『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』プレイレポ―良作ARPGの要素を融合させた、スター・ウォーズの枠に留まらない作品

今回は『スター・ウォーズ ジェダイ:フォールン・オーダー』の魅力をアクションゲームとしての視点と、『スター・ウォーズ』のとしての視点との2つから見ていきたいと思います。

ソニー PS4
『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』プレイレポ―良作ARPGの要素を融合させた、スター・ウォーズの枠に留まらない作品
『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』プレイレポ―良作ARPGの要素を融合させた、スター・ウォーズの枠に留まらない作品 全 17 枚 拡大写真

『Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー』が発売され早数日。すでにクリアした人もいれば、まだ様子を見ているという人も少なくないはず。

今回は、本作の魅力をアクションゲームとしての視点と、「スター・ウォーズ」のとしての視点との2つから見ていきたいと思います。

購入するか否か、二の足を踏んでいる人は是非参考にして見てください。

現代のアクションRPGの良いところを詰め込んだゲーム性


本作は「スター・ウォーズ」を題材としたアクションゲームとしては、『スター・ウォーズ フォース・アンリーシュド』以来となる約10年ぶりのアクションアドベンチャー作品となっています。


この間の、アクションアドベンチャーやアクションRPGの目覚ましい進化により、非常に快適かつやりがいのあるプレイ感覚となっています。

ローリングによる回避、敵の攻撃を弾くパリイ、バックスタブに、上空からの落下攻撃での大ダメージなど、『Dark Souls』などのいわゆるソウルシリーズと同様のアクション要素が詰まっています。同シリーズを遊んだことのある人ならば、すぐにプレイに慣れることができるでしょう。

難易度調整も可能なため、ソウルシリーズはクリアできなかったという人でも手軽にプレイ可能。ライトゲーマーにも嬉しい配慮だと言えるでしょう。

「スター・ウォーズ」が好きで、ストーリーだけは把握しておきたいという人も安心。

謎解き要素もしっかり作りこんであります。シリーズにおいて最も重要な特徴である「フォース」を駆使して仕掛けを解きながら攻略を進めます。

メニュー画面で所持スキルの確認が可能。敵や障害物を押しのけるプッシュ。映画でもおなじみのフォース。

高速回転するプロペラの動きを止めるフォースは映画では、「フォースの覚醒」以降で見られます。

ストーリーを進めるごとに使用できるフォースの種類は順次増えていきます。プレイしていて思うのは、『ゼルダの伝説』の謎解き要素に近いものがあるということ。手持ちのスキルと配置されているギミックを考えて謎を解いていきます。

謎解きはストーリー攻略のためのものだけでなく、隠された謎解きもあります。

本作は惑星間を自由に行き来できるのですが、それぞれの星ごとに攻略割合が表示されます。
目指すは全マップ攻略100%!

本作をプレイして特に意外だったのは、キャラ育成システムが導入されていること。「スター・ウォーズ」のゲームと、キャラクター育成のシステムが掛け合わされるということは個人的には予想していませんでした。

しかし、昨今のアクションゲーム界隈では自由なキャラクター育成は必須となりつつあります。本作でその要素を取り入れることは自然の流れだと言えるでしょう。

育成の方向性は大きく3種類。フォースの能力を向上させるか、ライトセーバーでの戦闘技能を習得するか、マップ攻略に関する技能をアップさせるか、それぞれ独自の方向に育成していくことができます。

どうもこういったスキル振りのときには、目移りしてしまって満遍なく上げてしまいます。器用貧乏バンザイ!!

