今回は、Spidersが開発し、Game Source Entertainmentが発売した『グリードフォール』のPS4版です。
本作は、17世紀のヨーロッパをモチーフにした剣と魔法のファンタジーRPG。習得するスキルによって戦い方がガラリと変わるバトルシステム、選択次第で展開が変わるマルチエンディングといった自由度の高い要素が含まれています!
説明を聞くと面白そうなのですが、ネットでの評価はボロクソ……。その理由は、文法がおかしいセリフや、性別に合っていない口調といった日本語翻訳のクオリティの低さにあり、ストーリーの把握も困難といわれるほどでした。
洋ゲーといえば元々ややこしい言い回しのセリフが多いし、そこまで評価を落とすようなものだったのかなと公式サイトに記載されている動画(上記の動画)を見たのですが……

うん、確かにこれはキツいかなあ。いや、逆にちょっと面白そうではあるのだけど。
とにかく作品の没入感を損ない、プレイに支障をきたすことは確かです。そこで本作のゲームとしての出来だけではなく、アップデートでこのトンデモ翻訳がどのように改善されたのかという点も確かめてきました!
アプデでトンデモ翻訳は改善された?

環境汚染と人口過多に加え、不治の病「マリコール」の蔓延により人類は絶望の淵に立たされていた。そこに一縷の望み……疫病を免れて人々の手に侵されていない島「ディア・フラディ」が発見される。ここにあるかもしれないマリコールの治療薬を見つけるため、主人公は海を渡るのだった。
まずはキャラクターメイキングだ。
顔パーツや肌の色などが変更可能。顔パーツは細かく微調整出来ないものの、種類が多いので個性的なキャラクターが作れそうだ。
僕は、眉毛が下がった、今にも泣きそうな情けない顔の男を作った。情けない顔の主人公を作るのが好きなのだ。

続いて開始クラスの選択だ。
武器を使った近接攻撃に秀でている「戦士」、銃やトラップの設置が得意な「技術」、魔法攻撃が使える「魔法」の3つのクラスから選べる。

そして初期スキルポイントの振り分け。むむ、決めることが多いな……。
開始クラスを戦士にしても魔法は使えるし、スキルポイントもレベルアップ時にもらえるので、キャラクターメイキングの時点ではいくらでも取り返しがつくのだが……

悩みに悩み抜いてしまう性格なので結局1時間以上かけてしまった。

この日、主人公デ・サルデがディア・フラディに向けて出航する。大いなる旅立ちの前にやることはまず……セリフのチェックだ!


主人公とムッシュ・ド・クルシヨンは長年の親友なので、アップデート適用後の方が自然な口調に感じる。でも適用後も「てにをは」がおかしくないか?むむむ。
その後、しばらく両方のバージョンでプレイしてみたが、トンデモ翻訳の多くは修正されていたのでストーリーが把握出来ないことはなかった。しかし、全て再翻訳されたわけではないので、ところどころ怪しい翻訳が残っている。

例えば、明らかに「見て!」なんて言わなさそうな顔のおじさんがいた。

一昔前の洋ゲーってこんなレベルの翻訳も多かったし……まあセーフ範囲だろう。
自分に合った戦闘スタイルを見つけよう!

出航まで街をぶらぶらして過ごしていると、突然戦闘が始まった。神室町かな。
近接武器攻撃や銃による遠距離攻撃のほかに、蹴りを入れて敵の体勢を崩すことも可能だ。よろめいた敵をボコボコにするチャンスが生まれるので、武器攻撃と蹴りをバランス良く使っていくのがいいだろう。

野生動物相手にも果敢にキック!相手はふらふらだ!

しかしこの蹴り方、チンピラっぽくて面白い。

バトル中はいつでも一時停止が可能だ。停止中は、コマンドRPGのように魔法やアイテムをゆっくり選べるので助かる。
魔法やアイテムはショートカットに登録出来るので、慣れてきたらいちいち停止せずにスピーディーなバトルが楽しめるだろう。

武器や魔法以外に、地面にトラップを仕掛けられる。このように戦い方にバリエーションが多いので、自分に合った戦い方を見つけるのが楽しい。
敵は人間や野生動物だけではない。

ティア・フラディには、恐ろしい化け物も存在するのだ。

勝手に「史実ベースの歴史モノかな~?」と思っていたのだけど……そうだよな、魔法が存在する世界だもんな。居るよな、クリーチャーくらい……。
クエストは暴力的に解決!嫌われちゃうかな……

本作には、メインクエストの他にサイドクエストなどの寄り道要素が用意されている。
寄り道が大好きな僕は、本編そっちのけであちらこちらに彷徨ってしまうじゃないか!

それにクエストの進行方法は1つではない。例えば敵のアジトに潜入する場合、ピッキングで裏口のドアを開けたり、科学の力で爆発物を作って壁を壊したり、敵の衣装を身に着けて素知らぬ顔で潜入することも可能だ。

ただ、これらを使用するためには該当の能力を習得する必要がある。序盤は習得ポイントが貯まりにくいので、やりたいことがなかなかやれずに少しもどかしかった。

敵の血を流さずにクエストを解決することもできる。実に自由度の高いゲームだ!
ディア・フラディには原住民や商人など6つの勢力が存在し、それぞれとの信頼関係がレベルで表現されている。

僕は誰とも暴力的に接してきたせいか、ほとんどの勢力との関係が壊滅的だ。

しかも仲間との関係も「疑わしい」だ。僕ってこんなに嫌われていたのか。
仲間のクエストを全く進めていないせいで信頼関係が築けていなかったのだろう。
あれ、これハッピーエンドを迎えられるのかな……?
前述の通りトンデモ翻訳は概ね改善されていたものの、ちょっとおかしい程度のものはそのまま、もしくは変更されていてもおかしい箇所が多かったです。

謎のパラメーター「怒れる将軍(どうやら必殺技ゲージの増加量を指す言葉らしい)」は健在。まあこの辺はオモシロ翻訳として個人的には許容範囲です。
全体的にプレイに支障をきたすほどのおかしな翻訳はなかったと思います。本作は、日本語ローカライズの見直しなどを理由に一度発売を延期した経緯があります。その発売時期をもう少し延期して翻訳のクオリティを上げられなかったのかと個人的に思いましたが、何か理由があるのでしょう。
ゲームの部分は、ザコ敵の種類の少なさや、特定の場所からしか出来ないファストトラベル、ちょっとした段差を乗り越えられない移動の不便さといった細かい粗が目立ちましたが、自由度の高さや世界観は抜群に良かったので、気になった人はプレイしてみてください。パッケージ版が値崩れを起こしていることですし……(記事執筆時は1月29日)。
国内版『グリードフォール』はPS4を対象に発売中です。
吉田輝和のプロフィール:自画像の絵日記を20年以上書き続けている謎のおじさん。近年、「ちおちゃんの通学路(KADOKAWA)」や「お稲荷JKたまもちゃん(一迅社)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」などの人気漫画のモブキャラとして登場しており、これまでアニメ作品に3回登場した。何故こんなに漫画に登場しているのか、描いた漫画家も吉田本人もよくわからないらしい。 最近、『スカイリム』を二人でプレイする絵日記企画「スカイリム二重人格ロールプレイの旅」をはじめた。同企画の最新話通知用Twitterはこちら。吉田輝和個人のTwitterはこちら。「吉田輝和の絵日記」で取り上げてほしいゲームタイトルがありましたら、こちらの申込みフォームで教えてください!すべての要望には応えられませんが、それでも出来るかぎり応えていきたいと思います。