『Dragon Marked For Death』は“マルチ前提”のバランスなのか? ぼっちでエンディングを目指してみた─最新アップデートもチェック【プレイレポ】

誰も死なない、平和かつ刺激に満ちた“眼(ガン)STG”『ぎゃる☆がん』シリーズや、懐かしのファミコンソフトを2017年にリメイクした『ブラスターマスター ゼロ』など、意外な切り口や驚きの展開を続けるインティ・クリエイツ。

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『Dragon Marked For Death』は“マルチ前提”のバランスなのか? ぼっちでエンディングを目指してみた─最新アップデートもチェック【プレイレポ】
『Dragon Marked For Death』は“マルチ前提”のバランスなのか? ぼっちでエンディングを目指してみた─最新アップデートもチェック【プレイレポ】 全 28 枚 拡大写真

誰も死なない、平和かつ刺激に満ちた“眼(ガン)STG”『ぎゃる☆がん』シリーズや、懐かしのファミコンソフトを2017年にリメイクした『ブラスターマスター ゼロ』など、意外な切り口や驚きの展開を続けるインティ・クリエイツ。多彩なジャンルを手がけていることでも知られていますが、アクション方面に代表的な作品が多いのも特徴のひとつです。

今も多くのゲームファンが語る『ロックマンゼロ』シリーズや、自社パブリッシュに挑戦して成功を収め、3DS版のみならずニンテンドースイッチへの展開も果たした『蒼き雷霆 ガンヴォルト』シリーズなど、いずれも好評を博しました。


そんなインティ・クリエイツの最新作は、得意のアクションにRPG要素を加えた『Dragon Marked For Death』(以下、DMFD)です。横スクロールタイプの「2Dアクション」と、キャラクターの成長・装備の収集といった「育成」を組み合わせ、しかも最大4人のマルチプレイにも対応。ひとりでじっくり遊ぶもよし、ローカル通信で友達とワイワイとプレイするもよし、オンライン越しに協力し合うもまたよしと、様々なスタイルで遊べる一作として登場しました。


しかし、「4人でも遊べる」ということは、「1人では厳しい」ということなのか。そんな疑問を持つ方もいることでしょう。SNSなどでも、発売直後に“ソロだと厳しい”といった声がいくつか見られました。

そこで今回は、実際のプレイングを通して「本当に1人プレイでは厳しいのか」「厳しいとしたら、どのポイントなのか」などの点について迫ってみたいと思います。ちなみに筆者は、『蒼き雷霆 ガンヴォルト』のラストバトルで苦戦して停滞中、という(低めの)腕前の持ち主。なので、「腕前でカバーしている」といったことはないのでご安心ください。個人的にはやや悲しい補足ですが、気にしない方向で!

◆皇女を使い、序盤から終盤まで駆け抜ける! そのプレイ感から見えてきた『DMFD』への向き合い方と魅力



プレイを開始すると、まずはキャラ選択とカスタマイズ。いずれも「龍血の一族」で、それぞれ異なる龍の力を持っています。4人とも個性的ですが、クセが少ない皇女を選択。基本攻撃の剣と、龍腕による強烈な一撃「ドラゴンソード」、単発やタメ撃ちが可能な遠距離攻撃「ドラゴンショット/キャノン」を駆使して戦うキャラです。


ボスまでの道中で頼りになるのは「ドラゴンソード」。『DMFD』は上方向への攻撃手段が少ないのですが、振り上げて叩きつける「ドラゴンソード」は空中にいる敵も狙いやすく、また雑魚相手ならノックバック効果もあるため、反撃を受けずに戦うことができます。その分硬直もあるので、空振りは避けたいところ。


また、皇女の遠距離攻撃は、防御力低下を引き起こす「火傷」の効果を付与できるので、固い敵やボス戦で役立つことも。そしてタメ撃ちの「ドラゴンキャノン」は集中して大ダメージを与えることができるものの、発動まで間があり、移動も不可。道中の大型な敵やボス戦で有効な場面もある一方で、敵の動きが早かったり、攻撃頻度の多い後半のボスなどでは使い辛い時もあります。

通常攻撃のコンボに「ドラゴンソード」を繋げると雑魚相手には比較的安全に戦えたり、ジャンプ中の剣攻撃は連続で繰り出せるなど、細かいテクニックや便利なアクションを見つけながら自分なりの立ち回りを見つけるのも、『DMFD』が持つ楽しさのひとつです。また、キャラクターの操作自体は軽やかで反応も良好。小気味よく動かすことができます。


ゲームの進行は、街を拠点として「アイテムの売買」「装備の変更」などを行い、様々なクエストを受託して経験値やお金、武具などを集めてキャラを育成します。また、「クエスト」をクリアするとより高い難易度が開放されたり、特定の条件をクリアすることで更なるクエストが発生するので、それらに何度も挑戦するのが本作の基本的な流れになります。


そして、初めて挑むクエスト「オーガの砦」の時点で、敵ががっつり手強い! 『DMFD』は、HP0=クエスト失敗ではなく、何度かやられてもその場で復活可能。復活するたびにクリア後にもらえる経験値の量が減りますが、それ以外のデメリットはなし。ただし、復活できなくなったらクエストが失敗となり、クリア経験値も当然もらえません。ちなみに筆者の腕前では、「オーガの砦」初挑戦の道中で早速1落ち。途中にいるオーガ強い・・・!


