◆『レッド・デッド・リデンプション2』で歩み始めた善人の道─プロローグから既に急展開!?

筆者の決断により、善人の道を歩むことになったアーサー。ですが、善の道はあくまで心がけの問題であり、彼が身を置くのはダッチが率いるギャング団です。いきなり善人の道とはかけ離れそうですが、ここは「仲間や善良な人々を守るためなら、法を破ることも厭わない」系の善人で突き進もうと思います。

ちなみにこのダッチギャングは、大きな強盗に失敗して敗走中。その追っ手を振り切るため、満足な準備もなく雪山を突き進みます。放棄された廃村にたどり着くものの食料もなく、凍える身体を寄せ合うばかり。このままでは餓死や凍死もあり得そうな状況です。

もちろん、仲間を見捨てるわけにはいきません。早速、善人アーサーが試される場面ですが、ここはダッチの提案で周囲の探索に。とにかく食料を手に入れないと!
すると、仲間のひとりであるマイカと合流。しかも、人が住んでいるらしき家を見つけたとのこと。これ幸いと人家に向かうダッチ一行。ですが、ここで善人アーサーは不安に駆られます。

「俺達ギャング+仲間が空腹+人家にはきっと食料=?」
この方程式の答えが、「略奪」や「虐殺」だったらどうしよう・・・。ダッチギャングは、ギャングとはいえ女性や子供もおり、社会的弱者のコミュニティといった側面も窺えるので、世紀末モヒカン集団的な無分別さとは無縁と思いたいところですが、仲間と見知らぬ他人を天秤にかけることは充分にあり得ます。
人家を見下ろして「よし・・・」とか言ってるし! 早速不安だよ! 仲間を救いたい気持ちは同じですが、善良な人たちを虐げるのも抵抗が。最悪の事態になった場合、善人アーサーとしては一体どうすればいいんだ・・・。

大人数だと警戒されるから隠れていろという指示も、「不意打ちを狙うための配置?」といった疑心暗鬼がムクムクと。ですが、現時点ではまだ“不安”なだけ。決定的な証拠はないので、事態の流れを見守るしかありません。・・・すると、別の場所に隠れていたマイカから、驚きの報告が。

「馬車に死体がある」
──よし、状況が好転したぞ! 詳細は不明なものの、馬車に死体を隠すなんて明らかな問題行為。悪党相手ならば、善人アーサーも躊躇うことなく立ち向かえます。安堵の仕方や思考の一部が善人っぽくない感じもしますが、悪党にダッチを殺させるわけにはいきません。大事な! 仲間! ですから! 強調すればするほど胡散臭い。

そして案の定、銃撃戦に展開。しかも先に向こうが敵意を示したので、正当防衛の観点から見ても何一つ問題なし! 仲間を守るため、銃口が火を吹きます。


「善人に手を出すからさ」と、悪党の死体を見下ろしながら呟いている(に違いない)善人アーサー。善人の台詞ではない気もしますが、完全に気のせいです。こうして周囲を一掃し、仲間のために家屋を物色。死体に食事は必要ないので、有効活用するべくいただいておきます。

すると、納屋に敵の生き残りを発見。どうやら、ダッチギャングと敵対しているコルムの一味だった模様です。列車強盗の計画などを聞き出した後、用済みになった生き残りが「助けてくれ」と懇願。ここでコイツを生かしておくと、後々ダッチギャングの仲間たちに被害が出るかもしれない──そんな思考も過ぎりますが。

圧倒的に優位な立場で相手の命乞いを無視するのは、流石に善人とは呼べない行為。もし何かあった時は、全力で守ればいい。アウトローにしては甘い判断ではありますが、善人アーサーとしては非情になりきれません。この判断が、今後どのように影響するのか。気になるような、恐いような気持ちを飲み込み、コルムの一人を見逃しました。

これでひと仕事が終わった・・・かと思ったら、床下から半狂乱の女性が出てきます。どうやら彼女はこの家の住人で、コルムに襲われた時に床下に逃げ込んだ模様。しかも彼女をそこに逃がした旦那は、馬車で転がっていた人物のようです。oh、西部劇恐い・・・。
どうやらダッチは、寄る辺のなくなった彼女を連れて行く様子。きっと今ギャングにいる人間の一部も、こういった流れで仲間に加わったのでしょう。見捨てるような集団じゃなくて本当によかった! このギャング団なら、善人アーサーが続けられそうです。

しかし・・・困っている相手を見捨てないギャング団なのに、なぜ家屋が燃えているのだろう。いや、その理由は作中で描かれていましたし、故意ではないんですが、略奪後に放火したみたいじゃないですか、これ・・・。


ゲーム開始から早くも不安や葛藤が渦巻く展開を迎えましたが、戻らない仲間のジョンを助けたり、食糧難に対処すべく鹿を狩りに出かけたりと、このコミュニティを守る日々を積み重ねていきました。コルムの一味とやり合った時は、善人らしく(?)先陣を切り、敵を確実に仕留めていきます。

時間をかけすぎてマイカがやられたこともあったけど! ごめんねドンマイ。善人なので自分の不手際も許していくスタイルです。



また、コルムが計画していた列車強盗のプランを丸ごといただき、ダッチギャングによる列車強盗が決行されたこともありました。再び善人アーサーが先陣を切り、列車を完全に制圧。生き残りの乗員3名の対処をダッチに任されたので、客室に軟禁して列車を再始動し、そのまま見逃すことにしました。お互いのために、二度と会うことがないように祈ります。


こうして資金を集め、ダッチ曰く「最悪の時を乗り越えた」ギャング団は、雪に覆われた土地を後にし、過ごしやすい高原へと拠点を変更。なんとか生き延びた仲間達の人生が、ここで新たな展開を迎えます。

いわゆるプロローグに当たる下りだけでも、人命を左右する展開や選択が突きつけられた『レッド・デッド・リデンプション2』。この新天地で、仲間たちがどんな日々を送るのか。そして筆者のアーサーは、(自称)善人を貫けるのか。期待と不安が入り交じる幕開けとなりました。さあ、この世界で生きていくぞ!
