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日本一ソフトウェアから発売予定の『void tRrLM(); //ボイド・テラリウム』。体験版も公開され、いよいよ発売も1ヶ月後に迫りました。今回は、体験版を通して、本作のポイントを改めて抑えてみたいと思います。
文明が崩壊した後の世界をポップな雰囲気で描く
本作の舞台は文明が崩壊した後の地球。人類を救済するために作られた人工知能が人類に攻撃を仕掛け、最終的に文明を滅ぼしてしまうという舞台背景です。
昔のSF映画さながらのヘビーな設定ですが、肝心の人工知能はコミカルそのもの。「自分は必死に頑張っていたのに、人類がわがまま放題するからついやってしまった」と涙ながらに訴える様子にはちょっと同情してしまいます。
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正直、滅ぼされてしまった側としてはたまったものではありませんが、彼女自身は悪意のある存在ではないことがわかります。プレイヤーは彼女と協力しながら、目的を達成していくことになります。
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ローグライクRPGの自動生成ダンジョンの説明としっかりリンクした設定も良い感じです。
人類の末裔か?ビン詰の少女を助け、お世話していくゲームシステム
本作のポイントとなるゲームシステムに、「少女のお世話」があります。体験版ではそのお世話システムに直接触れることはできませんが、そこに至るまでの導入を遊ぶことができます。
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人類の生き残りと思われるこの少女。素性はまったく不明ですが、先の人工知能と共に彼女を救う方法を模索します。
ゲームの流れとしては、彼女が必要とするものを確認、それらを生成するための素材をダンジョンで集め、「クラフト」のシステムで作成して彼女に与えるというもの。体験版では彼女に与える「食料」と治療するための「薬」を準備するミッションが与えられます。
特徴となるのは、彼女の状態を管理するシステム「おせわっち」。画面右下には、少女の健康状態と思しきものがドット絵で表示されています。これをもとに彼女の状態が悪ければ薬をあたえ、お腹が空けば食べ物を与えるという判断をすることになります。
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もしかしたら、若いプレイヤーの中にはこの手の画面を知らないという人もいるかもしれませんね。
体験版では詳しくプレイできませんが、運動をさせたり、「水を流してあげたり」、といった要素もあるのかもしれません。この手のお世話系ゲームにハマった人たちは一見の価値あり、だと思います。
更に今作は、彼女の暮らす空間を自分で作っていくという要素もあるようです。最初は外装を整えるところからですが、少女が暮らしやすいような様々のモノを瓶の中においてあげるようなシステムです。
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人工知能ちゃんも怪しい表情をしていますが、もちろん善意からの発言です。
こちらも体験版ではプレイできませんが、アクアリウムやテラリウムの趣味を持つ人にはかなり刺さる内容になっているのではないでしょうか。
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初心者にも優しい丁寧なローグライクのシステム
本作は上記のお世話ゲームとテラリウム要素に、ローグライクRPGをかけ合わせた作品となっています。ローグライクのシステムは非常に丁寧で、初心者でも問題なくプレイできます。
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これにより、ダンジョンに潜るために毎回異なるプレイングができることもポイント。
大きな特徴としては道中で倒れてしまっても、集めたアイテムなどはそのまま持ち帰ることができるという点。そのため、思い切ってどんどん先に進んで死んで拠点に帰るというプレイが可能です。大胆に冒険を進めることができるので及び腰でプレイしなくて良いという点も、初心者に優しいところでしょう。
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ちなみに実際にはお世話要素が絡んでくるため、少女の状態を確認しながらのプレイが必要になってくると思われます。このあたりの詳細も本編リリースが待ち遠しいところです。
ローグライクRPGは古くから人気を博しており、1990年代にはほぼある程度の完成を見たジャンルだと個人的に感じております。そんな中でプレイの多様性をもたせるために近年様々な新しい試みが導入されています。
本作は、ローグライクRPG×お世話ゲーム×テラリウムという、今までになかった新しい組み合わせ。日本一ソフトウェアの持つ独特のセンスがこのジャンルに新しい体験をもたらしてくれるのではないかと、期待が高まります。
※UPDATE(2019/12/30 17:22):本文内の誤字を修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございました。