兵器として産まれた存在について、考えたことがありますか? 『ペーパーマリオ オリガミキング』は「ボム兵」の奥深さを教えてくれる一作【ネタバレあり】

あなたは兵器として産まれた生き物について考えたことはありますか? 『ペーパーマリオ オリガミキング』はそれを教えてくれるのです。(※ネタバレ注意!)

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兵器として産まれた存在について、考えたことがありますか? 『ペーパーマリオ オリガミキング』は「ボム兵」の奥深さを教えてくれる一作【ネタバレあり】
兵器として産まれた存在について、考えたことがありますか? 『ペーパーマリオ オリガミキング』は「ボム兵」の奥深さを教えてくれる一作【ネタバレあり】 全 8 枚 拡大写真
※この記事には『ペーパーマリオ オリガミキング』のネタバレが含まれています。

2020年7月17日にニンテンドースイッチで発売された『ペーパーマリオ オリガミキング』では、マリオがさまざまな仲間とともに冒険を繰り広げます。そのなかでも特に印象的な仲間はボム兵の「ボムへい」ではないでしょうか。

『スーパーマリオ』シリーズに登場するキャラクターは、改めて考えてみると確かにヘンな存在がけっこう多いです。しかしそのなかでもボム兵は特に異質で、『ペーパーマリオ オリガミキング』はそれを逆手にとっているのです。

そもそも「ボム兵」とは


上記画像は『スーパーマリオブラザーズ3』より

ボム兵は『スーパーマリオブラザーズ3』で初登場した敵キャラクター。踏むと爆発する敵で、アクションゲームのギミックとしては定番の存在ですよね。

ただ敵を踏んでも倒したことにならず、かつノコノコとは違って時間が経つと爆発する仕組み。その爆発で壁を壊すこともできるわけです。

クリボー、ノコノコ、クッパなどは実際の生き物がベースになっている存在ですが、ボム兵は爆弾が元ネタなので兵器なわけです。同系統はキラーやドッスンくらいでしょうか。


つまり、ボム兵は生き物でありながら兵器でもあるという存在なのです。この設定を『ペーパーマリオ オリガミキング』では上手く使ってるわけですね。

『オリガミキング』でのボム兵の活躍



『ペーパーマリオ オリガミキング』でマリオの仲間になるボムへいは、記憶喪失になっている存在です。マリオたちとはロープウェイでたまたま出会い、なんとなく行動をともにするようになります。

仲間になること自体はいいのですが、このボムへいはとにかく役に立ちません。むしろマリオの冒険を邪魔するかのような感じですし、なぜか導火線がないのでバトルでもほとんど活躍しないのです。


しかし物語が進み、マリオの相棒となる「オリビア」がピンチに陥ったとき、ボムへいは記憶を取り戻して活躍します。彼はどのように活躍するのか? それはもちろん、大爆発するという方法です。

『ペーパーマリオ』シリーズでは爆発しても問題ないボム兵の亜種キャラクターがたくさん存在しますが、『ペーパーマリオ オリガミキング』では爆発したものは戻りません。ゆえに、本作を遊んだ人は「ボム兵」が忘れられない存在になるのです。

ボム兵は誰のために爆発するか



『ペーパーマリオ オリガミキング』では後半にシューティングのミニゲームがあり、そこではボム兵を撃ちまくってオリガミ兵と戦いを繰り広げるのです。

あれだけボムへいの悲しいイベントを見たあとだというのに、ほかのボム兵も兵器として撃ちまくるなんて…! ボム兵が生き物であり兵器であるという設定を逆手にとったとんでもない内容になっています。

とはいえ、そもそもボム兵はキノコ王国を侵略するために作られた存在であることは間違いないわけです。爆発して消えていくのはむしろ本来の目的を果たしていますし、それどころかオリビアをはじめとする仲間のために爆発するのであれば、それは幸福とも考えられるのではないでしょうか。


そもそも爆発するために産まれてきた生物、それがボム兵です。そんな悲しい生物の魅力を描いているのが『ペーパーマリオ オリガミキング』。マリオ関連シリーズでありながら、それを描いてしまった作品なのです。

《すしし》

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