映画シリーズは一旦完結しましたが、ドラマやアニメシリーズ、ゲームなどの他メディアの方はまだまだこれから勢いを増していきそうです。
「スターウォーズ」のゲームの中で、歴史を塗り替えたと言っても過言ではないのが、『スターウォーズ帝国の影』という作品です。先述の『Squadrons』や現在オンラインサービス展開中の『バトルフロント2』、そして『ジェダイフォールンオーダー』などのアクション作品の礎ともなっている本作を振り返りながら、これからのスターウォーズに思いをはせてみます。
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スターウォーズのゲーム史に残る名作『帝国の影』
『スターウォーズ帝国の影』は1997年にNINTENDO64向けソフトとして発売。当時、「スターウォーズ特別編」の映画公開に合わせて始まったメディアミックス作品の一つです。小説やコミックなどと合わせてこのゲーム作品も発売されたという経緯があります。
時間軸は「帝国の逆襲」から「ジェダイの帰還」にかけての間、映画本編には登場しない「ダッシュ・レンダー」という人物を主人公として繰り広げられるオリジナルストーリーが楽しめます。
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このソフトの革新性はなんといってもスターウォーズの世界を非常にリアルにゲーム上に再現しているということ。多くのファンが夢見たであろう映画のあの場面を自分が体験し、その世界を実際に旅することができる。ファンにとってたまらないゲームだったことは間違いありません。
筆者も子供の頃に友人と交代でプレイしたことをおぼろげに記憶しています。ほとんど忘れてしまっているので、当時の記憶を掘り起こしながら本作を実際に見ていきます。
ホスの戦いをリアルに再現
ゲームをスタートすると導入のストーリー説明の後、すぐに氷の惑星ホスの戦いが始まります。いきなり映画の名場面を冒頭に持ってくることで、プレイヤーは一気にゲームの世界に引きこまれます。
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そのまま反乱軍のスノースピーダーを操作することになります。このスピーダーの動きがもう映画そのもの。自分の手でスノースピーダーを操縦し、リアルな惑星ホスを飛び回れるなんて夢のようだと感じたことでしょう。
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指示通りに敵を倒していくと、とうとうAT-ATウォーカーが登場。映画ではこのAT-ATウォーカーの脚にワイヤーをからませ、転ばせて撃破するという戦法を取っていました。『帝国の影』が革新的であるのは、このワイヤーをからませるという戦法を実際にゲームでプレイ可能にしたところ。NINTENDO64の3Dスティックの性能を存分に発揮したゲームデザインとなっています。
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そのまま周囲をぐるぐる旋回して転ばせる作戦を実行だ!
ウォーカーの近くまで接近するとケーブル発射の指示が出ます。それに併せてボタンを押してケーブルを放つ。映画で何度も見て、それこそ脳裏に焼き付くほど好きな場面なので、脳内シミュレーションはバッチリです。いざ、挑戦。
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…非常に難しい。ウォーカーの脚から離れすぎるとケーブルは切れてしまいますし、近づきすぎると激突してしまいます。絶妙な距離感で旋回するのに苦労します。たしか映画ではウェッジがこの作戦でウォーカーを転倒させることに成功していました。さすが、後に隊長になるだけのことはある。彼がたただものではないということがよくわかりました。
実際のところ、このゲームは操作性が良いとは言えません。スピーダーを思ったとおりに移動させるのに苦労します。しかし20年前の作品と思えば、このくらいの操作性は目をつぶるべきでしょう。ちなみに数回の失敗の果てにウォーカ-をすべて撃退することに成功。操作性に難はあるとは言っても決してクリアできないほどの難しさではないのです。
惑星ホスのエコーベースを脱出 ダッシュレンダーの冒険がスタート
ホスの戦いをクリアすると、続いてダッシュ・レンダーの冒険が始まります。最初の目的はホスの反乱軍基地からの脱出です。歩き出すと、すぐ視界に入ってくるのはハン・ソロの船「ミレニアム・ファルコン」。この船が基地から脱出するところは、映画でもおなじみの場面です。何度も映画で見た光景をこんなに間近で、自分の視点から見ることができるなんて。多くのスターウォーズファンが技術の進歩に感謝したことでしょう。
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万が一遭遇したら殺されてしまうかも、と冷や汗。
ファルコンを見送ったら基地内のストームトルーパーを撃退しながら自分の船へと移動します。目的地へ到達するための仕掛けもありますが、そこまで複雑な謎解きはありません。
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敵がやられる時の悲鳴は、映画の声をそのまま。ファンには聞きなれた声ですね。
