインと緑の騎士」、『三國志』や『信長の野望』のプロデューサー、シブサワ・コウ氏による「歴史人物笑史 爆笑アーサー王伝説」などもあります。用語や人物について知りたい方には、2017年に発売したばかりの「萌える!アーサー王と円卓の騎士事典」が個人的におすすめです。

そして何百年もの時が経ち、現代でもアーサー王と円卓の騎士たちは映画やゲームなどで大活躍。もちろんそれぞれがアーサー王の伝説を元にしたものですが、その物語の内容や結末は時代と共に変わっていっています。要するに、今でなおアーサー王の物語は進化し続けているのです。

◆そもそもどんな話?


基本的にはアーサー王、その王を支える円卓の騎士たちが中心の物語です。激しい戦いや冒険、ロマンスなど色々な要素がありますが、おおまかな流れを説明します。

(1)アーサーが石に刺された「選定の剣」を抜き、王になる
(2)王としてブリテンを統一
(3)ギネヴィアとの結婚や円卓の騎士結成、様々な冒険譚やロマンスが誕生
(4)王妃と騎士ランスロットの不倫によって円卓が崩壊しはじめる
(5)アーサー王の留守中に息子のモードレッドが離反
(6)カムランの丘でモードレッドを討ち、アーサー王が自分の死を悟る
(7)エクスカリバーを湖に返し、アーサー王はアヴァロンへ旅立った


この中からいくつかエピソードをピックアップしてご紹介しましょう。
その前に物語の中心人物であるアーサーについて。アーサーはブリテン王ウーサーの隠し子でした。本人はそのことを知らず、魔術師マーリン、そしてその部下であるエクター卿に預けられて育ちます。成長後、「この剣は王に選ばれし者しか抜けない」という剣を抜き、王へ就任。上記で言う(1)ですね。物語の中で一番有名なシーンではないでしょうか?この剣はゲームでもよく登場する「エクスカリバー」というのが通説ですが、別の剣という物語も多数あります。色々な武器が登場するのもアーサー王伝説の特徴でしょう。

そして(3)。ブリテン統一後、アーサーとギネヴィアの結婚や聖杯探索などの冒険などが展開されていきます。ここがある意味物語の花といっても良く、独立して一つの話になっている事もしばしば。
結婚の話ですが、アーサーはその前に、モルガンを異父姉と知らず、子供をつくっています。その子供が後に自分を追いつめることになるモードレッド。アーサー王自身が隠し子であるところから既にアカン感じですが、この後もこのアカン感じは加速して止まりません。
ギネヴィアとの結婚は、後に起こることを予感していたマーリンに反対されていました。アーサーはその反対を押し切って結婚したのですが、結果、彼女とランスロットの不倫関係がブリテンの崩壊に繋がります。

ランスロットと言えば、円卓の騎士の中でも有名な一人。ということで“円卓”と“騎士”について説明します。まずは円卓、これは普通の四角い机では場所によって差がついてしまうことから、丸にして座る位置を関係なくし、全員が平等であることを象徴した物でした。席数は作品によって違います。
続いては“騎士”という職業について。物語が書かれていた当時も騎士は存在していました。そうした時代背景もあり、アーサー王の物語では人々の「理想の騎士」が書かれています。それは戦いにおける強さだったり、名誉や忠義だったり。日本における“武士”への憧れに似ているかもしれません。女性とのロマンスについてもそうでしょうが、正直スキャンダルが多すぎて、昔の人もこういうの好きだったんだなと思う事が多々……。

ランスロットに話を戻しましょう。彼はフランスからやってきた騎士で、「完璧な騎士」「理想の体現」と作中ではかっこよく描かれることも多く、大いに活躍します。王からの信頼も厚かったのですが、やはり不倫はいけません。ギネヴィアとの不倫関係を暴かれ、不貞の罪で彼女が処刑されることに。助けに駆け付けたランスロットは、かつて仲間であった円卓の騎士たちを殺し、王妃と逃亡。なんてドロドロな展開でしょう……。

そしてアーサー王はランスロットの討伐へ向かいますが、その間に不満を持っていた不義の息子・モードレッドが反乱を起こしました。戻るものの、慕ってくれていた円卓の騎士たちが次々に倒れていきます。激しい戦いの末、アーサー王はカムランの丘でモードレッドを討ちますが、モードレッドも父親へ渾身の一撃。それによって致命傷を負ったアーサー王は自分の死を悟り、愛剣エクスカリバーを湖に返還することを騎士ベディヴィエールに頼みます。何故返すかというと、ここで登場するエクスカリバーは湖の乙女からもらったもの。ベディヴィエールは二度返したと嘘をつき、三度目でようやく返します。そして現れた湖の乙女たちにアーサー王は連れられ、傷を癒すために伝説の島・アヴァロンへ旅立ちました。今でもアーサー王はアヴァロンにおり、危機がやってきた時に救いにくるということが、言い伝えとして残っています。

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《タカロク》

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