アーカイブが充実していることも本作の特徴。『スカイリム』などのエルダースクロールシリーズは、作中に登場する書物の多さが特徴的でした。様々な種類の本やメモ、日記などが各地に散らばっており、それらを読むことで世界の背景を知ることができるようになっていました。現代のRPGにおいて、これら書物などのアーカイブの充実ぶりが求められるようになっています。

本作も例にもれず、プレイヤーが参照できる各種情報を充実させています。敵を倒したり、特定のオブジェクトを見つけると、同行しているドロイドのBD-1が情報をスキャン。アーカイブとして細かい情報を後からみることができます。

敵の情報は、闘い方の他にバックグラウンドもわかるようになっています。

こういったアーカイブを読んで背景を知ることを楽しみとしているプレイヤーにとっても満足いく作りになっています。スター・ウォーズファンはシリーズの知識をより深めることができるでしょう。

アサージ・ヴェントレスなどファンならきいたことある名前などもちらほら。

本作はここ数年のアクションRPGの良いところをふんだんに取り入れた作品となっているため、遊び応えは十分。

ちょっと裏道を歩けば、かなり歯ごたえのある隠し敵も配置されています。ゲーマーの人にも嬉しい要素。
ちなみに筆者はこのカエルにボコボコにされて心を折られたので、寄り道せずに大人しく正規ルートを歩きます。

ゲーマーの方々もしっかり楽しめる作りになっていると言えるのではないでしょうか。

ロケーションや武器、乗り物などの「スターウォーズ」要素が目白押し


続いて「スター・ウォーズ」要素の魅力についていくつか述べていきます。

まず、絶対に外せないのは本作の主人公カル・ケスティスの存在感。演じるキャメロン・モナハンは圧倒的な「スター・ウォーズ」役者らしさを持っていると感じます。Netflixのドラマ「GOTHAM/ゴッサム」ではジョーカーを演じている彼ですが、本作では全く違った様相を見せてくれます。

ファンならなんとなくわかってもらえるでしょうか。
彼の目鼻立ちからにじみ出る、「スター・ウォーズ」らしさ。

映画「エピソード1」の若きオビ=ワンと、「エピソード2」のアナキンのどちらにも似ており、ファンが思い描くパダワン(ジェダイの弟子)を体現したような顔つきをしています。

この青年がライトセーバーを持ってパッケージを飾っているというだけで、個人的には「スター・ウォーズ」の新作として及第点です。

また、本作はシリーズの橋渡し的役割を持っています。本作はエピソード3とエピソード4の間の物語。敵のキャラクター達などはエピソード4を基本としながら、随所にエピソード3の要素が散りばめられており、しっかりとこの2つの作品の架け橋となっています。この点は筆者として非常に高評価です。

旧共和国軍のスター・デストロイヤー墓場。
そんな中に見つかった
通商連合のバトルシップが降りてくる映像は圧巻の一言。

そもそもエピソード1からエピソード3までが、後付であることは否めません。そのため映画全体を通して見たときに、3と4の繋がりに若干の違和感を覚えてしまいます。しかし、このようにゲーム作品などできちんと繋がりを示唆してくれることはファンとしては嬉しい限りです。

そして、筆者が本作をプレイして最も嬉しかったのは、ライトセーバーを自分で改造できるという点。

各地の惑星に配置されている宝箱にはライトセーバーの備品が入っていることがあり、それをもとに所定の作業台で改造することで思い思いのデザインのライトセーバーを作成可能。過去の映画作品やスピンオフ作品で登場したデザインのライトセーバーを使用できるようになります。

筆者の好きなルークのライトセーバーと同型のデザイン。
この懐中電灯みたいなちょっとカッコ悪い口の部分が最高に大好きなんです。

剣の色も自由に変更可能。

筆者にとってはもはやジェダイオーダーの再建よりも、ライトセーバーの新しい部品を手に入れることが冒険の一番のモチベーションとなっています。



昨今のアクションRPGのゲーム性にスター・ウォーズらしさを同居させたことで、キャラゲーとしても一本のゲームとしてもしっかりとした出来になっている本作。

スター・ウォーズファンも、ゲーマーも両方のプレイヤーを満足させられる出来になっていると言えるでしょう。

《竜神橋わたる》

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