さらにボス戦いでもしっかりと1落ち。合計2落ちでのクリアです。ここのボスには「ドラゴンキャノン」を決めやすいので、なんとか凌げました。難易度1のクエストは「オーガの砦」しかないので、しばらくここを回ってレベル7まで育成。そして意気揚々と、次のクエスト「財宝を求めて」に挑みました。ちなみに、こちらの最低難易度となる「5」で挑んでみました。(アップデート後、「3」に調整されました)


その結果はと言えば、初見でボスを撃破! といっても、何度も復活しての辛勝なので、余力はまったくありませんでしたが。しかも、「財宝を求めて」はボスを倒しただけでは終わりません。タイトルにある通り、財宝を求めて先へと進みます。


そして・・・直後にオニビの攻撃を食らって撃沈。コンティニューするためのポイントも残っておらず、二つ目のクエストはあっけなく失敗してしまいました。敵が、敵が強い・・・!


手痛い攻撃を受けてしまうのは、プレイヤースキルやキャラクターLVの問題もありますが、敵からのダメージが大きいのも要因のひとつです。防御力をアクセサリーで補おうにも、武具は道中やボスを撃破した後の宝箱からの入手が基本。クリアできなくて困ってるのに、クリア前提の解決策では対処になりません。

また、レベルアップした際、ステータスは任意で上げるのですが、1LVにつき1ポイントしか振り分けられないので、LVだけで格段に強くなる・・・とは、なかなかいきません。また、防御系のステータスを重視すると、必然的に攻撃方面のステータスに回せなくなるので、それもまた難しい問題です。

なので、「財宝を求めて」で躓いてしまう方がいても、それは無理のない話かもしれません。・・・ですが、マルチプレイ前提のバランスなのかと問われれば、決してそんなことはないと断言できます。その証拠に、筆者はソロプレイでラスボスを撃破できましたし、(当時の)最高難易度のクエストもクリアできました。もちろん、プレイ中にテクニックが飛躍的に向上したわけではありません! なんだか悲しい念押しです。


これは筆者が詰まった時に行った対処法ですが、まず大事なのは周回を重ねてのレベルアップ。難易度5の「財宝を求めて」が厳しいなら、「オーガの砦」に戻ればいいだけです。クエストは何度でも挑戦できるので、無理のないクエストで経験値を稼いでレベルを上げましょう。

逆に言えば、「クエストをクリアしたら次のクエストに進みたい」「どんどん先に行きたい」という方だと、ゲーム序盤で壁にぶつかりやすく、そこで諦めてしまうかもしれません。LV上げや装備集めの周回、一歩戻ってみるといったプレイを意識するのがお勧めです。


1LVの恩恵こそ控えめですが、着実に強くなるのもまた事実。あまりに死ぬようだったら、VITにポイントを振ることでHPの上限を増やせるので、そちらを視野に入れるのも悪くありません。とはいえ、VITに振りすぎると与ダメージが伸びにくいのでご注意を。また、皇女や戦士の場合、攻撃重視でもATKだけに振るのはお勧めしません。AGIにも割り振ることで、与ダメージが安定して伸びます。忍びは元々AGIが高いので、伸ばすステータスは自身のプレイスタイルに合わせるのが良さそうです。また、魔女は魔法攻撃がメインとなるので、ダメージ目的ならばINTがお勧め。


そして、死亡回数が少ないほどクリア経験値が増えるので、死なないように戦うのも大事です。といってもテクニックの話ではなく、アイテムをしっかり活用するのがポイントです。HPを20%回復できる「薬草」は、たったの4~5Gold。5つ持ち込めば、復活回数が丸々一回分増えたと考えることもできます。お金がある程度安定して稼げるようになったら、より大きな回復量を得られる「上薬草」や「特薬草」などに切り替えていきましょう。最大HPが低い時は、「聖水」系もお勧めです。

(現時点の)キャラクターレベルは50が上限ですが、ラスボスが待ち受けるクエストの最低難易度はもっと低いので、ある程度アクションに慣れていれば、周回によるレベルアップでラスボスの撃破まで突き進めると思います。特定のクエストばかりを回ると作業感が増すので、様々なクエストを渡り歩くのが吉です。それでも「集中的にレベルを上げたい!」という方には、一周が短めなクエスト「姉と弟」での経験値稼ぎをお勧めしておきます。


「レベルアップ」と「アイテムの積極的な使用」の2つを意識するだけで、グンと遊びやすくなる『DMFD』。難易度帯が近いクエストも多いので、一度波に乗ると次々とクエストをクリアできるようにもなり、プレイのテンポが加速することも。前述した「どんどん先に行きたい」を楽しみたい方は、ある程度まで集中的にレベルを上げつつ装備を整えた後ならば、好みのスタイルで楽しめると思います。

実際に筆者も、中盤でLV40台まで上げたところ、残りのクエストはサクサクとクリアでき、一気にラスボスの撃破までこぎ着けました。なので、歯応え重視の方はむしろ、LVの上げすぎに要注意です!


あとひとつ、コツというか心得として、「初見もボスは、クエスト失敗も視野に入れてまず観察」をお勧めしておきます。しっかりと立ち回り、アイテム使用も視野にいれれば、道中でやられることは少なくなります。しかしボス戦はやはり手強いので、どんな攻撃を放ち、どのタイミングに隙があるのか、その見極めが重要です。

がむしゃらに戦っていると見落としがちなので、敢えて回避に専念して敵の攻撃を見切り、リトライに賭ける──という姿勢も、先に進むためには有効な心得です。これは、アクションゲームをクリアするための基本的な攻略方法でもあるので、アクションを得意とするインティ・クリエイツ製のゲームに通用するのも納得していただけることでしょう。


レベルを上げ、アイテムを使い、敵の攻撃をしっかり把握する。いずれもアクションRPGとしては基本的なことばかりですが、それを改めて心得えれば、クリアまでソロでもちゃんと辿り着けます。『Dragon Marked For Death』は、“用意された階段をスイスイと上がれるゲーム”ではありませんが、“自分で一段ずつ階段を積み上げてゴールを目指す”楽しさに溢れたゲームだったと、個人的に確信しています。

◆最新アップデートパッチを3月7日に配信─プレイ感はどう変化した? エンドコンテンツの新要素も



そして『Dragon Marked For Death』にて、3月7日にアップデートパッチVer.1.3.0が実施されました。今回のアップデート内容は多岐に渡りますが、高レベルキャラクターでのパーティ戦を推奨する「ネームドモンスター(NM)」の追加、バランス調整、利便性の向上に不具合修正が主となります。

この中でも、新規の方や序盤で躓いて休止しているユーザーにとって重要なのが、バランス調整の部分。道中の敵で得られる経験値取得量が増え、クエスト達成報酬の経験値取得量が減少しました。そのため、クエストに失敗した場合に得られる経験値は増加する可能性があるので、失敗時にもリターンがある=挑戦しやすくなる、と考えることができます。

また、皇女・戦士・忍びの低~中レベル帯武器の攻撃力も上方修正され、全体的に序盤の負担を軽減する調整が行われた模様です。特に皇女は、一部アクションの物理攻撃の攻撃力が増加したり、地上での「ドラゴンソード」の隙を「ドラゴンショット」でキャンセル可能になったりと、アクション性が向上。一般的に使いやすい皇女の立ち回りが向上したのは、新規ユーザーにとって嬉しいポイントとなりそうです。


そして、序盤の立ち上がりが緩和された一方で、エンドコンテンツが手強さを増しました。「ネームドモンスター(NM)」については、「高レベルキャラクターによるパーティ戦での討伐を推奨するコンテンツ」と明言されており、よほどの腕と最良の装備がない限り、ソロで挑むのは無謀な挑戦と言えそうです。

また、クエスト「Marked For Death」のクエストレベル65が開放されたので、早速挑んでみましたが、こちらも実に厳しい! 装備やアイテムに頼り切ったゴリ押しは通用しないので、「しっかりと回避」「隙を逃さず攻撃」といった基本が大事だと改めて思い知らされました。

総じて言えば、今回のアップデートが実施されたことで、多くの方が嘆いていた序盤のプレイが進みやすくなり、後半やエンドコンテンツの歯応えが増す形になりました。これで、エンディングまで辿り着く方も増えることでしょう。また、激戦に挑みたいユーザーにとっても、新たな目標に腕が鳴りそうです。そして、筆者のような「アイテムごり押しで、お気楽周回プレイ」をしていたユーザーは・・・その腕前を磨く時が来たのかもしれません。が、頑張れ、自分!


操作感の良い2Dアクション性と、繰り返しプレイして育成するRPG要素を合わせ持った『Dragon Marked For Death』は、幅広いユーザーに向け、それぞれのスタンスで楽しめるようなゲームになりつつあります。今後の具体的な展開などはまだ未定ですが、更なる飛躍に期待したいと思います。これまでプレイするか悩んでいた方は、このアップデートを機に、この世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。過去の企画で行ったプレイ動画(ソロとマルチ)が公開中なので、そちらも参考までにどうぞ。





(C) Marvelous Inc. / INTI CREATES CO., LTD.

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《臥待 弦》

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