2月10日、バンダイナムコエンターテインメントより、サスペンスアクション『リトルナイトメア2』が発売されました。ジオラマ風の奇妙な世界で、非力な子供達が謎の大きな存在から逃げ延びる物語ですが、言葉による説明は一切ありません。なぜこんな理不尽な世界に放り出されたのか、プレイヤーが想像を膨らませながら、殺意に満ちた危機をかいくぐっていきます。デフォルメされていてもそれなりにショッキングでグロテスクな演出もあり、恐怖に立ち向かう勇気が試されます。
今回は第1ステージまでのプレイレポートをお届けします。一部ギミックや内容に触れているので、これから初見でプレイする方はご注意ください。なお、今回のプレイレポートではSteam版を使用しています。
死の気配を見逃すな―少年の命はあまりにも脆い
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月明かりも見えない不気味な夜の森で、膝を抱えているのは主人公の少年「モノ」。直前の出来事がモバイル配信の「LITTLE NIGHTMARE DIGITAL COMIC BOOK」で少しだけ描かれていますが、彼がなぜ紙袋を被っているのか、どうしてここにいるのかは不明です。靴は履いておらず、何かにひどく怯えています。
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あてどなく森を彷徨う彼にできることは限られています。しゃがんで身をかがめる、ジャンプする、走る、物をつかむ。まずはこれらのアクションを使って生き延びなければなりません。
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Rボタンでできる「つかむ」アクションは応用が広く、拾う、投げる、押し引きする、よじ登るなど、状況によって様々に派生します。装置の操作もあり、「つかむ」で何ができるかを考えながら切り抜けていきましょう。
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薄暗い森を進んでいくと、落ち葉の中へ巧妙に隠された数々の罠と遭遇します。注意を怠ると簡単に引っかかってしまい、モノは一発で死んでしまうでしょう。ジャンプで回避をするか、物を投げ込んでおとりに使うか、慎重に周囲を観察して罠に嵌まらないよう気をつけます。
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何度も危ない目に遭いながらも、モノはある1軒の家に辿り着きました。その家は巨人が住んでいるように全てが大きく、この世界ではモノがネズミのように小さな存在なのだと思い知らされます。
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開いていた窓から中に入ると、そこはキッチンのようです。テーブルの上には中身の入った鍋が置いてありますが、それがどんな料理なのか、むしろそもそも料理なのかすら分かりません。周囲にぶんぶんと小蠅が飛び回っていて、どんなに空腹でも口にしてはいけないことだけは間違いないでしょう。
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他の部屋を探索してみると、この家に住んでいるのはどうやら猟師だということがわかります。廊下には大きな鹿の首が飾られていますが、骨は捨ててしまったのでしょうか、その顔は無様に潰れています。
すると、どこからともなくオルゴールの音が聞こえてきました。悲しげな旋律はモノを誘うかのように、地下に繋がる階段の方から響いてきます。
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地下室に行くと、閉ざされた扉の向こうに一人の少女がいました。隙間から覗くと、彼女は何かを待っているように延々とオルゴールを鳴らし続けています。モノは手近にあった斧を使って、脆くなっていた扉を破り中に入ります。
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斧を手にして現れたモノに驚くのも無理はありません。怯えて後ずさる少女に手を差し伸べましたが、彼女は拒絶して逃げて行ってしまいました。部屋の中を見回すと、何かをカウントしたのであろう印がいくつも付けられています。少女は一体どれほど長くここに閉じ込められていたのだろう? そう考える前に、モノは見失わないよう彼女の後を追います。
彼女を探して1階に戻ると、おそらく家主であろう、キッチンの方からごりごりと金属を擦るような重い音が聞こえてきました。何をやっているのかは分かりませんが、逃げ出した2人が見つかったら、おそらく命はないでしょう。
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いくつかの部屋を通って少女に追いつくと、彼女は2階に上がる梯子を下ろそうとしていました。しかし、巨人用の大きな梯子は彼女1人では到底動かせません。
