『Ghost of Tsushima』“真のヒロイン”は誰だったのか? 境井仁のモテぶりを振り返る─命の恩人から幼なじみまで

【ネタバレ注意】1周年を迎えた『Ghost of Tsushima』。今回は、男女という枠も取り払い、真のヒロイン候補とその関係性を振り返ってみました。

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『Ghost of Tsushima』“真のヒロイン”は誰だったのか? 境井仁のモテぶりを振り返る─命の恩人から幼なじみまで
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本記事には『Ghost of Tsushima』のネタバレが含まれています。

元寇による侵攻を題材とし、小気味よい殺陣アクションや重厚な人間ドラマで好評を博したオープンワールドACT『Ghost of Tsushima』が、先日1周年を迎えました。

昨年のNo.1ゲームに挙げる方も多い本作は、発売前の期待を大きく上回る完成度で話題となり、世界的な大ヒット作品に。しかも来月8月20日には、新要素を加えたPS5/PS4ソフト『Ghost of Tsushima Director's Cut』も登場と、本作の展開は1年を経てもまた続きます。

今も高い注目が集まる『Ghost of Tsushima』ですが、その人気を支える要因のひとつは、主人公「境井仁」のキャラクター性にあります。誉れを知り、弱き民を守る誇りある武士として生きてきた仁は、島の全土で猛威を振るう蒙古に抗うべく、その“誉れ”を手放す決断を下します。

武士としての正道を外れながらも、自らの行いを信じて突き進む仁。その姿は高潔で、同時に非常に人間らしくもあります。気高くも共感しやすいこの仁に、プレイヤーはもちろん、島に住む多くの人々も感銘を受け、心を震わせました。

そんな仁は、島の住人にとっても、また物語の上でも、ヒーローと呼ぶに相応しい人物です。──が、仁をヒーローと呼ぶならば、果たして『Ghost of Tsushima』のヒロインは誰なのでしょうか。

本作に登場する女性キャラクターはそれなりにいますが、本編に長く関わる人物はほんの一握り。その中でも特に印象深いのは「ゆな」ですが、それだけで彼女を本作のヒロインと位置づけるのはやや早急でしょう。

ヒーローは、男性のみに許された呼称ではありません。ゲームに限らず、漫画に小説、映像作品などには、ヒーローと呼ぶべき女性も数多くいますし、ヒロインに相応しい男性キャラも存在します。

そういった広い視点で考えると、『Ghost of Tsushima』における真のヒロインは誰だったのか、なかなか難しい問題と言えそうです。この問いに絶対の正解はありませんが、仁との関わりを中心に振り返り、有力そうなヒロイン候補を今回ピックアップしてみたいと思います。

ちなみに、ヒロインの定義については諸説ありますが、今回は「仁に惹かれ、それぞれが想いを抱いた人物」という形に定めさせていただきます。昔から「愛憎は紙一重」とも言うので、恋愛的な意味での愛情だけに狭めず、並みならぬ想いを抱えて胸中を大きく占めたり、人生に大きな影響を与えた関係もヒロインに当てはまると解釈し、取り上げさせていただきます。

なお、今回は真面目な考察ではなく、仁を取り巻くヒロインたちという切り口から、彼がどれだけ(愛憎込みで)モテたのかを振り返る記事になりますので、あらかじめご了承ください!

また、物語の本筋には極力触れませんが、切り口の関係からどうしてもネタバレを含むため、その点についてもご注意ください。加えて、重大なネタバレを避けるため、「仁之道:對馬の行く末」までの物語やイベントを通して描かれた仁の人間関係について紹介します。

命の恩人でバディ系な「ゆな」─ヒロインの有力候補か?

ヒロインは女性に限らない、という話をしましたが、それでも最有力候補のひとりは、やはり「ゆな」でしょう。彼女と仁の関係は、命を救われた恩人として始まります。初手から、かなり強力なヒロインムーブです。

といっても、命を助けた理由は運命的な出会いではなく、蒙古に攫われた弟の「たか」を助けるべく、腕の立つ侍である仁に目を付けたため。そっけない言い方をするならば、利害によるものでした。

一方の仁も、自分の伯父であり、蒙古に捕らえられた対馬の地頭「志村」の救援しか頭になかったため、最初は互いに自分の望みを主張し合うばかりでした。しかし、共に肩を並べて戦うことで、その態度も徐々に変化していきます。

志村の救出に失敗した仁に向かって、まず「あんたが無事でよかった」と声をかけ、落ち込んだ様子を見たら「死んじまったら元も子もないだろ」と励ますゆな。相手の気持ちに寄り添い、支える一面が浮き彫りになります。

こうした変化を受け、仁が「必ず弟は助ける」と固く誓うと、ゆなもまた「志村様も」と返しました。この瞬間、ふたりの間に信頼関係が芽生えたのかもしれません。生死の境界線を往く運命共同体。ヒロインと呼ぶに遜色のない、素晴らしい出だしを飾りました。

また、仁にとってかけがえのない“誉れ”に大きな波紋を投げかけたのも、ゆなでした。ほぼ単身で蒙古と渡り合うには、侍らしい戦いだけでは到底勝ち目はありません。その現実をゆなに突きつけられ、“誉れ”とは縁遠い闇討ちを仕掛け、仁は敵を仕留めます。

そんな彼の心境を察し、ゆなは「楽じゃなかっただろ。教えに背くこと」と、彼の心に寄り添うと、仁は「為すべきことをなしたまで」と一言。この言葉の真意は察することしかできませんが、主人公の信念に一石を投じる──その功績からも、ヒロイン力の高さを感じさせます。

ゆなの目的は、仁の手助けを借りてたかを救出し、本土へ渡って新たな生活を始めること。また仁も、志村を助け出すため、ゆなを頼りにしています。あくまで協力し合う間柄ですが、決してドライな関係ではなく、信頼による絆を感じる場面が幾度となく訪れます。「地頭の手下になったのか」との問いにも、「いや、この境井の一味さ」と切り返し、仁に対する信頼感の高さを示しました。

たかに対する接し方で意見が分かれることもありますが、それも本音でぶつかり合うからこそ。また、大一番の前に本音を打ち明けるゆなと一晩飲み明かすなど、ただの利害関係では終わらない絆の深まりを見せていきます。

そして、仁が心ない言葉で迷う時は、ゆなが力強くその背中を押すことも。島の住民に「冥人(仁のこと)を敵に思う連中がいる」と言われた時には、「あんたの行いもその訳も、分からない奴らはいる」と口にし、間髪入れずに仁を支えます。

「だが、外道に堕ちてはおらぬか?」といった不安げな仁の問いかけに対しても、「堕ちてても、あんたには正義があるよ」と断言。生きるために法を犯さざるを得なかったゆなだけに、その言葉には重みがあります。

戦いを通して仁の過去や今を知り、確かな信頼を積み上げていったゆな。男女だから──といった安易な理由を超え、ヒロインの有力候補に相応しい活躍ぶりが印象的です。



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《臥待 弦》

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