シューティングゲームですが、エイムはほぼ自動。主人公の向きを変えることはできますが、特定の敵に狙いを定めて銃を撃つことができません。なんとなく敵のいる方向を向いてボタンを連打していると自動で敵に狙いが定まっていくようになっています。メインのブラスターは弾切れを起こさないため、とにかく連打しているだけでOK。シューティングゲームが苦手でも全く問題ない難易度です。
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火の玉を放つフレーム・ウエポン。
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ワンパというより、ウルトラ怪獣の人工生命M1号みたい。
シューティングとしてはかなり大味ですが、ゲームとして純粋に面白い。スターウォーズファンとしての思い出補正がかかっていることを加味しても、今プレイしても色あせないワクワクドキドキがあると感じました。
恐るべき敵 まさかのジャンプアクションと帝国の機動兵器
ホス脱出の終盤、思いもかけない罠に遭遇します。自分の船「アウトライダー」までもう少しのところで登場したのは、裂ける地面。ここでまさかのジャンプアクションを強いられることになります。
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これはスターウォーズじゃなくて、スーパーマリオで求められる遊びでは…。
先ほどスノースピーダーのところで操作性に難ありとお話しましたが、それは主人公の操作も同様。彼の操作性はスピーダー以上に難しく、思うように動いてくれない場面が多々発生します。ここまでは狭い足場などもほとんどないため問題になりませんでしたが、落下死の危険性があるとなれば話は別。この操作性で裂ける地面を飛び越えることは、苦行になること間違いなし。
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数回の落下死であっという間に残機を減らしてゲームオーバー。ホス脱出の最初からやり直してなんとかこの苦行を突破することができました。当然そんなむちゃくちゃな難しさではありません。時間の余裕もありますし、ちゃんと落ち着いて飛べば決して難しくはないのです。ですが、筆者にはとても辛かった…。
ようやくこの難所を突破したと思って先に進むと、その先で思いがけない相手と対面します。
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AT-STウォーカーの登場。まさかの帝国軍の機動兵器と生身の人間の一対一の戦いが繰り広げられることになります。ここで筆者は少年のころの記憶を取り戻しました。幼く、ゲームが苦手で臆病で純粋な少年だった筆者は、ここで気持ちがすくんでしまい、友人がプレイするのを横で見ていることしかできなくなったのでした。
20年越しに、純粋だった少年時代の筆者の仇打ちをする時が来ました。いざ。
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AT-STとの戦いで重要なのは、周囲に見える足場をうまく利用して高い位置から狙うこと。また、実は無敵状態になれるお助けアイテムもあるので、それを活用することで有利に戦闘を進めることができます。
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スターウォーズ風に言うならばシールドを張っている状態です。
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無事のあの頃の自分の仇を取ることができました。
この後も続々強敵が立ち並ぶ ダッシュ・レンダーの冒険
先ほど筆者は本作が低年齢層向けに作られたゲームだと説明しましたが、実際には結構シビアなゲームでした。最初のAT-ATウォーカーとの戦いから、AT-STとの一騎打ちまで、序盤だけでも容赦の無い構成。また空中戦は自動照準ではないため、手動で狙いをつける必要があります。しっかりとしたテクニックを要求されるシューティングゲームになっています。
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この後も、ジェットパックを使用しての冒険もあり、ボバ・フェットとの戦いもあり、スターウォーズの世界を楽しむことができるようになっています。
ここで、2017年発売の『スターウォーズ バトルフロント2』の画像を少し。
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素晴らしいグラフィック。『帝国の影』からPS4版『バトルフロント2』までちょうど20年がたっています。その間の技術の進化に驚かされますね。これも、『帝国の影』のような作品が土台にあったからこそたどり着いた進化だと言えるでしょう。そう思って見ると、なかなか感慨深いものがあります。
『帝国の影』を2020年の今プレイするのは、グラフィックや操作性の問題であまりおススメはできません。しかし、原作再現度を考えるとスターウォーズのゲームの歴史にもたらした影響は非常に大きいと言えます。現状NINTENDO64以外に、英語版がsteamで購入可能です。スターウォーズファンならば、チャンスがあれば一度は触れてみていただきたい作品です。