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すると驚いたことに、少女はモノに対して呼びかけてきました。2人がかりならなんとかなると考えたのでしょうか。最初の出会いは最悪だったのに、少女の切り替えの早さに戸惑いつつも、モノは彼女を踏み台にレバーへ飛びつきました。
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少女もそれに続き、2人分の体重でなんとか落とすことに成功しました。
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頼もしい同行者を得て、協力して脱出の道を切り開けるように。重い物体を一緒に押して動かしたり、手分けして装置を動かしたり、先ほどまでの心細さと打って変わって一筋の希望が見えてきました。少女は自分から積極的に動き、モノを導いてくれるようにも思えます。
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家を脱出した2人は、外にある小屋を通り抜けようとします。中にはなんと、獲物の皮剥ぎ作業をしている猟師の姿が!その大きさは子供達の優に5倍はあるでしょうか、到底かなう相手ではありません。見つからないよう、Lボタンで身をかがめながらこっそりと後ろを通り過ぎます。
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あともう少しで抜けられると思ったそのとき、大きな音を立ててしまい、猟師が2人の存在に気づきました。猟師は散弾銃を手に2人を追ってきます。ズドン、という銃声と共に、モノのすぐ横にある木製の柵が砕け散りました。
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少女の方は少し先にある木箱の後ろに隠れました。モノも必死について行き、すんでの所で散弾銃から逃れます。その後も少女は常にモノの先を行き、率先して安全な場所を見つけて飛び込みます。このときモノは確信しました。少女は「逃げ方」を知っているのだと。
どんな過去を背負っているのか知るよしもありませんが、少女がこれまでにも幾度となく逃げ延びてきたのは、その身のこなしからよく分かりました。それもそのはず、彼女は前作「リトルナイトメア」の主人公「シックス」なのですから。
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子供達を見失った猟師はライトを使って辺りを捜索していました。幸いにもしゃがめば隠れられる草むらがあり、2人は手をつないだまま身を低くして進みます。おもむろにライトがこちらの方を向き、もはやこれまでかと身構えましたが、じっとしていると気づかれないまま、猟師はまた別の方向へ。その機を逃さないよう2人は動物の巣穴に潜り込み、その場を切り抜けることができました。
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その後もいくつもの危機を協力して乗り越え襲ってくる猟師を撃退したモノとシックスは、壊れたドアの上に乗って、霧に包まれた夜の海を漂流していきます。どれほど時が経ったのか、やがて立ちこめる靄の向こう側に、見たことのない大きな建物群がおぼろげに現れました。海岸にまるで防波堤のようにそびえ立つその建物群は、たくさんの窓がある団地のようですが、ひどく斜めに傾いている上、死んだように静まりかえっています。
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たった一つだけ、明かりが付いている入り口を2人は見つけました。それは脱出へ至る希望の光なのか、それとも獲物を待ち構える罠なのか…モノとノックスは強く手を握り、意を決して建物に足を踏み入れました――。
「つかむ」の使い方や「呼ぶ」アクション、同行者と協力してギミックを解くプレイは、『ICO』や『rain』を彷彿とさせます。ですがそれらとの決定的な違いは、シックスが守りを必要とする弱い存在ではなく、時に主人公の一歩先を行く優れたサバイバーであることです。追跡されているときの判断は恐ろしいまでに的確で、死の危険が迫っていてもシックスについて行けば必ず助かる、そんな頼もしささえ感じます。
また、道中では収集品の帽子を拾うことがあり、紙袋のままのモノに被せてあげられます。誰かの思いが残されている遺物なので、大切に使ってあげましょう。
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『リトルナイトメア2』は、PS4/Xbox One/ニンテンドースイッチ/PC(Steam/GOG.com)向けに発売中。2021年内にはPS5/Xbox Series X | S版も発売予定となっています。