
中国ではソーシャルメディアにおける周知度が最も重視されています。“中国版Twitter”のweiboでは、『アークナイツ』公式アカウントのフォロワー数は約99万、『アズールレーン』が約41万、『山海鏡花』が約21万です『(4月末日記事執筆時点)。リリース間もない点を見れば、『山海鏡花』は、中国でヒットする可能性を十分秘めていますね。




本稿では、『アズールレーン』や『アークナイツ』のように、日本でヒットする可能性のある『山海鏡花』を検証します。
世界トップクラスのゲーム市場を持つ中国
モバイル市場のデータを集めて分析している「App Annie」によると、2019年のアプリ市場の成長に大きく貢献をしたアプリパブリッシャー(アプリ提供企業)を表彰する「トップパブリッシャーアワード」は、1位にTencent、2位にNetEase、と両社とも中国企業でした。
さらに、「2019年の中国遊戯産業年度報告」を見ると、2019年の「中国ゲーム市場および海外市場での売上」は3,100億元(約4.7兆円)で、2018年の売り上げから10.6%も伸びています。
中国市場は新作のリリースを大幅に減らした9ヶ月間に及ぶゲームライセンスの凍結で低迷したものの、依然として世界トップクラスの規模を持っています。
(※)1元=15.15円
中国でトップクラスの人気を誇る『陰陽師』、『王者栄耀』
中国ゲーム事情について、中国のコスプレカメラマンやコスプレイヤーに話を訊きました。
現在、ロングヒットを飛ばしている中国ゲームアプリといえば、陰陽師・安倍晴明が式神を率いて魑魅魍魎と戦う『陰陽師』、マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ型ゲーム『王者栄耀』です。また、2019年4月に配信された『アークナイツ』の大ヒットも記憶に新しいでしょう。

中国では「新しいゲームをプレイして、周りに紹介する。トレンドを見逃さない」ということが一つの美徳とされており、流行が移ろいやすいという特徴があります。その中で『アークナイツ』は、近年のヒット作では見かけないタワーディフェンスゲームという目新しさがあったと評されています。
『山海鏡花』は中国と日本でヒットするのか?
このような中国の状況下でリリースされた『山海鏡花』ですが、なかなか良いスタートダッシュだと評価されています。


『アークナイツ』はキャラクターデザインが好評でしたが、『山海鏡花』も似たテイストのデザインで、重厚な世界観を感じさせます。また、オープニングアニメーションで流れる主題歌は、日本版と中国版があります。ここから見ても日本配信を視野に入れていると推測できます。


本作は中国の妖怪がストーリーの軸になっていて、物語の幕開けを要約すると次の通りです。

【要約】
古代において神々の最終戦争があり、多くの神々の生死が不明となった混沌とした大地が残りました。やがて、千年が流れて復興した世界は、科学と巫術が共生したものに。ある日、村を訪れた謎の人物によって、少年は失われた千年の空白を探す召命を受けます。少年の宿命と向き合う冒険が始まったのです。


美麗な3Dグラフィックによるバトルは、通常攻撃とスキル発動が基本的な攻撃手段です。操作は簡単ですが、演出がかなり凝っているのが見どころですね。ストーリーとキャラクターで勝負するゲームという印象を受けました。スタートダッシュでは、無料120連ガチャが回せたり、無料でキャラクターのスキンが入手できたりする大判振舞いです。


2019年7月開催のイベント「上海CCG」では、日本のトップコスプレイヤーえなこさんを起用するなど、大手ゲームメーカーならではの資本力も確認できました。
これまでの中国ゲームアプリの水準を上回る3Dグラフィックのクオリティ、アニメーション演出が特色であり、他ゲームと差別化できる点です。まだリリースされたばかりですが、期待値は高いと言える『山海鏡花』。なお、日本での配信日は未定となっています。
取材協力:Cooperimu(Twitter:@cooperimu)