『void tRrLM(); //ボイド・テラリウム』肉ぶくれ、きのこまみれ、液状化…トリコを襲うおぞましい病気をリアルに例えたらどうなる?

いたいけな少女・トリコがひどい目に遭うことで話題を呼んだ『void tRrLM(); //ボイド・テラリウム』。トリコがかかるさまざまな症状は、現実世界に例えるとどんな病気なのでしょうか?

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『void tRrLM(); //ボイド・テラリウム』肉ぶくれ、きのこまみれ、液状化…トリコを襲うおぞましい病気をリアルに例えたらどうなる?
『void tRrLM(); //ボイド・テラリウム』肉ぶくれ、きのこまみれ、液状化…トリコを襲うおぞましい病気をリアルに例えたらどうなる? 全 3 枚 拡大写真

文明が滅びた世界で唯一生き残った人間・トリコのお世話をするローグライクRPG『void tRrLM(); //ボイド・テラリウム』。本作は、可愛らしい少女のトリコに容赦なく降りかかるさまざまな症状が大きな話題になっています。

その中身は、我々が普段目にしたり耳にしたりする一般的な病状・ケガに始まり、「ゾンビ化」「液状化」などフィクションならではのものも多数存在します。

これらの病気は、リアルに例えるとどんな病気になるのでしょうか?実際に起こりうる病気の“もっとひどいバージョン”と考えると、トリコの辛さがわかるかもしれません。ここでは、代表的な病状3例をピックアップしました。

※参考として挙げているサイトの中には、一部ショッキングな画像が含まれている場合があります。閲覧の際はご注意ください。

肉ぶくれ


表面の肉が無限に増殖する奇病「肉ぶくれ」。本人が膨らんでいるわけではなく、肉の中に埋もれてしまっています。そのビジュアルは相当インパクトがあります。


リアルな病気と照らし合わせてみると、一つの例として「お腹がふくれる」という症状に行き当たりました。これには「嚢状にふくれる」「水がたまる」「ガスがたまる」と、複数のパターンがあります。それぞれ卵巣嚢腫、心不全、腸閉塞などの病状があるようです。

その中でも全身に症状が及ぶ可能性があるのが「ネフローゼ症候群」。タンパク尿が大量に出てしまう腎臓病なのですが、血中の主なタンパク質であるアルブミンが少なくなることで、むくみが全身に表れます。

ネフローゼ症候群のうちの一つ「微小変化型ネフローゼ症候群」は、小学校高学年~20再前後までの発症が多いのですが、高齢者や幼児でも見られる病気とのこと。ただ、きちんと治療薬が働いてくれるので、ほとんどの場合は完治するようです。

タンパク質が出ていってしまうと聞くと怖くなってしまいますが、有効な治療は食事療法。むくみを取り除くためには減塩が一番で、食塩の制限でかなり軽快するそうです。

参考:時事メディカル「腹がふくれる」
https://medical.jiji.com/medical/006-1058-11

参考:時事メディカル「ネフローゼ症候群〔ねふろーぜしょうこうぐん〕」
https://medical.jiji.com/medical/013-0154-01

きのこまみれ


体力が低下し、汚染菌糸への抵抗が弱まると発症する「きのこまみれ」。文字通り、トリコの身体の至るところからきのこが生えてきます。

我々が暮らしている中で、身体からきのこが生えるという症例はあくまで噂レベルのもの。しかし、きのこが人に感染するのは実際に起こっていることなのです。

人に感染するきのことして知られるのは、スエヒロタケ、ヒトヨタケの2つで、日本国内でよく見られる種類です。

きのこの胞子が人間の身体に吸い込まれると、一般的には体内の免疫に負けて死滅してしまいますが、上記のきのこは免疫に耐える力が強く、生き残ってしまうことがあるとのこと。その結果、きのこ菌糸が気管支に住み着いてせき・たんの原因になったり、喘息の症状になったりするそうです。

ちなみに、「きのこ」が名につく病気には、鼻にポリープができてしまう「鼻茸」というものがあります。こちらは鼻の粘膜が炎症によって腫れて垂れ下がり、きのこのようになってしまう症状。いずれにせよ、気管支系には注意しないといけませんね。

参考:千葉大学真菌医学研究センター「キノコと感染症」
http://www.pf.chiba-u.ac.jp/medemiru/me01.html

液状化


液状化は、トリコがとろとろに溶けてしまう現象。汚染菌糸により細胞の結合がバグった結果起こる症状で、ゲーム内では型に入れて固めてあげることで治療できます。


細胞にまで影響を及ぼす病気として挙げられるのが「壊死性筋膜炎」。筋肉を覆う筋膜に細菌が感染し、細胞を壊死させてしまう病気です。広範囲に皮膚が赤くなって腫れ上がり、皮膚が剥げたり、水ぶくれができたり、変色したり、壊死してしまったりとさまざまな症状が表出してしまいます。場合によっては皮膚の下にガスができ、神経がやられて発熱や関節痛など全身に影響が及ぶことも。

難儀なのは、これが原因不明の病気であること。命に関わる病気であり、進行も早いので治療には急を要するのですが、治療法が確立されていないのが現状。壊死した組織を外科的に除去し、抗菌薬を投与するのが現実的なようです。

参考:MSD マニュアル プロフェッショナル版
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/14-皮膚疾患/皮膚細菌感染症/壊死性皮下組織感染症

トリコの一刻も早い治療を


今回は3つの病気を挙げてみましたが、どれも自分の身に降りかかると思うと怖いものばかり。実際に罹患されている方の、一刻も早い快癒を願わずにはいられません。

それはトリコも同じ。あくまで似たような症状ということで現実世界で発症する病気と並列させてみましたが、例え自分がかかっていなくとも、トリコの苦しみが少し伝わってきたような気がしています。「お世話ロボット」となる皆さん、少しでも早く、トリコを治療してあげてください……!

《ばかいぬ》

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