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サポート「セイボリー」
自分の山札を3枚引く。その後、相手は相手自身のベンチポケモンが3匹になるまで、ポケモンをトラッシュする。
その効果は、相手のベンチポケモンが3匹になるまで、強制的にトラッシュさせるというもの。この効果を見て、とあるポケモンが頭に浮かんだ方も多いはず。
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そう、「ムゲンダイナVMAX」です。このポケモンは、自分のベンチにポケモンが並ぶほど、相手に与えるワザのダメージが上昇します。特性「ムゲンゾーン」が働けば、ベンチに並ぶポケモンの数は8匹に!そこから繰り出される「ドレッドエンド」の威力は凄まじく、これまで多くの大会で活躍してきました。
そんな「ムゲンダイナVMAX」に、「セイボリー」が刺さります。ベンチに並ぶポケモンの数が強制的に3匹以下になってしまうため、必然的にワザの威力も低下。「ムゲンダイナ、厳しそうだな」という意見が多く流れる事態となっています。
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それぞれのカードテキストを読む限り、どう考えても「ムゲンダイナVMAX」に向かい風であることは明白。それでも、再販される「シャイニースターV」をチマチマと買い集め、つい最近「クロバットV」が4枚揃い、「よーし、これで“つよつよ”なムゲンダイナデッキ作っちゃうぞー」と息巻いていた筆者からすれば、「あっ、終わりっすか」と納得するわけにはいきません。
本当に「セイボリー」だけで「ムゲンダイナVMAX」は完封されてしまうのか。少し考えてみようと思います。
「クロバットV」が再利用できると前向きに考える
「ムゲンダイナVMAX」側が相手から「セイボリー」を使われた際、トラッシュに送るポケモンの筆頭は「クロバットV」でしょう。特性「ナイトアセット」を使った段階で役割をほぼ終えており、相手にサイドを献上することなくトラッシュに送れるのであれば、それはそれで良しです。
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トラッシュに送った「クロバットV」は「ふつうのつりざお」等で山札に戻しても良いのですが、「セイボリー」と同時に収録される新カード「クララ」を使うのも良さそう。返しのターン、トラッシュの「クロバットV」と他のたねポケモンを(&必要ならエネルギーも)回収できれば、最低でもベンチに5匹並びます。
「ドレッドエンド」のダメージは150程度となりますが、次のターンに1匹でもベンチに置ければ、大抵のVMAXが2パン圏内です。
手負いの「ムゲンダイナVMAX」もトラッシュできる
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「サカキの追放」とは異なり、「セイボリー」はダメカンが乗ったポケモンもトラッシュ可能。つまり、ダメージを負った「ムゲンダイナVMAX」をベンチに下げるように立ち回れば、トラッシュで受けたダメージをなかったことにできるため、相手としても「セイボリー」の使用を躊躇う状況が生まれてくるはずです。
各種入れ替え札や「ハイド悪エネルギー」を多めに採用して、一撃離脱を心がける構築を試す価値はありそう。毎ターン「ドレッドエンド」が宣言できるよう、エネルギーの加速方法だけ考える必要があります。“一撃離脱”であれば「学習装置」は機能しないはず。パッと思いつくのは「ガラルファイヤーV」&「マニューラGX」のコンビでしょうか。もしくは、1エネルギーで動かせるサブアタッカーもアリ。
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いうて毎ターン「セイボリー」は飛んで来ないはず
「セイボリー」には3枚ドローの効果がありますが、これをドローのメイン手段とするには少々物足りません。少なくとも“デッキに4枚ガン積み”というケースは、想定から外します。
対戦で「セイボリー」を使われる回数が1~2回であれば、上記2つの対策だったり、ベンチの数に依存しないサブアタッカーを用意したりすることで十分対抗できるはず。相手側も「ドロー枚数が足りなくて事故る可能性」「ボスの指令が使えない」等、のデメリットを抱えており、毎ターン「セイボリー」を使うわけにはいかないでしょう。
「セイボリー」を初めて見た時は、「あっ、ムリ」なんてつい後ろ向きになってしまいましたが、「ムゲンダイナVMAX」にも戦い方はそれなりにあるように感じます。『ポケカ』には無限の遊び方があり、自分の好きなデッキでどう戦っていくか考えるのも大きな醍醐味の1つ。これからも環境の変化を楽しんでいきましょう。
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ところで本稿を書きながら気付いたのですが、「セイボリー」と同時に発表された「ナゲツケサル」の特性「スローイングコーチ」の効果が物凄くて怯えております。「望遠スコープ」が付いた「れんげきウーラオスVMAX」の「キョダイレンゲキ」が恐ろしい。有識者の方、どうか助けてください。
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※記事内で使用しているカード画像は、「ポケモンカードゲーム トレーナーズウェブサイト」から使用しています。
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