この価格でこのボリューム!充実の本格派ウォーSLG『タイニーメタル 虚構の帝国』プレイレポート

ディライトワークスのインディーゲームレーベル「ディライトワークス インディーズ」。その第一弾タイトルとして、AREA35開発によるSLG『タイニーメタル 虚構の帝国』が7月11日に発売されました。本記事では、本作のゲーム概要やその内容をお伝えします。

任天堂 Nintendo Switch
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この価格でこのボリューム!充実の本格派ウォーSLG『タイニーメタル 虚構の帝国』プレイレポート
この価格でこのボリューム!充実の本格派ウォーSLG『タイニーメタル 虚構の帝国』プレイレポート 全 27 枚 拡大写真

ディライトワークスのインディーズゲームメーカーへの開発・プロモーション支援やパブリッシング業務のサポートを行うゲームレーベル「ディライトワークス インディーズ」。その第一弾タイトルとして、AREA35開発によるシミュレーションゲーム『タイニーメタル 虚構の帝国』が7月11日に発売されました。突然の参入発表であっただけに、どのようなタイトルであるのか気になっているユーザーも居るのではないでしょうか。本記事では、本作のゲーム概要やその内容をお伝えします。

ウォーシミュレーションジャンルである『タイニーメタル 虚構の帝国』。近年のゲーマーには“ウォーシミュレーション”を聞いたことがない、という方もいるかも知れませんのでまずは、軽く解説を。ウォーシミュレーションとは、対戦型のボードゲームから派生した、敵と味方に分かれての戦闘行為を扱ったシミュレーションゲームで、日本において特にこの表記である場合は、大半の場合ターン制かつ、それぞれが複数の兵器で構成された「部隊」を多数率い(ときには生産し)敵と戦っていく内容を指しています。本作もその例外ではありません。


コアなボードゲームにその源流を持つということで、同ジャンルは多くの場合、複雑で無味乾燥になりがちです。しかし、その中でもわかりやすさやプレイしやすさを重視した任天堂の『ファミコンウォーズ』は、それまでの複雑なものとは別に多くのファンを獲得。後年、シリーズとしてキャラクター性などを取り入れた『ゲームボーイウォーズアドバンス』などが作られるに至っています。AREA35の手がける、本作『タイニーメタル 虚構の帝国』は、その『ゲームボーイウォーズアドバンス』に大きな影響を受けたと思われるタイトル『タイニーメタル』の続編です。

タイトル画面。前作から要素が増えているのが確認できる

そんな本作では、プレイヤーは多数の個性を持った司令官を用いて、部隊を率いて様々なマップを攻略していくことになります。本作では前作と異なり、個々の司令官に「スキル」が存在しているのが特徴。これにより、ユーザーは司令官ごとに異なる戦略で敵と有利に戦っていくことができるのです。

各司令官に、多彩なアビリティが用意されている

こちらの女の子が“ヴォルフラム”

例えば、本作の「キャンペーン」モードの主要人物である“ヴォルフラム”は、パッシブアビリティで歩兵ユニットにボーナスを与えることが可能。加えて本作では、各司令官に、敵味方の撃破で貯まるポイントを消費して使用できる強力なアビリティが用意されています。“ヴォルフラム”の場合は、歩兵ユニットに大きな戦闘力と拠点占領能力を与えることが可能となっており、安価に量産できる歩兵ユニットとの相性もバッチリ。拠点制圧能力が高まることで、起死回生の一手も作りやすくなります。

本作の「キャンペーン」モードでは、冒頭から続きといった趣で物語が展開するものの、特に前作の物語が語られることはないため、面食らってしまうかも知れません。そこで、ネタバレのなるべくない範囲で説明すると、前作は、世界規模で繰り広げられた「全地球大戦」から50年後の世界を舞台に、周辺国「ジパング」の内戦“黒の桜事変”に巻き込まれた、小国アルテミシアの兵士と仲間たちが、大戦の遺物にまつわる内戦の真の首謀者の陰謀を打ち砕くというもの。

ゲーム開始後の最初の一文がこちら。突如として現れた謎の敵対勢力、果たして彼らの目的は……

最低限の人物関係についてはゲーム内辞典に項目が追加される

また、今作において当初相対する「ディノルダ機械兵団」などについては前作でも説明されていないため、「大戦の遺物『ロストテック』は強力で悪人の手に渡すのは危険である」「ネイサン、ヴォルフラム、ツクモの3名は『黒の桜事変』(前作の物語)で共に戦った戦友」という前提だけ押さえておけば物語の導入としては問題ありません。

