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『Fate』シリーズの殺伐とした雰囲気から一変、主題に”料理”を組み合わせ、優しく平和に包まれた物語を描く「衛宮さんちの今日のごはん」。同作がニンテンドースイッチ向け料理ADV『毎日♪ 衛宮さんちの今日のごはん』としてゲーム化されました。
本作では、原作者TAa氏監修の元、様々な料理にまつわる日常ストーリーおよび、キャラクターたちと一緒に料理が楽しめます。原作の優しい雰囲気がゲームでどう描かれるのか?今回はそのプレイレポートをお届けします。
原作「衛宮さんちの今日のごはん」とは
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まずは題材となった「衛宮さんちの今日のごはん」を紹介します。本作はWebコミックサイト「ヤングエースUP」で配信中の料理漫画。シリーズの原点『Fate/stay night』のパラレルワールドを舞台に、主人公・衛宮士郎が自慢の手料理で、キャラクターたちの胃袋を魅了する物語が描かれます。
バトル要素や血生臭い描写もなし。どこまでも平和な「理想郷はここにあった!」と言わんばかりの世界観になっています。料理漫画としても本格的で、レシピや細かいテクニックを詳しく紹介。キャラクターたちの日常を楽しむだけでなく、新たな料理も学べる作品となっています。
原作の雰囲気そのまま!士郎と3大ヒロイン、2人っきりのオリジナルエピソードが楽しめる
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「Fate/stay night」のように、本作では「セイバールート」「間桐桜ルート」「遠坂凛ルート」の3ルートが用意。大晦日のエピソードを起点に、衛宮士郎と各ヒロインによる、1年間の料理物語が描かれます。
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初めは「セイバールート」のみ開放。料理初心者のセイバーが、士郎によるサポートのもと様々な料理に挑戦し、その腕前を上げていきます。同じく料理初心者の筆者も、この導入でするっとストーリーに入り込めました。
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1つの料理につき、料理前の日常パート(シナリオ前半)、料理パート(アクション部分)、料理の実食パート(シナリオ後半)の3つで構成。シナリオ部分はフルボイスです。
このパート構成は原作とほぼ同じ。士郎が日常パートで献立を思いつき、実際に料理し、完成品をみんなで食べる。キャラクターたちのほっこりする掛け合いも含め、原作再現度はかなり高いと感じました。
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ただし、本作用にストーリーは改変。例えば「鮭ときのこのバターホイル焼き」にランサーは登場せず、”以前ランサーが来た際に作ったもの”という感じに。「はじめてのハンバーグ」では幼少期に戻らず、”初めて作った際の思い出を語る”という感じになっています。
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そもそも本作に登場するのは、士郎、セイバー、桜、凛のみ。ランサーをはじめ、藤村大河やライダーなどは登場しません。シナリオパートも基本、士郎と各ルートヒロインの2人だけで進行します(たまに3~4人パターンもあります)。
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大人数で食卓を囲むシーンが見られないのは寂しいですが、2人っきりの特別感が増したのも事実。あの料理エピソードを各ヒロインに沿って描いたら……。そんなifの物語が楽しめるわけです。
簡単操作で料理体験!各ヒロインになり、ミニゲーム形式の料理に挑む
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料理パート(アクション部分)では、プレイヤーが各ヒロインになり、士郎の料理を手伝います。作業は下準備、切る、焼く、炒める、揚げる、煮る/ゆでる、混ぜる、こねるの8種類。1つの料理につき、2~4つの作業をこなすこととなります。
作業はミニゲーム形式になっており、それぞれで求められるアクションも変化。切るならば、リズムゲームのようにタイミングよくボタン入力。混ぜるならば、指定のボタンを連打といった感じです。
Joy-Con操作にも対応しており、Joy-Conを振り下ろしたり、回したりなど、実際の料理を思わせる動きで楽しめます。筆者はJoy-Con操作が下手なので、ボタン操作を選びました。
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基本的に使うボタンは1~2種類。ルールもシンプルで、戸惑うことはありません。一定スコア以上を獲得できれば作業クリアとなり、料理の実食パート(シナリオ後半)を見られます。
獲得スコアで実食時の反応も変化。高スコアで料理名人の士郎から「よく頑張ったな!」と褒められたり、ヒロインがほっこりした笑顔を見せてくれたりします。
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最初のセイバールートでは、セイバーが料理初心者ゆえに難易度もイージー。特に苦戦することなく、高スコアでクリアできました。それこそ本編はシナリオパートで、料理パートはオマケに思えるほど。しかし、桜と凛ルートでその認識は吹き飛びます。
本作の難易度はルートごとに異なり、料理経験者の桜と凛は難しめに設定(感覚的に凛>桜>セイバーでした)。前述した切るであれば、アイコンの迫るスピードと数が増加。混ぜるならば、ボタンの数が増えます。
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こうなると一筋縄でいかない反面、確かな手応えを感じ、料理パートもしっかり楽しめました。難しい分、実食パートでの高評価に笑みがこぼれます!
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なお、救済措置として「うでまえ機能」も用意。これは料理パートをこなすと上がる経験値システムです。一定ポイントに到達すると、料理パートで役立つスキルが獲得できます。
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また、料理パートのみを楽しめる「毎日ごはんモード」も搭載。うでまえが共有されるので、こちらで腕を磨き、役立つスキルを揃え、本編に改めて挑むというプレイも可能です。
レシピ内容がガチ過ぎる!充実したコレクション要素
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本編および「毎日ごはんモード」で料理をこなすと、スナップショットやイラストなどのコレクション要素が開放されます。本編中の衣装を変更したり、3Dモデルをじっくり観察したりも可能。これらを集めるのも楽しみの1つになります。
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開放されるのはキャラクター関連だけではありません。作った料理は「レシピ」としてコレクションに追加。これを参考に、現実でも”衛宮さんちのごはん”が作れるわけです。
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本編でも士郎のアドバイス付きで紹介されるレシピですが、コレクションでは人数分の材料も掲載。たかがゲームと侮ることなかれ。基本的な手順からコツ、注意点にいたるまで、こと細かに詳しく書かれています。
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完成品を美味しそうに食べるキャラクターたちを見ているだけに、自分も食べてみたい!と思うのは当然のこと。筆者もセイバーのように簡単な料理から挑戦し、それを叶えたくなりました。
『Fate』シリーズでも屈指の平和な作品となっている「衛宮さんちの今日のごはん」。ゲーム化されても雰囲気はそのままに、様々な料理やエピソードを楽しめました。本格的なレシピ紹介もバッチリ再現。登場キャラクターこそ少ないものの、各ヒロインに注目したオリジナルエピソードを見られて大満足です。このまま本作で料理も学んで、胃袋まで満たされたい!
ニンテンドースイッチ『毎日♪ 衛宮さんちの今日のごはん』は、ニンテンドーeショップにて配信中。価格は5,280円(税込)です。
『毎日♪ 衛宮さんちの今日のごはん』公式サイト
https://mainichi-emiyagohan.com/
ニンテンドーeショップ『毎日♪ 衛宮さんちの今日のごはん』
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000031435.html
©TAa・KADOKAWA・TYPE-MOON / 「衛宮さんちの今日のごはん」製作委員会
©「毎日♪ 衛宮さんちの今日のごはん」製作委員会
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