脳がトリップするほど“音”がぶつかってきやがる!ロックvsEDMの激闘を「これでもか」と描いた『No Straight Roads』は、音楽好きこそ遊ぶべき隠れた名作

“ロックvsEDM”、勝者は決めるのはあなたの耳だ!

ソニー PS4
脳がトリップするほど“音”がぶつかってきやがる!ロックvsEDMの激闘を「これでもか」と描いた『No Straight Roads』は、音楽好きこそ遊ぶべき隠れた名作
脳がトリップするほど“音”がぶつかってきやがる!ロックvsEDMの激闘を「これでもか」と描いた『No Straight Roads』は、音楽好きこそ遊ぶべき隠れた名作 全 16 枚 拡大写真

マレーシアの会社「Metronomik」が開発した音楽アクションADV『No Straight Roads』(PS4/ニンテンドースイッチ/Xbox One/PC対応)が8月27日に発売されました。

“EDMに支配された街をロックの力で取り戻す"、そんなド直球なプロットで展開される本作は、どちらかの音楽が好きな方ならば「お?」と興味を持ってしまうのではないでしょうか。筆者も発売前から楽しみにしており、先日ようやくクリアすることができましたので、今回はこのゲームについて紹介していきます。

ロックは前時代の音楽?打倒EDMに燃える若者たち


物語の舞台は音楽の都「ビニールシティ」。かつては隆盛を誇っていたロックミュージックも今や存在感がなくなり、代わりに台頭したEDMが街のシンボルとして君臨しています。

伝説のロックバンド「クル・ファイラ」にあこがれる少女メイデイは、落ちぶれてしまったロックの魅力を世間に伝えるため、バンドメンバーのズークとともにNSR主催の音楽オーディション番組に出演することに。


NSRは音楽レーベルでありながらビニールシティ全体を牛耳る大企業。そのトップに立つタティアナはなぜかロックを毛嫌いしており、オーディションに挑むメイデイたちを酷評するのです。

「ロックの時代は終わりよ。EDMがこのシティを支配しているの」



タティアナの高圧的な発言に、怒りを爆発させるメイデイ。会場を飛び出した彼女は、NSRが街中の電力を不当に私用している事実を知り、自分たちの名誉とロックの再起をはかるためにNSRと闘うことを決意するのです。

権力を乱用するNSRに宣戦布告するメイデイたち!

音ゲーが苦手な人でも問題なし!自由にアクションを楽しもう


「音楽」が作品の重要なテーマになっているため、『パラッパラッパー』などの音ゲーを連想する方もいるかもしれませんが、本作はメイデイとズークの2キャラを操作して敵を倒していくアクションADV。リズムに乗って攻撃してくる敵は多いですが、プレイヤーは自由にステージ内を動き回ったり相手にダメージを与えることが可能。「興味はあるけど音ゲーは苦手だから......」と躊躇している方も安心して楽しむことができます。

メイデイは攻撃力が高く、ズークは小粒なダメージながらも連打攻撃が可能。

タイミングに合わせて特定の攻撃をパリィして、敵に跳ね返しましょうl本作のリズムゲー要素でもあります。

ビニールシティを探索することでアイテムを集められます。道に落ちているステッカーを使って特定のパラメーターを強化したり、スキルツリーを育成して新たな技を覚えたりすることも可能。メイデイたちのファンを増やすとスキルツリーで覚えられる技レベルが上がるので、積極的に自分たちの魅力をビニールシティの人々に発信しましょう。NSRのアーティストたちを倒したり、街中に電気を供給したり、ラジオでバンドの声明を伝えたりすることで、ファンの数はどんどん上昇していきます。

スキルツリーで色々な技をゲット!

ゲームが進むにつれて、どんどん自分たちのファンが増えていく!

極上のサウンドトラックが光る、新感覚ミュージック系アクション!


個人的に本作は“音楽ゲー”として素晴らしい出来栄えだと思っています。その理由はステージ内で流れるハイクオリティなサウンドトラックの存在。

『キングダムハーツ』シリーズのサウンドデザイナーを務めたJames Landino氏や、『ストリートファイターV』で作編曲に携わった凄腕ギタリスト Masahiro“Godspeed" Aoki氏など著名なコンポーサーが多数起用されており、ひとつひとつの楽曲が極上のサウンドに仕上がっているのです。

さらに面白いのが、ロックvsEDMという対立構造を実際にBGMでも表現させている点です。ステージ内のボスキャラとして登場するのはNSR所属のアーティストたち。彼らとのバトル時にはEDM調にアレンジされたサウンドトラックが流れるのですが、こちらの勝利に近づくにつれて曲調がロックに切り替わるというこだわりぶり。バトルでどっちが優勢なのかを耳で判断することもできるのは、ミュージック系アクションゲームならではの演出と言えるでしょう。


”音楽と音楽の戦い”にこだわった表現は他にもあります。たとえば、△ボタン(PS4版)を長押しするとプレイアブルキャラが楽器を演奏するモーションに入るのですが、そのときメイデイを操作していればギターをかき鳴らし、ズークであればドラムを打ち鳴らします。よくよく耳を傾けると、現在ゲーム内でかかっているBGMに彼らの演奏がうまくかみ合っていることに気づくはず。

演奏することでオブジェクトに電力を供給できます。メイデイたちの音楽がフロアに炸裂!

ゲーム内で流れる様々な音楽――軽快なフュージョンやポップなアイドルソング、そしてオシャレで洗練されたEDMに対抗するかのように、メイデイたちのハードロックさながらの激烈なギターやドラムが割り込んでくる様は聴いていて圧倒されます。それはセッションというよりも、音のぶつかり合い。プライドをかけたジャンル同士の勝負。それでいて破綻することなく曲として成立させているのだから、さすがは一流の作曲家たちが集結したゲームです。

日本語ローカライズにも力が入っています!


海外のインディーゲームでありながら、日本向けのローカライズが非常に充実しているのも特徴のひとつ。主人公のメイデイの声を佐倉綾音さん、その相棒役ズークを福山潤さんが演じているという豪華な配役に加え、ゲーム内には原宿をモデルにしたようなエリアや、VTuberをモチーフにしたようなアイドルも登場します。

ここは原宿!?しかし109っぽいビルが奥に見えるので渋谷の可能性も捨て切れません。

ビニールシティでもプリクラは人気みたいですね。

極めつけは2ステージ目のサウンドトラック。プレイヤーからの人気が高いSAYUというバーチャルアイドルと戦うときに流れる曲が、なんと日本語の歌付きなのです!海外のゲームでJポップが聴けるとは……色彩豊かなステージ世界と相まって筆者の脳内が一瞬トリップしかけてしまいました。しかも名曲なのが素晴らしい(ちなみに日本語音声で遊んだ場合に流れる仕様です)。

人魚の姿をしたバーチャルアイドルSAYUは、作中と同様に多くのファンがいるキャラクター。

本作のディレクターであるワン・ハズメー氏は、スクウェア・エニックスで『Final Fantasy XV』のリードデザイナーを務めていた経歴があり、もともと日本とは縁のある人物。このローカライズ性の高さにも頷けます。



『No Straight Roads』はMetronomikのデビュー作にして独創的なゲームです。ロックとEDMの戦いを最後まで見届けたとき、はたしてどちらの音楽が勝者となるのか……それはあなた自身の“耳”で確かめてみて下さい。

《春井メイゾウ》

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