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無人島の探検は一日1時間じゃ足りない! そんなお悩みを持つ皆さん、もう心配はありません。当コラムがお薦めする「ロゼッタストーン式学習法」を使えば、ゲームプレイの時間を有効活用して、楽しく語学ができてしまうのです。毎日ちょっとずつ継続して遊べる『あつまれ どうぶつの森』は、少しのコツで最強の語学ツールに早変わり! 苦手な英語がきっと楽しくなる「無人島語学留学プラン」はいかがですか?
ゲームで語学:「有効な活用」をご提案
2020年度は日本における英語教育が大きく変わる年です。小学校3年生から英語体験授業が始まり、5年生からは教科として本格的な授業が始まります。さらに2021年度には、中学校以上は「オールイングリッシュ」授業に変更。義務教育のうちに実践的な英語を身につけることが当たり前となる時代がやってきたのです。
でも臆することはありません。私たちには語学の強い味方――ゲームがあるのですから!
近年のゲームの多くは全世界同時発売、いわゆるグローバルローンチとなっているため、一つのソフトに全ての言語を収めた状態で販売されています。切り替えもオプションで簡単に行えるので、住んでいる国に関係なく、収録されている全ての言語でプレイ可能。ニンテンドースイッチは本体の言語を切り替えることで、多くのソフトが対応しています。
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実はこれ、言語学における有名なものと同じ状態なのです。それは――「ロゼッタストーン」! エジプトのロゼッタで発見されたロゼッタストーンには、とある法律に関する同じ内容が古代の3ヶ国語で書かれていたため、解読が劇的に進行したという経緯があります。
『あつまれ どうぶつの森』を始めとする他言語に対応した昨今のゲームも、このロゼッタストーンと同じだと言えるでしょう。その結果、どのような効果が生まれるのか。以下の画像をご覧ください。
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英語そのものは分からなくても、この状況で何を言っているのかは推測できるはずです。個々の単語は馴染みがなくともアイテム名が何かは分かりますよね。
この「分からないけどなんとなく分かる」が、学習の効率を大幅に向上させる状態なのです。このままずっと続けているうちに「本当に分かる」瞬間が訪れます。その閃いた快感こそが、学習を長続きさせる秘訣なのです。
言語による違いを「発見」しよう
言語の切り替えはただ内容を訳すだけではありません。表記の違いによって生じるデザインの変更や、よりわかりやすくアレンジを加えるなど、日本語とはひと味違う「ローカライズ」がされています。タイトルロゴでもこんな違いがあります。
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キャラクターの名前や独特の口調も、向こうに合わせて大幅な変更があります。「たぬきち」は「Tom Nook」という日本語の「たぬき」に近い印象の名前です。これは、日本のタヌキが欧米ではパンダ並みに珍しいことから来ていると思われます。
日本語では「だなも」というユーモラスな語尾がつきますが、英語版では“Yes, yes!”が口癖の「押し売り店員」のように強引なサービスの薦め方をしてきます。海外レビューの「資本主義の権化」などという言われようも納得ですね。
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同様に、まめきち、つぶきちもそつの無い立派な店員らしい接客に。このまま素直に育ってくれればいいのですが……。
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たぬき開発も「Nook Inc.」となっており、企業ロゴにも変化が見えます。様々なデザインに反映されていました。
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ドードーエアラインではNook inc.とは違う気さくな雰囲気があります。「wanna」「Gotcha」などのくだけた表現も満載で、なんと決め台詞も追加。困ったときは“What would dodos do?”と洒落の効いたフレーズが癖になりますね。
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もちろん捕獲時のダジャレコメントも完備。内容はほぼ別物になっているので、これが読めればお楽しみも倍増です。HA-HA-HA!
日本語版とはどう違うのだろう? その違いはどうして生まれたのだろう? そんなちょっとした「気になる」が生まれたら、それは絶好の学びチャンス。自力で考え、調べ、答えが分かった「発見」は学習の本当の楽しさとなって、また次の学びへ繋がるのです。
実践! ゲームの語学活用術
学習プランA:日本語、第二言語平行プレイ
本格的に学習教材としてゲームを使うにあたり、一つ注意しておきたいのは、「ある程度内容を理解した上で言語を切り替える」方が効率がいいということ。勉強で大事なのは最終的に身につけることであって、途中で必要以上に苦労するのはやる気を削ぐので逆効果です。ゲームの基本的なプレイを把握しないまま英語でやるのはお薦めしません。
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最初に推奨するのは、日本語と英語で別のキャラクターを作成し、「同じ日」に「同じ内容」のプレイを進行する方法です。このとき、日本語を先行するのが重要です。どんな場面があって、どんな会話があるのかを先に覚えて、次に同じ内容を英語でもう一度読む。細かい単語の意味は気にせず、大まかな文意を読み取る訓練です。これは収録言語なら全てに使えるので、大学でドイツ語やフランス語を学ぶ場合にも、ゲームを使って語学の補助に利用できます。
学習プランB:「通訳」付きアクティビティ
こちらはお子様のいる家庭にお薦めのプランで、TVモードで英語版を使用しながら、お子様と一緒にマルチプレイを通じて英語学習を行うという方法です。
英語の読める親がキャラクターとの会話を訳しつつ、アイテムの入手やクラフトを英語表記に準じて子供達と一緒にプレイするというものです。積極的にアイテム名などを英語で読ませることで、英語の読解が楽しいものであると体感させられるのです。「英語ができる親」というアドバンテージを見せることもできるので、親子で一緒に楽しく英語学習ができるというわけです。
このように、ゲームはただ遊ぶだけでなく、使い方次第で知的好奇心を刺激する素敵なツールになるのです。新しい年度の始まりとともに、ゲームで語学留学を始めて見てはいかがでしょうか。
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