RPGに一石を投じたのは『moon』だけじゃない! 世界的なヒット作から“世界を救うのはやめた”作品まで登場した、1997年のRPG事情に迫る【特集】

敵と戦わず、愛でレベルアップするユニークなゲーム性で注目を集めた『moon』が、22年の時を経て、ニンテンドースイッチで復活。そこで、『moon』と同じ年に発売されたRPGをピックアップし、当時のRPG事情を振り返ってみたいと思います。

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RPGに一石を投じたのは『moon』だけじゃない! 世界的なヒット作から“世界を救うのはやめた”作品まで登場した、1997年のRPG事情に迫る【特集】
RPGに一石を投じたのは『moon』だけじゃない! 世界的なヒット作から“世界を救うのはやめた”作品まで登場した、1997年のRPG事情に迫る【特集】 全 21 枚 拡大写真

◆『マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』:1997年5月23日 発売



“RPGのお約束”に一石を投じた作品として、『マリーのアトリエ ~ザールブルグの錬金術士~』を思い出す方もいることでしょう。シリーズ最新作『ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~』が2019年9月に発売されたばかりですが、シリーズの原点と言える『マリーのアトリエ』が登場したのは、『moon』と同じ1997年でした。

当時主流だったRPG作品と同じく、『マリーのアトリエ』の舞台もファンタジー世界。ですが、「魔王を倒して世界を平和にする」といった一般的なRPGの目的とは大きく異なっており、主人公・マリーの目標は“落第の回避”。アカデミーで錬金術を学んでいるマリーは、しかし成績が振るわず、卒業を目指すべく5年に及ぶ試験に挑むこととなります。


『マリーのアトリエ』には敵とのバトルやレベルアップもありますが、主軸となるのはタイトルにもある通り「錬金術」。寄せられる依頼の解決や、新たなアイテムの作成、なにより卒業を目指すために必要なのは、その錬金術の腕前に他なりません。

ドラゴンのような手強いモンスターと戦うこともできますが、それはあくまで手段のひとつ。世界を救うような大冒険ではなく、卒業試験と日々の出来事に邁進するのが、『マリーのアトリエ』が描いたRPGでした。キャッチコピーの「世界を救うのはもうやめた」も、本作の特徴を雄弁に伝えており、この一言で興味を持ったユーザーも多いはず。


勇者にならず、世界も救わないRPG。そんな『マリーのアトリエ』が踏み出した一歩は、22年続く人気シリーズへと結びつきました。もちろん、この先も更なる展開が『アトリエ』シリーズに訪れることでしょう。“RPGのお約束”に挑んだ結果、そこから新たなRPGシリーズが生まれ、見事な大輪を咲かせたのです。



敵と戦うだけが「冒険」じゃない! RPGの楽しさを「探索」で表現
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《臥待 弦》

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