『FGO』第2部の前にストーリーを振り返る~第七特異点バビロンの巻~【特集】

iOS/Androidアプリ『Fate/Grand Order』第1部を振り返る短期連載も残りわずか。本日はコミケ2日目ですね。第8回目の今回は「第七特異点 絶対魔獣戦線 バビロニア」を振り返ります。第1部の中でもボリュームがすごく、読み返すのに7~8時間ほどかかりました。

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『FGO』第2部の前にストーリーを振り返る~第七特異点バビロンの巻~【特集】
『FGO』第2部の前にストーリーを振り返る~第七特異点バビロンの巻~【特集】 全 9 枚 拡大写真

iOS/Androidアプリ『Fate/Grand Order』第1部を振り返る短期連載も残りわずか。本日はコミケ2日目ですね。第8回目の今回は「第七特異点 絶対魔獣戦線 バビロニア」を振り返ります。第1部の中でもボリュームがすごく、読み返すのに7~8時間ほどかかりました。

※『Fate/Grand Order』のネタバレにご注意ください。
※ 書かれているのはあくまでも一個人の推察と解釈です。

◆ストーリーを振り返ろう



この特異点は紀元前のバビロニア。ソロモンが自身の時代より唯一過去につくった特異点でもあります。しょっぱなからイシュタルとギャルゲーのような出会い方をし、仲間だと思ったエルキドゥが敵だったり、怪しげな魔術師マーリンが登場したりと目まぐるしく状況は変化していきました。そしてウルクに行ってギルガメッシュに会い、そのまま仕事をすることに。そこに住む人々の為に働くうちに認められ、ウルクの郊外へ調査に向かえることに。そして特異点の原因と思われた三女神同盟のケツァルコアトルの協力を得て、ティアマトもといゴルゴーンを討伐。しかしそれが本来のティアマト神を復活させることに繋がり、海は泥に、人はラフムへと変貌を遂げます。近づいてくる終焉に立ち向かうべく、ティアマト神を冥界に落とすという作戦を実行するのでした。

とにかくスケールが大きく、終盤は聖杯の存在を忘れるぐらいでした。敵キャラもかなり増え、ラフムのビジュアルを深夜に見た時は眠れなくなり……この気持ち悪い感じは、セイレムの敵ビジュアルの造形にもつながっているような気がします。ストーリーとしては、ウルクが滅びることを知りながら懸命に生きる人達が印象的でした。それを主人公たちだけが知らなかったというのは、胸にくるものがありましたね。

サーヴァントはイシュタル、ケツァルコアトル、エレシュキガルと神様の大盤振る舞い。そしてギルガメッシュがマーリン、レオニダス一世、牛若丸、弁慶、巴御前、茨木童子、天草四郎、風魔小太郎を召喚していたことも書かれていました。なぜ日本勢が多いのだろうと思ったのですが、マーリンがギルガメッシュに聖杯戦争を語ったと話しているので、この世界での聖杯戦争の起源が冬木だからかなと推察。ただ、『Fate/stay night』のマテリアルで聖杯戦争に海外のサーヴァントが多い理由が「聖杯の概念が西洋のものだから」と書いていますので……やっぱり謎です。


『Fate/stay night』からは疑似サーヴァントで、明確に名前は出ていませんが遠坂凛、藤村大河。そしてギルガメッシュが登場するという、ある意味同窓会のような状況でした。6章のルシュド君に続き、門番さんやシドゥリなど、そこで生活をしていた人物たちの描かれ方も素敵でしたね。登場サーヴァントも含め、奈須きのこさんだからこそ書けたストーリーだったのかなと思います。

◆英雄王ではなく賢王ギルガメッシュ



まさかのキャスターで登場したギルガメッシュ。千里眼持ちで、未来を見ることのできる人物でした。『Fate/stay night』では強大な敵として、『Fate/EXTRA CCC』ではマスターとサーヴァントとして描かれてきましたが、『FGO』ではとうとう一人間に。人間というか超人ですが、過労死するほど働きづめな姿にイメージが変わった人も多いのではないでしょうか。作中で他のクラスもいけるような雰囲気でしたが、「ランサーだけは話が別」とのことで、気になります。

イシュタルとの関係も興味深いものでした。『Fate/EXTRA CCC』では遠坂凛をイシュタルの転生体と言ったりフラグはあったのですが、本当にそうなるとは思いもしませんでしたね……さらにギルガメッシュと遠坂凛は『Fate/stay night』の用語辞典で相性が「最高にいい」とも言われています。エルキドゥの件で憎き仇であろうイシュタルが降りた先が遠坂凛だからこそ、ギルガメッシュもあのように接する事ができたのかもしれません。また、マイルームのボイスでも『Fate/zero』を匂わす台詞があります。

そしてエルキドゥとの関係性も見えた7章。実際にはキングゥだったわけですが、この二人の関係も非常に良かったですね。シドゥリさんやウルク兵たち、マスターとのやりとりで、ギルガメッシュがより魅力的な人物であることが分かりました。終盤の特殊セリフもかっこいい。あ、ギルガメッシュが好きな方はぜひ『Fate/EXTRA CCC』もやってみてくださいね!

