PS2を分解して知るモノの仕組み―「プレイステーション分解ワークショップ」レポート

3月18日、お台場にあるソニーの体験型科学館「ソニー・エクスプローラサイエンス」内にて、「プレイステーション分解ワークショップ ~モノのしくみをしろう~」が実施されました。

ソニー PS4
PS2を分解して知るモノの仕組み―「プレイステーション分解ワークショップ」レポート
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3月18日、お台場にあるソニーの体験型科学館「ソニー・エクスプローラサイエンス」内にて、「プレイステーション分解ワークショップ ~モノのしくみをしろう~」が実施されました。

小学3年生~中学3年生向けの本ワークショップは、「分解博士」として参加するソニーグループのエンジニアが指導する中、作動可能な「PlayStation 2(以下、PS2)」を、子どもたちが自らの手で分解し、そのしくみや工具の正しい使い方を学ぶというもの。


ワークショップには約20名の親子が参加。今回分解するのは、2007年11月に発売されたスリムタイプのPS2(SCPH-90000)。全て新品です。うらやましい…分解せずに持って帰りたいくらいです。ちなみに、参加したお子さんの中には、このPS2と同い年という方も。


まずはじめに、「ソニー・エクスプローラサイエンス」の館長を務める、速見充男氏が登壇し、挨拶を行いました。その後、「PlayStation」エンジニア・高田利貞氏、「Xperia」などスマートフォンの開発に携わる中川雅朗氏、新規ビジネス関連のエンジニア・新倉英生氏が登壇。この3名が、「分解博士」として今回のワークショップに参加します。その他、ソニーグループで働いている社員7名が、博士をサポートする助手として紹介されました。


「早く分解したい!」というソワソワした空気の中、中川氏からソニー創設者のひとり・井深大氏が、子どもの頃に自宅の時計を分解したというエピソードが語られます。本ワークショップでは、モノを分解し仕組みを学ぶのはもちろん、井深氏が体験した楽しさやワクワク感を追体験するのも主旨の一つになるようです。


続いては“分解”と“破壊”の違いについて解説がありました。モノをバラバラにするという意味では同じですが、破壊は元の形がわからなくなってしまいます。反面、分解は「ひとつひとつの部品に分け、部品の意味を理解する。そしてもう一度組み立てることもできる」と解説されていました。その後、高田氏からは、初代PS~PS4に至るPlayStationの歴史やハードの違いが語られ、いよいよ分解へ移ります。




まずは、開封から実際に電源を入れて動作確認。電源を入れた後、マイナスドライバーを使いドライブ部分がちゃんと動くか確認。問題なく動けば、一度電源を切った後、底面のネジなどを外し分解していきます。しかし、ネジは巧妙に隠されているものもある上に、キツめにしめられているのもあるので、親御さんや助手の方々の手を借りながら外していきます。




本体のカバーを外してさえしてしまえば、その後は比較的スムーズに分解が進むようで、次々と現れる基盤やバッテリー、ボタンやコード等々に子どもたちは興味津々。助手の方々がせわしなく各テーブルを回っていました。そして、興味津々なのは大人も変わらず。お子さんと一緒に夢中で分解を楽しんでいました。




途中、新倉氏が用意したPS2のDVDドライブ部分を使用し、実際にどの様な形でデータを読み込んでいるのかの解説などもはさみながら、約90分の分解タイムは終了。「分解カルテ」に分解していて気になった部品や、工具の名前、ネジの数などを記入します。その後は、分解された「放熱ファン」「コントローラーの振動モーター」を動作させてどの様な働きをするのか解説したり、コントローラーの△○×□ボタンが二色成形になっていることを解説。また、新倉氏から使わなくなった家電に眠るレアメタルと、それらが「都市鉱山」と呼ばれ、再利用するためのプロジェクトが動いていることが解説されました。



最後は、分解したPS2をきちんと分別し後片付け。参加した子どもたちには「分解博士ジュニア認定証」が授与され、今回のワークショップは終了となりました。



今やPS4の時代。二世代前のPS2はもはや表に出ることはないのではとも思っていたのですが、この様な形で子どもたちの教育に有効活用されていたとは意外です。青春時代、多くの時間をPS2とともに過ごした筆者としては、なんだか感慨深くもあります。将来、このワークショップ参加者から、ソニーのエンジニアとして活躍する人物が産まれるかもしれませんね。

《編集部》

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