乙女ゲームなのに主人公は恋の橋渡し役!?『キューピットパラサイト』は男性の恋を応援する異色の新作【プレイレポ】

男性キャラクターを攻略するのが乙女ゲームですが、今回の主人公は恋のサポートをするブライダルアドバイザー!?

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乙女ゲームなのに主人公は恋の橋渡し役!?『キューピットパラサイト』は男性の恋を応援する異色の新作【プレイレポ】
乙女ゲームなのに主人公は恋の橋渡し役!?『キューピットパラサイト』は男性の恋を応援する異色の新作【プレイレポ】 全 6 枚 拡大写真
オトメイトから、今年の夏に発売された新作乙女ゲーム『キューピットパラサイト』は、アラビアンな世界で三角関係を描いた『蛇香のライラ』のクリエイター陣が手掛けた完全新作です。まだ買い悩んでいる人のために、本作の魅力を紹介します。

前途多難な婚活ラブコメディー



神界から人間界へ、恋の矢を放ち、日々カップルを生み出すのが使命のキューピットである主人公。ある日、マーズ神から人間界の成婚率が低下しているのは、主人公がサボっているからだと怒られます。成婚率どころか少子化問題の解決についてもキューピットの責任にする、マーズ神の言い分に納得できない主人公は大喧嘩。人間は無力で神がすべて導かなければならないと言う言葉で、神の力よりも人間の力が優れていることを証明すると決意します。

かくして、人間界に人間として降臨した主人公は大手結婚相談所「キューピット・コーポレーション」のブライダルアドバイザーとしてキューピットの力を使わず恋結びをしていきます。日々の頑張りが実を結びトップ・ブライダルアドバイザーに上り詰めた主人公は、社長から、社内でも有名な厄介な会員5人「parasite5(パラサイトファイブ)」の成婚に導くことを言い渡されるのです……。


本物のキューピットである彼女でさえ手を焼く彼らとの、前途多難な婚活ラブコメディーの本作。それぞれややこしい問題に抱えている彼らはそれぞれ、失恋をひきずっていたり、SS(最高ランク)を保つこと固執していたり、マニアックな趣味にこじらせていたり、美意識が高過ぎて外見に点数をつけたり、略奪愛ばかりしているなど厄介な会員ばかり。彼らと恋愛しようとするのではなく、相性の良い女性と結ばれるように奮闘する斬新なストーリーです。主人公には恋愛する気がないという点は、同じオトメイトの作品の『VARIABLE BARRICADE』を連想させますね。

主人公は恋する乙女ではなく、恋を成就させるキューピット!



主人公は人間ではなく神界にいるキューピットです。キューピットの使命は恋結びということもあり、ブライダルアドバイザーの仕事は天職で生き生きと働いています。一般的にブライダルアドバイザーとは挙式の手伝いをする仕事のことですが、このゲームに出てくるキューピット・コーポレーションでは成婚させる人も同じ肩書きが使われています。乙女ゲームなのに、他人の恋愛を応援する恋の仲介役を主人公にするのは、一風変わったコンセプトですね。

主人公は長年、カップルをつくることを使命とし、人間界に降りた今も変わらず縁結び一筋です。そんな彼女は自分の恋愛には無関心。しかも、自分に向けられる恋心には鈍感で、好意に気付かないどころか鼻から興味がない様子。ブライダルアドバイザーと、会員ということもあり、恋を自覚してもすれ違ってしまう、ビジネスウーマンの恋愛サクセスストーリーが楽しめます。


主人公は、前向きでポジティブな性格で、一生懸命に働く姿は仕事が大好きなんだと感じさせ、応援したくなってきます。また、映画やドラマの知識から人間のことを学び、うまいこと人間に擬態しています。ですが、人間界に降りて日が浅いこともあり、ときたま常識のなさを感じさせる行動をとったりと、周りをドギマギさせています。

コミカルで軽快なストーリー



ラブコメディーということで全体的にコミカルな雰囲気で、ゲーム画面やデザインがポップです。乙女ゲームではリアルな背景イラストが多い印象でしたので、『キューピットパラサイト』の原色イラストのような背景は一周回って新鮮さを感じさせます。肝心の攻略対象キャラクターたちはそろって個性が強く問題だらけのようですが、恋愛面以外では常識人が多く、主人公を含め仕事に対して真摯に向き合っており好感が持てます。サブキャラクターも個性派ぞろいで物語を引き立ててくれます。


『キューピットパラサイト』では、フローチャートが存在しイベントは細かく分けられてます。イベントひとつひとつの話はサクサクと進むので、物語のテンポはいいです。個別ルートに入ると主人公視点だけでなく相手キャラクター視点が多くあり、キャラクターの心情がよく分かる文章となっています。また、ゲームの進行途中には主人公のラブタイプを診断する「lovetypetest(ラブタイプテスト)」が発生します。このテストの診断結果がエンディングを左右します。

また、本作の面白い点として、物語の随所にパロディネタが多く登場することが挙げられます。洋画や海外ドラマ好きはクスリとしてしまいますよ。ただ、ルートによってはストーリー終盤の核心に迫るシーンにもパロディネタが使われているので、苦手に感じる人もいるかもしれません。

また、展開の切り替わりが早く、急に起こる超展開はあまりに突拍子がないものもあり、プレイヤーをビックリさせることでしょう。バッドエンドもギャグ寄りなエンドとシリアスなエンドが存在していますが、ゲームの全体の雰囲気がコメディーなためか、悲惨な結末と感じさせない点も本作の特徴です。



いかがだったでしょうか、キャラクターが魅力的で筆者は、プレイしているうちにキャラクターにどんどん愛着が沸き楽しめました。オトメイトは9月にも完全新作として、源義経を女性として描き戦乱の世を駆ける『ビルシャナ戦姫 ~源平飛花夢想~』、明治を舞台に殺された父の真相を探り世直しを行う物語の『明治活劇 ハイカラ流星組 -成敗しませう、世直し稼業-』がニンテンドースイッチから発売予定です。そちらも楽しみですね!

《アサマレ》

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