◆疑似サーヴァント


疑似サーヴァントという話が明確に出てきたのもこの章。二章のセプテムでも諸葛孔明が出ましたが、詳細が明かされていませんでした。イシュタルの話によると、神霊は存在規模が違うため、人間の使い魔にはなれないとのこと。なので、魔術回路や質、そして魂のカタチの相性の良い人間に乗り移り顕現。方法としては、別の時代で相性のいい魔術師の女の子を見つけ、イシュタルを降ろす。そして疑似サーヴァントとなったイシュタルをウルクに召喚。これはウルクが特異点になり、他の時代と接触できるようになったことで可能になった方法だと思われます。


ちなみに神代が終わった後の神霊は、人間たちとは違う世界に移住しています。タイプムーン作品で「世界の裏側」と呼ばれていて、いわゆる今ではありえないような妖精とか竜とか幻想種などがそちら側で暮らしています。神代とか神霊についてはダ・ヴィンチちゃんのサークル設置時ミニ教室で詳しく書かれています。ちなみにこの教室で「ブリテン島にも関わりのある話だから、いつかテーマになる時も来るだろう」と言っており、地味にブリテン系ストーリーのフラグが立っています。

話を戻すと、乗り移っている人間をイシュタルは「殺していない」、その人間の意識が表面に出る事もないと言いました。人間の人格は寝ておらず、二人の意識は溶け合っている。神霊イシュタルの方が霊子が多いので意識が7:3の割合になり、メインのパーソナリティはイシュタルだと。書いていながらよく分からないのですが、「私はどうあっても私」「そういう風に考えられる人間にしか憑依できない」という言葉が全てだと思います。ただ、「最終的にどんな人間として終わるか。それが私と似通っている人間なら私と規格が合う」という言葉がどういう意味なのか……『FGO』世界の遠坂凛は一体どうなってるのでしょうか。

◆人類悪、ビースト、ティアマト


この特異点で初めてビースト「七つの人類悪」が登場しました。今の所ビーストはティアマトとゲーティア、プライミッツ・マーダー、殺生院キアラの4人ですね。ということはあと3体はいると思われますが、キアラは「ビーストIII/R」という名前の通り片割れなので、もう片方もいる可能性があります。

ビーストについては「グランドクラス七騎を以てでしか対抗できない、人理を食らう抑止の獣」「七つの人類悪」「原罪の獣」「人類の汚点、人類を滅ぼす様々な災害」「人類史に留まる淀み」「人類が滅ぼす悪」「英霊召喚の元になった、人類の自滅機構と安全装置」と色々なワードが並びました。7章で登場したティアマトは、創世の神、原子世界の神体ととてつもない表現。マテリアルにもある通り裏側の世界、「虚数世界」に追放された母胎。この「裏側の世界」は生命のない虚数空間だそうなので、上記で書いている「世界の裏側」とは違うようです。


ロマニの仮説で「すべての生命の母なので、生きている生命がある限り存在が証明され、滅びることがない」と言われました。そこでキングハサンが冠位を捨て、死の概念を与えたことで倒す事ができるように。キングハサンが冠位を捨てた理由についてはカルデアエースに記載があり、カルデアに個人的に肩入れするなら人類全体を救うための“冠位”を捨てなければならない、とのこと。ただこれって、こんなにも絶体絶命で人理崩壊寸前なのに、カルデアを救う事が人類全体を救う事にならないとも取れるんですよね……“個人的”というのがポイントなのかもしれませんが。

ビーストについては「七つ」という具体的な数も出ているので、おそらく2部でも引き続き描かれるのだろうと予想されます。あと、アーサー・ペンドラゴンの体験クエストでも「Lの瘴気、Rの残り香」と書かれているので、おそらくビースト関連ではないかなと。どんな恐ろしい巨大な敵が現れるのでしょうか……楽しみです。

◆まとめ


1部最後の冒険にふさわしい、密度の濃い物語でした。弁慶や牛若丸、レオニダス、アナと愛おしいサーヴァントもいっぱい。ケツァルコアトルさんがかわいすぎるのでそこも本当に語りたかったのですが、みなさんも思っている事だろうと思いますので割愛します。改めて読み終わると「ぷはー!」と息をつきたくなるスペクタクルなストーリーでした。

ということで次回は最終回!「終局特異点 冠位時間神殿 ■■■■」を振り返ります。冬木の聖杯戦争やプライミッツ・マーダーのことも書く予定ですので、ボリュームが大変なことになりそうな予感。お楽しみに!




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©TYPE-MOON / FGO PROJECT

《タカロク》

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