敵をロックオンすることで……



一斉射撃!もし仕損じても反撃を受けるのは1部隊のみなので、全体の戦力維持にも非常に有用

本作のゲーム部分で特徴となってくるのは、前作から引き続き登場する“ロックオン”システム。これは複数の部隊の攻撃をリンクさせ、一撃で大打撃を敵に与えるというもの。本作は、他の部隊制のウォーシミュレーション同様に、残りの体力に応じて攻撃力が減少してしまう作りであるため、可能なら反撃を行わせず敵を破壊する、無理なら先手を取る(反撃時の攻撃力が大きく減少するため)ということが重要になってきます。相手の反撃回数自体を大きく削ぐことができるロックオンは円滑なマップ攻略には欠かせない存在です。


また、部隊には向いている方向があり、背面や側面からは高いダメージを与えられるのも同様。前述のロックオンも含めて、敵に囲まれない位置取りが重要なのも同じです。一方、“燃料・弾薬”の概念が新たに導入。弾薬がなくなれば攻撃不可能となり、燃料がなくなれば移動不能かつ航空ユニットの場合は墜落して全滅……という形になってしまうため前作とは大きく兵科バランスが変わっています。

燃料・弾薬の概念が加わったことにともない、ユニットにも補給機能を持った装甲車両が追加。一般的なウォーシミュレーションでは補給ユニットは脆弱な事が多いものの、今作では歩兵ユニットの運搬が可能な兵員輸送車も兼ねており、性能自体も中々タフ。軽装甲の敵相手に頼れるユニットでもあります。他にも、航空ユニット用に給油機が用意されています。



また、本作では新ユニット種別として「人型兵器メカ」も追加。全兵科に対して十分な攻撃力を備え、歩兵同様に移動制限が薄いバランスの良いユニットとなっています。他にも個々に特徴がある新規ユニットが多数追加されており、よりリッチなゲームプレイを楽しむことが可能となりました。ユニットの増産能力がそう高くならないので、ジャンルにありがちな不毛な消耗戦が少ないのも嬉しいところです。

ロストテックでもある人型兵器メカは物語でも重要な役割を果たす

ヴォルフラム出撃

ミッション内容自体も本作では拡充。指揮官自身が強力なコマンダーユニットとなり戦闘を繰り広げることになるマップも登場します。該当のマップでは敵や味方のコマンダーユニットの撃破が直接の勝利や敗北条件となるため注意も必要です。

特殊な施設「ラボ」を調査。なお勝利条件を先に満たしてしまわないように注意が必要です

新たなミッションが解禁!


新たなヒーローユニットが使えるように。
もちろん通常のストーリー進行で使用可能となるものもいる

もちろんマップを超えて経験値などを保持可能な通常のヒーローユニットも、新規を含めて多数が用意されています。更に、マップ上の特殊施設「ラボ」では、サブミッションが解禁されるケースも。サブミッションの解禁後は、全体マップにて本筋とは異なる新たなミッションをプレイすることができます。




なお、今作では全体マップを自由に動き回ることができます。全体マップには、好きなマップと難易度を選んで攻略していく「スカーミッシュ」モードのマップ開放に使うお金や、「スカーミッシュ」モードのマップそのもの、サウンドモードで視聴可能な前作のBGMなどが隠されているため、探してみると良いでしょう。

新キャラも多数登場

ミッション評価システムも

ここまで紹介してきた『タイニーメタル 虚構の帝国』。前作はロックオンなどの独自システムはよくできていたものの、ユニットの種類などのデータ量や司令官の個性といったリプレイ要素にあと一声欲しかった…!という印象のタイトル。その物足りなかった部分を大きく補強してきたということもあり、初心者だけでなく、玄人にもよりおすすめしやすくなっています。燃料や弾薬の要素なども導入され、かわいいい外見ながらも本格派で硬派なシミュレーションが楽しめる本作。オンラインでの対戦プレイも可能で、遊びの幅はかなり広くなっています。是非チェックしてみてはいかがでしょうか。



『タイニーメタル 虚構の帝国』はニンテンドースイッチ向けに1,800円で配信中。2019年7月28日までは1,500円で購入可能です。

《Arkblade》

関連業界のあちこちにいたりいなかったりしてる人 Arkblade

小さいころからPCゲームを遊び続けて(コンソールもやってるよ!)、あとは運と人の巡りで気がついたら、業界のあちこちにいたりいなかったりという感じの人に。この紹介が書かれた時点では、Game*Sparkに一応の軸足を置きつつも、肩書だけはあちこちで少しづつ増えていったりいかなかったり…。それはそれとしてG*Sが日本一宇宙SFゲームに強いメディアになったりしないかな。

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